大腸菌の調査研究について

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ページID1044267  更新日 2023年1月13日

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大腸菌は人や動物の腸管内に常在する細菌で,その多くは病原性はありません。しかし、中には食中毒や感染症を引き起こす大腸菌もいます。
当センターでは令和3年度に、静岡県の犬猫(当センター及び浜松市動物愛護教育センターに収容された犬猫、または動物病院を受診した犬猫)を対象に、大腸菌の保有状況と薬剤耐性状況について調査しました。

薬剤耐性菌について

  • 細菌感染症の治療には抗菌剤が使われるが、その抗菌剤に対する耐性がある菌には効果を示さない。
  • 薬剤耐性を獲得した細菌が増えると、効果があるはずの抗菌剤が効かなくなり、治療が困難になる。
  • 薬剤耐性菌は不適切な抗菌剤の使用により増加する。
  • 食品や野生動物から薬剤耐性菌が検出されることもある。
  • また、人からペットに、ペットから人に感染する可能性もあるので、注意が必要。

静岡県の犬猫における大腸菌保有状況と薬剤耐性状況調査

調査方法

1.綿棒で犬や猫の直腸拭き取り材料または糞便ぬぐい検体を採取する。

イラスト:猫と犬から便を採取している様子

2.検体採取した綿棒を、培地に塗って培養する。(菌を発育させ増やす)

イラスト:シャーレ上の培地に塗っている様子

3.発育した菌の中から、大腸菌と思われる菌を選び、詳しく調べ、大腸菌かどうか確認す

イラスト:2本の試験官に色違いの液体が入っている様子

4.大腸菌を塗った培地の上に、薬剤をしみこませたディスク(丸い紙)を置き、培養す

イラスト:シャーレ上の培地に間隔をあけてディスクを置いた状態

5.培養後、ディスクの周りに菌が生えているか確認する。

ディスク周辺の菌が生えていない円状エリアが基準より大きければその薬剤に有効、基準より小さければその薬剤に耐性があると判定する。

イラスト:培養後のシャーレ上の菌有無の比較

調査結果

センター収容

動物種

調査頭数

陽性頭数

陽性率

薬剤耐性数*1

薬剤耐性率

29頭

22頭

75.90%

3頭

13.60%

83頭

65頭

78.50%

11頭

16.90%

動物病院受診

動物種

調査頭数

陽性頭数

陽性率

薬剤耐性数*1

薬剤耐性率

29頭

22頭

75.90%

11頭

50.00%

9頭

7頭

77.80%

0頭

0.00%

*1 薬剤耐性数:使用した15種類の薬剤のうち、1種類以上に耐性を示した大腸菌の数。
大腸菌は7割以上の犬猫から分離されました。いずれかの薬剤に耐性を示した大腸菌はセンター収容犬で13.6%、猫で16.9%、動物病院を受診した犬で50%となりました。
薬剤耐性菌を持っている原因は、過去に処方された薬の影響や、食べ物などの環境の影響が考えられます。

犬や猫を飼われる方へ

犬や猫などの動物から人に感染する病気は他にもあります。動物と人は適度な距離で接するようにしてください。
犬や猫の便には多くの病原菌が存在する可能性があります。飼っている動物の便はなるべく早く片付け、触ったらきちんと手を洗うようにしてください。
薬剤耐性菌は、処方された薬を飲みきらずに途中でやめてしまったり、捨ててしまったりすることで菌が薬に対して耐性を持つようになる事があります。
人間も動物も、処方された薬の取扱いには十分注意してください。

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このページに関するお問い合わせ

動物管理指導センター
〒431-1102 浜松市西区大山町3551-1
電話番号:053-437-0142
ファクス番号:053-437-9690
doukan@pref.shizuoka.lg.jp