東海北陸7県議会議長会 要望書
国民皆歯科健診の実現について
現在、我が国では、乳幼児歯科健診や学校歯科健診は義務づけられているものの、健康増進法等に基づく成人に対する歯科健診は義務づけられておらず、成人期以降の受診体制は十分とは言えない状況にある。
近年、歯と口腔の健康は、生活習慣病の予防に資するなど、全身の健康を保持・増進するための重要な要素であることが明らかになり、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診機会を十分確保する必要がある。
多くの地方自治体においては、歯と口の健康づくりに関する条例を制定し、生涯にわたる歯と口の健康づくりに関し、県民の自主的な取組を促進するとともに、県民の歯と口の健康づくりに向けた施策を推進しているところである。
こうした中、昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、生涯を通じた歯科健診である、いわゆる国民皆歯科健診に向けた取組の推進を行うことが盛り込まれた。
よって、国におかれては、国民皆歯科健診の実現を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する
記
1 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体を始めとした関係者の意見を十分に反映させること
2 国民皆歯科健診の実施に関しては、国において十分な財政措置を講ずること
3 国民皆歯科健診の実現と併せて、国民に対して歯と口腔の健康づくりや歯科健診の重要性についての啓発を行うとともに、健診受診後においても定期的な受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発、重症化予防のための総合的な取組を推進すること
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
防災・減災、国土強靱化対策の拡充について
1月1日に最大震度7を観測した令和6年能登半島地震により、特に、能登半島において甚大な被害が発生した。能登半島は三方を海に囲まれ交通網が脆弱であることから、災害時のアクセスルートの確保等様々な課題が浮き彫りとなった。今回の震災から得られた教訓も生かしながら、引き続き、災害に屈しない強靱な国土づくりを進めることが必要である。
現在、令和7年度までを実施期間とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(以下「5か年加速化対策」という。)」により、国と地方公共団体が一体となってハード、ソフトの両面から、防災・減災、国土強靱化対策を集中的に実施しているが、対策が必要な箇所はいまだ多数存在するため、中長期的視野に立って具体的目標を掲げ、取組の加速化・深化を図ることが極めて重要である。
各県においても、5か年加速化対策を活用し県土の強靱化対策を強化してきたところであるが、発生が危惧される南海トラフ地震等に対して事前防災及び減災の取組を引き続き推し進め、脆弱な社会インフラを整備し、機能を維持することの必要性はいまだ高く、今回の能登半島地震の教訓を踏まえ、その重要性は高まっている。
また、地域住民の安全・安心を確保し、大都市への過度な一極集中から脱却するためにも地方の強靱化対策及びそれを担う建設業等の体制整備は必要不可欠である。
よって、国におかれては、防災・減災、国土強靱化対策の一層の推進を図るため、下記の措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 5か年加速化対策期間完了後においても、昨今の甚大な被害をもたらす地震、豪雨、豪雪等の災害の状況も踏まえた上で、切れ目なく、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めるため、必要な事業規模を十分確保した国土強靱化実施中期計画を令和6年内に策定すること。
2 道路、電気、通信、上下水道等のライフラインの寸断等能登半島地震による甚大な被害に鑑み、国土強靱化実施中期計画の策定に当たっては、国土強靱化の対象事業を拡大するとともに耐震化の更なる強化や災害時における代替路線の整備の加速化等を行うこと。また、資材価格の高騰及び賃金水準の上昇も踏まえ、別枠による必要かつ十分な予算の確保等、対策の抜本的強化を図ること。なお、その配分に当たっては、社会資本整備の遅れがみられる地域に十分配慮すること。
3 令和6年度で終了することとされている緊急浚渫(しゅんせつ)推進事業、令和7年度で終了することとされている緊急防災・減災事業、緊急自然災害防止対策事業等については、地方公共団体の取組状況を踏まえ、適切に検討を行い、延長するとともに、方の実情に沿った、より活用しやすい地方債制度にする等、地方財政措置を拡充すること。
4 建設業における労働環境の改善を進め、人材の確保及び育成並びに次世代への技術力の継承に向けた環境整備に積極的に取り組むこと。
5 社会資本の適切な整備及び管理に加え、災害発生時の迅速かつ円滑な対応等のため、国の地方整備局を含め、現場に必要な人員の確保並びに体制の維持及び充実を図ること。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
生産資材価格への対応と農畜産物の適正な価格形成の実現について
原料を海外からの輸入に依存する肥料などの生産資材は、ロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの顕在化による調達難や円安の影響によって、価格の高止まりが依然として続いている。
また、農畜産物の価格は、生産・流通コストの上昇分に応じた価格形成が進んでおらず、農業生産の現場においては営農継続に支障を来しかねない危機的な状況となっている。
政府は、昨年6月に適正な価格形成の仕組みを法制化する方針を示し、食料システムの各段階の関係者が協議する場において検討を開始しているが、関係者間の調整が難航し法制化のめどがたっていない。
一方で、内閣府が1月に公表した「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」によると、75.5%が食品価格の値上げを許容できるとし、値上げ幅は1割高までが37.5%で最多となり、一定の値上げを許容する人が多数を占める傾向が表れている。
こうしたことからも、引き続き生産資材の高騰に対し、十分な影響緩和策を機動的に実施するとともに、改めて生産コストを反映した農畜産物の価格形成の法制化に向けた議論を加速させる必要がある。
よって、国におかれては、将来にわたる食料の安定確保と農業生産基盤の維持に向け、下記の事項について措置を講じられるよう強く要望する。
記
1 肥料価格については、令和2年を基準とした令和6年2月の農業物価指数が134.4となり、依然として高い水準にあることから、農業経営への影響緩和のため、肥料費の価格高騰分にかかる農業者への支援を実施すること。
2 国は現在、農畜産物の適正な価格形成が実現するよう飲用牛乳及び納豆・豆腐のワーキンググループを設置し、具体的な議論を開始しているが、それ以外の品目についても早急に検討を行うなど、価格形成の法制化に向けて取り組むこと。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
個に応じたきめ細かな教育の充実に向けた教職員定数改善等について
令和5年5月に開催された「G7富山・金沢教育大臣会合」において、「全ての子供たちの可能性を引き出す教育の実現」等について議論が交わされ、子供たち一人ひとりのウェルビーイングを実現するための教育の重要性が再認識された。
学校教育を取り巻く複雑化・多様化する課題に対応し、個に応じたきめ細かな教育を一層充実させることが求められているが、その原動力は教員の力であり、小学校、中学校及び高等学校全学年での少人数学級のさらなる前進と教職員定数の改善は必須といえる。
また、少子化が進行し、学校の再編・統合の動きも活発になっているが、閉校・新設双方の学校において学びの機会の確保や教員の負担軽減の仕組みの充実が必要である。
よって、国におかれては、個に応じたきめ細かな教育の実現のために、国の責任において、下記の事項について、適切に措置されるよう強く要望する。
記
1 小学校、中学校及び高等学校の全学年で少人数学級をさらに前進させること。
2 少人数学級実現のため、義務標準法・高校標準法を改正して教職員定数改善計画を立てること。
3 学校再編等により閉校、新設双方の学校における充実した学びの機会の保障や学校運営業務の負担軽減のため、加配による教員定数の確保を行うこと。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
令和6年能登半島地震からの復旧・復興支援について
本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震においては、最大震度7を観測し、石川県をはじめ富山県、福井県など広い範囲で大きな被害が発生し、200名以上の尊い命が失われ、数多くの方が負傷された。また、倒壊・液状化などによる甚大な住宅被害をはじめ、水道の断水、道路や港湾、下水道などの公共土木施設、農地や農業用施設などに甚大な被害が発生した。さらに、観光・宿泊施設においては、多くの予約キャンセルが発生したほか、被災した工場などでは生産停止に追い込まれるケースもあるなど、社会経済活動にも深刻な影響を与えている。
被災県においては、国や市町村とも連携し、県民・事業者の協力や全国の自治体からの応援もいただきながら、インフラの早期復旧、被災者の生活再建、医療・福祉の提供、農林水産業、伝統産業、観光産業などのなりわいの再建など、被災地の創造的復興に向けた取組を全力で進めており、今後も被災者に寄り添った、きめ細やかな支援に取り組む必要がある。
国においても、本災害の激甚災害への指定などにより、早期復旧を後押ししていただいているものの、今後も必要となる復旧・復興に向けた対応を踏まえると、到底、現行の国庫補助制度や地方財政制度の下では予算編成ができず、災害復興が行えない。また、市町村は県よりも更に脆弱な財政基盤である。
今後、地方自治体が財政面で安心感を持って復旧・復興にしっかり取り組んでいくためには、国による財政支援への明確な担保と長期的な支援が必要である。
よって、国におかれては、下記の事項について特段の措置を講じるとともに、復旧・復興を進めるにあたり、継続的な支援はもとより、同一の災害で被災した被災者や被災事業者に対しては同一の支援がなされるよう、強く要望する。
記
1 新たな補助制度の創設や補助率のかさ上げなどの財政措置及び地方負担分を極小化するための特別交付税の別枠措置、復興基金の創設など復旧・復興財源を確保するとともに、人的支援の強化、仕事・雇用の確保など、「できることは全てやる」という考え方の下、これまでの枠にとらわれない措置を講ずること。
2 国において検討されている、支援地域を限定した高齢者世帯等の生活再建のための新たな交付金については、地域を限定せず、本災害により同程度の被害を受けている被災世帯も対象とすること。
3 被災者生活再建支援制度における支援額の引上げや半壊以下への支援対象拡大を行うこと。
4 液状化による被害が甚大であることから、住宅・建築物耐震改修事業の拡充や宅地液状化防止事業の弾力的な運用を行うとともに、地方が住宅再建に対する支援制度を創設する際の財政支援を行うこと。
5 公共インフラや農業用施設、漁港、学校施設、文化財などの復旧に向け、予算の十分な確保を行うこと。
6 中小・小規模事業者等への支援については、被災地域や業種・業態に関わらず、全てのなりわいに対し、実情に応じた支援を行うこと。
7 今後の復旧・復興状況を踏まえながら、旅行支援「北陸応援割」の第2弾、第3弾を実施するなど、さらなる観光需要喚起策を実施すること。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
災害救助法における福祉の位置付けの明確化について
近年、地震や台風、豪雨等の大規模災害が多発している中、本年1月1日に最大震度7を観測した令和6年能登半島地震は大きな被害をもたらした。特に、能登地方の被害は甚大であり、200名以上の尊い命が失われ、住宅被害は7万棟を超え、いまだ安否不明者がいる上、避難者は1万名以上となっている。
大規模災害の発生時において、高齢者や障害者といった要配慮者を始めとする災者に対する福祉関係者の支援は、被災者の生命や健康を守り、生活を再建するために不可欠なものとなっている。
しかしながら、医療や助産支援と異なって、災害時の福祉支援については災害救助法上の位置付けが明確になっていないこともあり、災害派遣福祉チーム(DWAT)等による福祉支援や都道府県の相互応援が適切に実施される環境はいまだ整っていないのが現状である。
よって、国におかれては、災害時における福祉支援の充実のため、下記の事項を実施するよう、強く要望する。
記
1 災害救助法第4条第1項に「福祉サービス(介護を含む。)の提供」を規定し、災害時における要配慮者への福祉支援が、災害救助の一つであることを明確化すること。
2 同法第7条第1項の「救助に関する業務に従事させることができる」者として「福祉(介護)関係者」を明記し、必要な経費全てについて、災害救助費からの支弁を可能にすること。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
北陸新幹線の整備促進について
北陸新幹線は、高速交通体系の中軸として日本海国土軸の形成や分散型の国づくりに不可欠なものであり、乗車人員が開業前の約3倍となった金沢開業の顕著な効果が示すように、沿線地域の飛躍的な発展を図るうえで極めて大きな効果をもたらすものである。
また、大雨や大雪に強く、南海トラフ地震等の際に東海道新幹線の代替補完機能を有する北陸新幹線は、災害に強い強靱な国土づくりに必要不可欠な国家プロジェクトである。
関係各位の格別のご配慮により、本年3月16日に金沢・敦賀間が開業したが、北陸新幹線の整備効果は大阪まで早期に全線開業してこそ、最大限発揮されるものである。敦賀・新大阪間について、国土交通大臣は令和2年12月に「北陸新幹線の取扱いについて」で、「関係機関と調整して着工5条件の早期解決を図る」ことを示し、令和4年12月には「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)の取扱いについて」で、「開業までの期間を最大限短縮するよう努めるとともに、施工上の課題を解決するなどにより、着工に向けた諸条件についての検討を深め、一日も早い全線開業を実現してまいりたい。」と表明した。
これらを踏まえ、あらゆる手段を尽くして敦賀・新大阪間を一気に整備し、沿線住民の長年の悲願である北陸新幹線の全線整備を一日も早く実現するよう、次の事項について強く要望する。
記
1 敦賀・新大阪間の一日も早い認可・着工を実現するため、次の事項を確実に実行するとともに、必要な予算を確保すること。
⑴ 沿線地域の意見を踏まえながら、環境アセスメントを地元調整も含め丁寧かつ迅速に進めること。
⑵ 「北陸新幹線事業推進調査」について、国において沿線住民の理解を得ながら、従来、認可後に行っていた調査も含め、必要な調査等を先行的・集中的に行い、施工上の課題を早期に解決するとともに、開業までの期間を最大限短縮すること。
⑶ 沿線自治体との情報共有を徹底しながら、調査・検討を加速させ、駅位置・詳細ルートを早期に確定・公表するとともに、建設費や工期等を示すこと。併せて、認可・着工及び全線開業に向けた具体的なスケジュールを早急に明らかにすること。
⑷ 着工5条件を早期に解決すること。特に、新幹線への公共事業費の大幅な拡充・重点配分、貸付料財源の最大限の確保、財政投融資の活用等、整備財源に関する議論を深め、必要な財源を早急に確保すること。
⑸ 関西をはじめとする沿線地域の住民に対し、国が前面に立って、国土政策の根幹を成す極めて重要な国家プロジェクトである北陸新幹線の必要性や意義を丁寧に説明し、早期全線整備に向けた理解促進を図ること。
2 地方負担については、沿線自治体に過度の負担が生じないよう、より一層のコスト縮減や、国家プロジェクトにふさわしい十分な財政措置を講ずるとともに、各府県への停車の配慮など負担に見合う受益の確保を図ること。
3 北陸新幹線開業に伴う並行在来線は、地域住民の交通手段であるとともに、国の重要な広域物流ネットワークの一部を担っている。こうした並行在来線が健全に経営できるよう、JRからの協力・支援のあり方や、貸付料の活用、貨物調整金制度の見直しなど幅広い観点からの財源確保の方策も含め、運営費支援などの新たな仕組みを、法制化も視野に入れ、早急に検討し構築すること。併せて、初期投資や老朽化車両の更新等の設備投資に係る支援制度の拡充や予算枠の確保、設備の合理化に係る支援制度の創設など、支援施策の充実を図ること。
4 全線開業までの間、敦賀駅において新幹線と在来線特急との乗換が生じることから、北陸と関西・中京間の円滑な流動を確保するため、利用者の利便性確保と負担軽減を図ること。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
北陸地域における高規格道路の整備促進について
高規格道路は、国土の骨格をなし、広域的な交流の促進や地域間相互の連携を強化し、経済成長や地方創生の実現に大きな役割を担うものである。また、甚大な被害が発生した令和6年能登半島地震のような災害にも強い国土構造を実現するため、高速交通体系の複軸化による相互補完・代替性の強化は国家の急務であり、さらに、ポストコロナ時代においては、分散型社会を形成し、強靱な経済社会構造を構築するため、広域道路ネットワークの早急な強化が求められている。
東海北陸自動車道は、日本海側と太平洋側とを結ぶ地域連携軸としての日本中央横断軸を形成し、北陸と東海地方とを直結するものであり、中部圏の一体的な産業、文化の飛躍的発展や環日本海諸国との交流の促進に寄与し、地域住民の生活向上を図る上で欠くことのできない重要な路線であることから、早期全線4車線化が望まれる。
能越自動車道は、北陸自動車道、東海北陸自動車道と直結し、富山県西部及び能登地域と三大都市圏との高速交通体系を確立するとともに、地域の活性化に大きく寄与する重要な路線であり、早期完成が望まれる。
中部縦貫自動車道は、北陸自動車道や東海北陸自動車道等と一体的に機能することで、北陸圏と関東圏、中京圏、関西圏を結ぶ広域ネットワークを構築する重要な路線であり、大野油坂道路の一日も早い全線開通が望まれる。
舞鶴若狭自動車道は、日本海国土軸の一翼を担い、中国自動車道、名神高速道路、北陸自動車道等と一体となって関西圏、中京圏、北陸圏の広域ネットワークを形成する重要な路線であり、今後さらなる利便性向上のため、早期全線4車線化等が望まれる。
これらの路線は、北陸3県にとって、災害時の緊急輸送、救急医療活動の支援や冬期における交通を確保するほか、大都市との交流や地域連携の強化を促進し、経済の活性化を図る上でも必要不可欠な路線であり、必要な予算・財源を措置し、整備を推進すること。加えて、高規格道路のミッシングリンク解消及び4車線化等による道路ネットワークの機能強化対策が位置付けられた「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な予算・財源を確保するとともに、対策期間完了後も、切れ目無く、継続的・安定的に国土強靱化の取り組みを進めるため、国土強靱化実施中期計画を令和6年内に策定し、必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保することを強く要望する。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正について
冤罪は、国家による最大の人権侵害の一つである。冤罪被害者の人権救済は、人権国家を標榜する我が国にとってはもちろんのこと、地域住民の人権を守る義務を有する地方自治体にとっても重要な課題である。
しかし、冤罪被害者を救済するための再審手続に関する法律(刑事訴訟法第四編「再審」)上の規定は、僅か19か条しかなく、再審手続をどのように行うかは、裁判所の広範な裁量に委ねられていることから、再審請求手続の審理の適正さが制度的に担保されず、公平性も損なわれているとの指摘もある。
また、過去の多くの冤罪事件では、警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになり、冤罪被害者を救済するための大きな原動力となっているが、現状では捜査機関の手元にある証拠を開示させる仕組みについて、現行法に明文化された規定がなく、再審請求手続において証拠開示がなされる制度的保障はない。そのため、裁判官や検察官の対応いかんで、証拠開示の範囲に大きな差が生じているのが実情である。
さらに、再審開始決定がなされても、再審公判に移行するまでに長期間を要している実情がある。
よって、国におかれては、刑事訴訟法の再審規定の在り方について、上記の実情等を踏まえ、議論を加速するよう強く要望する。
以上、東海北陸7県議会議長会の議決により要望する。
令和6年4月22日
東海北陸7県議会議長会
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