株式会社マキノハラボ

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ページID1035184  更新日 2023年1月13日

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サーフィンの聖地からワーケーションの普及をチャレンジ

写真:マキノハラボ1

牧之原市の閉校になった小学校を活用し、まちづくりや教育の拠点づくりに取り組むために設立された株式会社マキノハラボ。代表の福代さんは、東京大学にて産学連携活動を行いながら、超小型衛星事業の経営もしており、都市と地方の複数を拠点に活動されています。今回は、福代さんが牧之原市で行っている事業やサテライトオフィスの誘致についてお話を伺いました。

企業名

株式会社マキノハラボ
事業内容
「新たな教育・人づくり」の拠点運営
所在地
牧之原市片浜
社員数
6人

きっかけ

どのようなきっかけで牧之原市に来たのですか?

私は、東京都で衛星情報等を活用し、産学連携で事業を行っているのですが、縁あって、牧之原市から閉校になった小学校の利活用を任されることになりました。私の出身が牧之原市で、閉校になった小学校を拠点に故郷の牧之原市に貢献してみたいという思いが1番のきっかけです。

旧小学校を使ったチャレンジ

牧之原市の旧小学校を活用してどのようなことをやっているのですか?

「株式会社マキノハラボ」は、旧片浜小学校をリノベーションした施設で、学校ならではの敷地の広さや校舎を利用した事業を行っています。

具体的には、1.施設活用事業、2.教育事業、3.まちづくり事業の3本柱で事業を進めています。施設活用事業は、理科室やパソコン室を利用して、開発合宿やサテライトオフィスの誘致を行っています。最近では、衛星の開発運用を専門とする東京都の事業者が開発合宿に来てくれました。また、東京大学の学生も研究の一環で当施設を使って毎年合宿に来てくれます。

教育事業は、空き教室にNPO法人などが入所し、放課後等デイサービス、ICT教育や外国人児童の日本語教育など、普通教育のサポートや一歩進んだ教育を当施設で行っています。年々、空き教室に拠点を構える児童教育を専門とする団体が増えており、当施設が「学びの拠点」としてステップアップしていると感じています。

まちづくり事業では、調理室などを憩いの場として改修し、納涼祭の開催など地域の方が楽しんで参加できるイベントを企画したりしています。納涼祭の時に開発合宿に来ている方も参加するため、合宿に来てくれた方は牧之原市の人の温かさを感じてもらって帰っていただいています。

写真:マキノハラボ2

福代代表は牧之原市でも東京の会社業務を行っているそうですが、何をやられているのですか?

私は、衛星の運用やデータ利用の事業化等を専門としているのですが、私自身も本社の仕事の一部を牧之原市で行っています。具体的に行っていることの一つは、IoT・LoRa※というネットワークシステムを形成して新しいサービスを提供します。このような事業をマキノハラボとしても行っており、茶園の省力管理や茶工場の品質管理など、遠隔でも各種管理・コントロールが可能になる技術支援を静岡県と連携して実施しています。

※LoRa:少ない消費電力で広いエリアをカバーする新しい通信ネットワーク

サテライトオフィスの誘致に取り組んでみて感じたこと

サテライトオフィスの誘致なども行っていると伺いました。どのような手応えを感じていますか?

新型コロナウイルスの影響で地方への拠点分散や進出、地方でのテレワークの需要が急激に増えていることを誘致する立場から実感しています。先日、母校の関東支部の同窓会で、テレワーク等について講演しました。参加者に、地元へ帰ってテレワークをしたいと思っている方がとても多くて驚きましたが、ある意味当然のことかもしれません。現在、首都圏の企業の多くは、在宅勤務が一般的になっており、出社も週1、2回になっています。週に1、2回の出社であれば地元の静岡県に帰って働きたいと思うのはごく自然なことだと思います。このような新しい生活様式に伴った価値観の変化は、地方にとって大きなチャンスだと思います。

地方にサテライトオフィスを開設するメリットは何だと思われますか。

私自身も東京都から業務の一部を移転しましたが、地方に移して良かったところはフィールドを使った実験や開発が自由に行えることです。私は、牧之原市でお茶の品質管理などを、IoTを活用して行っていますので、全国屈指のお茶の産地の牧之原台地を舞台に、スケールの大きい実証実験などが行える点は、都会のビル群ではできない地方の強みだと思います。この仕事は、地元自治体から依頼されて取り組んだものですが、自分の持っている技術で、地域産業の課題解決に貢献できることは大きなやりがいです。

デメリットについても教えてください。

交通網と情報通信については不便に感じることがあります。交通網については、牧之原市は東海道本線の沿線ではないため、都市部のアクセスは静岡市や藤枝市と比べると劣ります。

開発合宿などで牧之原市に来た人たちはどのような感想を持たれるのでしょうか?

開発合宿や短期のサテライトオフィス開設で来られた人の感想で1番多いのは、地元の人と交流できたことが良かったと言う声です。ここには、地域貢献などを目的として来る団体が多いため、何らかの形で地元の方と交流します。地域の人から「ありがとう!」と言われることで大きなやりがいを感じるのだと思います。都会では、地域の課題解決を行う機会も地元の人と触れ合う機会も少ないので、普段は味わえない人の温かさを感じられるところが満足してもらえる要因だと思います。

写真:マキノハラボ3

今後の展望

開発合宿やサテライトオフィスの誘致について今後の展望を教えて下さい。

今後は、サテライトオフィス誘致の広報とワーケーションの普及に力を入れたいと思っています。サテライトオフィス誘致の広報については、新型コロナウイルス感染症によって、人口が密な都会から地方へと移転などを考える企業が増えると思うので、その際に牧之原市がリスクの分散先として候補になるよう、首都圏に移住する牧之原市出身者などを通じて広報を充実させていきたいと思っています。私が東京都で経営している会社についても、本社機能を更に牧之原市へ移していきたいと考えています。

最後に地方に進出・移転しようとしている企業に一言お願いします。

地方には課題がたくさんあるため、それを解決する技術を持っているのであれば大きなビジネスチャンスに繋がると思います。また地方では、都内では行えないスケールの大きいフィールド実験を行うことができます。「地域課題を解決したい。」「広大な場所でフィールド実験を行いたい。」と思っている企業はぜひ牧之原市にお越しください!

このページに関するお問い合わせ

中部地域局地域課
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