静岡県自転車競技コラム第1回見よう!応援しよう!マウンテンバイク・クロスカントリー競技
マウンテンバイク(MTB)クロスカントリー競技とは山の地形を利用したアップダウンのある未舗装の周回コースを一斉にスタートしてゴール順を競う競技です。コースは全長4km〜6kmと定められており、競技時間は男女ともに1時間20分〜1時間40分で周回レースとして争われます。コースの途中には「フィードゾーン」と呼ばれるエリアが2箇所設けられており、飲み物や補給食の受け渡しや、パンクなど故障した機材の交換修理がこのエリアでのみ可能となります。
分かると楽しい80%ルール
競技中にトップ選手とのラップタイム(1周当たりのタイム)差が、トップ選手の1周目のラップタイムの80%以上になった場合その選手はレースから除外される「80%ルール」により、周回遅れの選手によるレースへの影響がないようにコントロールされます。
コースは自然の地形を生かしつつ最近のワールドカップでは人工的なセクションが加えられ、場所によってはジャンプなど派手なアクションを見ることができます。東京2020オリンピックで会場となる日本サイクルスポーツセンターのコースもこれまで常設されていたコースを大幅に刷新。関係者も「ファンタスティックなレースが展開されるでしょう」と期待しています。
1970年代にアメリカで始まる
マウンテンバイクの起源は1970年代アメリカ・カリフォルニア州の若者たちがそれまであった自転車を改造し、山を下って競い遊び始めたことにさかのぼります。1980年になり大手の自転車メーカーが専用の自転車を発売し全世界に広まりました。その波は当然日本にも届き、1980年代後期からのマウンテンバイクブームに続きます。マウンテンバイクのレース競技としては山の急勾配を下り降りるダウンヒル競技と山道の長距離を競うクロスカントリー競技の二つに大きく分けられます。
1990年に第1回マウンテンバイク世界選手権が開催され、以後毎年会場を移して開催されています。1991年からは国際自転車競技連合(UCI)主催によるワールドカップがシリーズ戦として年間に数戦行われるようになり、日本からも毎年数名の選手が挑戦しています。
国内では1年に1度の全日本選手権の他に日本自転車競技連盟の公認レースとして現在「クップ ドュ ジャポン」がシリーズ開催されており、全国各地のコースでレースが行われています。
アトランタ五輪から正式種目
マウンテンバイククロスカントリー競技は1996年のアトランタオリンピックから正式種目として採用されました。男子はアトランタオリンピックから6大会連続、女子は2012年のロンドンオリンピックまで5大会連続出場しています。男子では山本幸平選手が2016年のリオデジャネイロオリンピックで21位、女子では小田島(片山)梨絵さんが2008年の北京オリンピックと2012年のロンドンオリンピックで20位になったのが最上位です。
オリンピックには世界選手権やワールドカップなどの国際レース(UCIレース)に出場してUCIポイントによる国別ランキングの順位で出場可能となります。そして今回の東京2020オリンピックでは開催国なので開催国枠として男女それぞれ1名ずつの出場が保証されています。日本から代表として出場する選手は2020年5月末には決定する見通しです。現在国内の選手たちは代表の座を射止めようと世界各国を渡り歩きレースに参加しています。
迫力満点スタートを観戦しよう
レースの観戦は基本立ち見です。特別席以外には座席がないので、コースの横で選手に声援を送ることができます。見所としては、スタートが迫力満点でおススメです(写真)。
横に並んだ選手が一斉にスタートすると土煙が舞い上がります。スタートを見送ったら導線に沿って移動し観戦できます。テクニックの見せ所となる岩場の下り坂や「ドロップオフ」と呼ばれるほぼ垂直な崖を下り降りる場所も迫力満点。海外ではカウベルやラッパなどの鳴り物を使って選手に声援を送っているので、是非楽しみながら選手を応援しましょう。
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