自転車競技の魅力まるわかり!

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ページID1044143  更新日 2023年1月27日

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東京2020オリンピック・パラリンピックの自転車競技は静岡県で開催。本県においては、オリンピックではロード、マウンテンバイク、トラックが開催され、パラリンピックではロードとトラックが開催されました。
自転車競技の魅力は何といってもそのスピード感です。ゴールの瞬間まで目が離せないスリルや世界の一流選手のテクニック、チームワーク、駆け引きなど、競技それぞれに見どころがあります。知るほどに面白い、自転車競技の魅力や豆知識をご紹介します。

写真:岩場を走行するマウンテンバイク
© PHOTO KISHIMOTO

オリンピック自転車競技

東京2020オリンピック競技大会で行われる自転車競技はロード、マウンテンバイク(MTB)、BMX(フリースタイル、レーシング)、トラック・レースの4種。そのうちBMXを除いた3種別が静岡県で開催されました。

自転車競技の最大の敵は空気抵抗。単独走行や集団の先頭を走る選手は体や自転車に受ける空気抵抗が大きくなるため、作戦を練って駆け引きしながら戦います。

Track オリンピック/自転車 トラック・レース 会場:伊豆ベロドローム(日本サイクルスポーツセンター)

チームワークや駆け引きも勝負の分かれ目になる高速レース

写真:伊豆ベロドローム
写真提供:高木秀彰

伊豆・修善寺にある「伊豆ベロドローム」を会場に実施されるトラック・レースは、1896年のアテネ大会から120年以上続く歴史ある種目。女子種目ができたのは、1988年のソウル大会で、1996年のアトランタ大会からはプロ選手の出場も可能になり、日本の競輪選手も参加できるようになりました。2000年シドニー大会からは、日本発祥の「ケイリン」が種目として加わっています。

トラック・レースは、個人種目と団体種目を合わせて6種目あります。

スプリント

2選手が同時にスタートして、ゴールへの着順を競う種目。ゴール手前の爆発的なスプリント合戦と、それまでのさまざまな駆け引きがポイントです。

ケイリン

日本で生まれたケイリンは、7人までの選手によってトラック6周で着順を争います。隊列の先頭を走るペースメーカーは電動アシスト付き自転車を使用します。

写真:ケイリン
© PHOTO KISHIMOTO

オムニアム

4種目(スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレース)を1日で行う複合種目。各種目で獲得した得点の合計で順位を争います。
女子代表の梶原悠未選手が2020年世界選手権でトラック競技日本人初の金メダルを獲得。東京五輪でも金メダルの有力候補です。

チームスプリント

1チーム3選手(女子は2選手)で行い、トラックを3周(女子は2周)します。1周ごとに先頭を走っていた選手がコースから外れていき、最後の1選手がゴールしたタイムを競います。

チームパーシュート

4人1組のチームで編成され、規定距離を3番目にゴールした選手の所要時間で争います。空気抵抗による疲労を避けるため、4選手が順番に先頭を交代しながら走ります。

マディソン(新種目)

2人1組のペアで選手が交代しながら走り、得点を稼いでいきます。交代するときは手をつなぎ、チームメートを投げ飛ばすように勢いをつけるシーンが必見です。

トラック競技の舞台となるのは、日本初の室内木製走路を有する伊豆ベロドローム。国際規格の1周250m、傾斜角度は最大45度あり、この傾斜のおかげで時速70キロメートルほどのスピードでも自転車をほぼ寝かせるように走ることでスムーズに曲がることができます。ベロはフランス語で「自転車」、ドロームはラテン語で「競技場」を意味します。

写真:マディソン
© PHOTO KISHIMOTO

トラック・レースの豆知識

速さを追求した自転車に違いが

トラック競技で使う自転車はとてもシンプル。ブレーキも変速ギアもなく、種目によっては特殊な車輪を使います。軽量で丈夫なフレームで、重さはママチャリの1/3。選手の漕ぐ力を最大限にペダルに伝えるために、足をペダルに固定して走行します。

Road オリンピック/自転車 ロード 会場:ロードレース:東京都~静岡県、個人タイムトライアル:富士スピードウェイと周辺道路

富士山を目指して1都3県を走り抜く、本格的なラインレース

写真:自転車ロード1

自転車ロードはマラソンのような長距離種目。一般道路を走行するため、沿道から声援を送れるのもロードならではの魅力です。

写真:自転車ロード2

写真:自転車ロード3

ロードは、ロードレースと個人タイムトライアルの2種目が行われます。

ロードレース

男子は244キロメートル、女子は147キロメートルのコースを一斉にスタートして着順を競いました。出場する各国はチームとして、エースを勝たせるために緻密な戦略を立てるのが特徴です。

個人タイムトライアル

選手が1人ずつスタートし、男子は44.2km、女子は22.1kmの距離の走行時間を競います。空気抵抗を少なくするために特殊な構造をした自転車やウエア、ヘルメットなどを使います。

写真:個人タイムトライアル

これまでオリンピックのロードレースは周回コースで行われてきましたが、東京2020大会では東京都をスタートし、神奈川県、山梨県を巡り、静岡県の富士スピードウェイにゴールします。総距離244キロメートル、獲得標高4865mであり、高低差も激しいことからオリンピック史上最も過酷なレースになると予想されています。

ロードレースの豆知識

時速100キロメートル、車並みのスピードで駆け抜ける

距離約250kmのロードレースで平均時速は40kmを超えます。スピードが落ちる上りもありますが、下りはその分高速に。直線の下りなら時速100kmにもなることも。長距離を高速で駆け抜けることから、消費カロリーは、成人男性のおよそ3日分(約7000kcal)にもなります。選手はレース中にエネルギーを補給しながら走り続けます。

Mountain Bike オリンピック/自転車 マウンテンバイク 会場:伊豆MTBコース(日本サイクルスポーツセンター)

オフロードを駆ける、過酷な耐久レース

写真:マウンテンバイク
© PHOTO KISHIMOTO

マウンテンバイクは、アップダウンのあるオフロードコースを周回してその着順を競うクロスカントリーと、下り坂コースを駆け下りそのタイムを競うダウンヒルの2種類があります。オリンピックではクロスカントリーが採用されています。
クロスカントリーでは、1周4キロメートル~6キロメートルの未舗装の山道を走ります。全選手が一斉にスタートして、周回コースを走り、ゴールした着順を競いました。
会場となる伊豆MTBコースは、急坂や急カーブ、段差などが設けられ、難易度は過去最高クラスであり、高い技術と体力が求められます。

コースには伊豆の名所や名物の名がつけられたポイントも

地図:会場(伊豆MTBコース)

伊豆MTBコースの各ポイントには、伊豆の名所や名物、日本らしさを表現した「天城越え」「浄蓮の滝」「箸」「わさび」「踊り子歩道」「枯山水」「桜吹雪」などの名前が付けられています。タフさの中にも日本庭園のような趣を感じることができるコースの景観も魅力のひとつです。

関連リンク

BMX オリンピック/自転車 会場:有明アーバンスポーツパーク(東京都江東区)

東京開催のBMXは日本勢の活躍が期待される新種目も

20インチという小さい車輪のBMX(Bicycle Motocross)は、広場でのパフォーマンスから専用競技コースを使ったレースまで、さまざまな種目があります。レーシングと、東京2020大会の新種目であるフリースタイルの2種目が行われます。

レーシングは8mの高さにある「スタートヒル」と呼ばれるゲートから、最大8人が斜度約35度の坂を一斉に駆け下りるスリリングな競技。フリースタイルは、曲面やスロープを複雑に組み合わせたコースで60秒間にトリック(ジャンプ・空中動作・回転)などを行って競う採点競技です。

女子BMX代表は島田市出身の大池水杜選手。島田市六合中学2年のときにBMXを始め、2018年ワールドカップフランス大会で初優勝しています。

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パラリンピック自転車競技(パラサイクリング)

東京2020パラリンピック競技大会の自転車競技では、トラック・レースとロードの2つが行われます。身体や視覚に障がいを持つ選手が、その障がいの種類に応じてクラス分けされて競技します。障がいにあわせて様々な自転車で競うことも特徴です。ルールの範囲内で自転車の改造も認められています。

パラリンピック自転車競技のクラス分け

Cクラス
使用自転車:二輪自転車
切断、機能障がい、麻痺などの四肢障がいの選手が出場。障がいの程度によりC1~C5に分類され、数字が小さいほど重度の障がいを表す。
Bクラス
使用自転車:タンデム自転車(2人乗り)
視覚障がいの選手が出場。
Tクラス
使用自転車:三輪自転車(トライシクル)
麻痺などの障がいにより二輪自転車に乗れない選手が出場。障がいの程度によりT1、T2に分類される。
Hクラス
使用自転車:ハンドサイクル
脊髄損傷などにより足でペダルを踏むことが困難な選手が出場。障がいの程度によりH 1~H5に分類される。
トラック・レース
Cクラス、Bクラス
ロード
Cクラス、Hクラス、Tクラス、Bクラス

Track パラリンピック/自転車 トラック・レース 会場:伊豆ベロドローム(日本サイクルスポーツセンター)

1周250m、傾斜のあるバンクを風のように走り抜ける

写真:トラック・レース
© PHOTO KISHIMOTO

オリンピックと同じ伊豆ベロドロームの250m板張りバンクが舞台。手や足、視覚に障がいのある選手が参加し、時速60kmを超えるスピードで最大傾斜45度のバンクを走り抜けました。

トラック・レースは3種目が行われます。

タイムトライアル

クラスごとに1km、あるいは500mと決められた距離を走って、かかった時間で順位を決めます。コンマ1秒を争う激しいバトルは圧巻の迫力です。

パーシュート

個人追い抜きとも呼ばれます。1対1の勝ち抜きで、反対側からスタートした相手を追い抜くか、4kmを走って速い方が勝ちとなります。

チームスプリント(混合)

男女混合の1チーム3人編成で、一緒にスタートします。1周ごとに先頭を走っていた選手がコースから外れていき、最後の1選手がゴールしたタイムで競います。

パラサイクリングの豆知識

パイロットとストーカーが一心同体に

視覚障がい選手が出場するBクラスは、前席にパイロットと呼ばれる健常者が乗り、後ろにストーカー(英語で蒸気機関車の火夫)と呼ばれる視覚障がい選手が乗ります。
2人が回すギアはチェーンでつながっているので、息を合わせてこがないと速く進むことができません。2人でペダルをこぐタンデム自転車は時速60kmを超える速さです。

Road パラリンピック/自転車 ロード 会場:富士スピードウェイと周辺道路

富士の麓が熱い戦いの舞台に!

屋外でレースを行うロードは、風や雨、暑さなど、刻々と変化する過酷な気象条件の中で行われます。クラス分けや使用する機材の違いはありますが、国際ルールに沿ってオリンピックとほぼ同じルールで行われました。

パラリンピックで行われるロードは3種目です。選手は障がいの種類や程度、使用する自転車により、それぞれクラスに分かれて競います。

写真:パラリンピック自転車ロード1

写真:パラリンピック自転車ロード2

写真:パラリンピック自転車ロード3

写真:パラリンピック自転車ロード4


一般社団法人日本パラサイクリング連盟提供

タイムトライアル

男女やクラスごとに定められた周回を時間差で1人ずつスタートし、それぞれの完走タイムで順位付けをします。強い精神力と独走力が必要です。

ロードレース

全選手が一斉にスタートし、着順を競います。先頭の選手が空気抵抗を受けるため、後ろで体力を温存しながら、勝負どころで一気に仕掛けます。

チームリレー(混合)

男女混合の3選手で編成され、リレー形式でタイムを競います。交代はタッチではなく、ラインを通過したら次走者がスタートします。

レースはアップダウンがある富士スピードウェイとその周辺で行われるため、スタミナを考慮したペース配分、ポジションの確保、ライバルをけん制して仕掛けるポイントなども勝敗を分けるカギとなります。

写真:チームリレー1
© PHOTO KISHIMOTO
写真:チームリレー2
© PHOTO KISHIMOTO
写真:チームリレー3
© PHOTO KISHIMOTO

パラサイクリングの豆知識

ハンドサイクルは種類いろいろ

下半身に障がいのある選手は、ハンドサイクルと呼ばれる手こぎ式の自転車を使用します。ハンドサイクルは、障がいの程度によって、仰向けの姿勢でこぐタイプとヒザをたててこぐタイプの2種類があります。また、健常者がレクリエーションで楽しむものもあります。

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