かわを楽しんでいただくために
川の利用の心得
水難事故件数の約半数は、7月から8月に集中しています。川はいつでもどこでも安全な状態とは限りません。河川利用にあたっては、川が増水するのはどのような条件のときか、増水した川がどのような状態になるかなど、安全に関する川の基礎知識を身につけて、川遊びを楽しみましょう。
出かける前の準備
1.川の基本特性を把握しよう
降った雨が河川に集まる範囲を、その河川の「流域」といいます。例え遊んでいる場所で雨が降っていなくても、流域の上流側で雨が降れば、川の水位は上がります。
今いる場所だけでなく、同じ流域内の上流側の雨の様子も知ることが重要です。
鉄砲水の発生
日本の河川は急流が多く、ひとたび雨が降ると川が一気に増水し鉄砲水になるケースが少なくありません。「雨が降ったらすぐに川から離れる」が鉄則です。
ダムの放流
ダムは、雨が降っているとき以外にも、水利用や洪水防止のために貯めた水を放流することがあります。
ダムからの放流が始まると下流側では河川の水位が急激に上昇するので注意が必要です。
2.事前に情報を集めよう
出かける河川の情報収集
出かける川がどんな川なのか?上流にダムがあるのかないのか?などを事前に確認しておきましょう。地図やホームページなどで調べることができます。また、公益財団法人河川財団のホームページから確認できる「水難事故マップ」では、全国の水難事故の内容や発生箇所を確認できます。
また、動画でも安全に川遊びするために気をつける事等を学ぶことができます。
気象情報の収集
テレビ、ラジオ、新聞で情報を集めることも可能ですが、パソコンや携帯電話によるインターネットのサイトにも充実した情報がたくさんあります。日本気象協会や、専門会社のサイト以外にも、新聞社や放送局のサイトには地域の気象情報が掲載されています。静岡県土木総合防災情報「サイポスレーダー」では、県内の水位や雨量情報などをリアルタイムで見ることができます。
3.川に行くための支度をしよう
適切な準備をすることが水難事故の回避につながります。
例えば、ライフジャケットを正しく着用することにより、溺れた時に呼吸を確保できる可能性が高まります。全国では、川で遊ぶ際にライフジャケットを着用していたことで命が助かった事例もあります。
【持ち物の例】
ライフジャケット、ヘルメット、乾きやすい服装、運動靴(かかとがしっかり固定できるスポーツサンダル)、スローロープ(水に浮く素材でできたロープ)、タオル
身につける物は、体の大きさ、用途等に合わせたものを選びましょう
出かけてからの注意
1.危険な場所は避けよう
危険を示す掲示板などがあるところは避ける
現地に、注意を促す看板等がある場合はその指示に従います。
河原や中洲
河原や中洲に草木が生えていても、増水により水没する可能性があります。特に中州は、水量が増すと逃げ道がなくなるため、キャンプなどの長時間滞在する場所には選ばないようにしましょう。
瀬と淵
川には、流れが速く浅い「瀬」と流れが遅く深い「淵」があります。場所によって深さや流れの様子は一定ではありません。
川幅
川の幅が狭く山や谷が迫っている場所では、増水時に水かさが上昇する時間が早く、逃げ場がなくなる可能性があります。このような場所では、水位の変化に注意しましょう。
人工構造物
河川内には堤防や構造物を守るためにコンクリートブロックが設置されている場所があります。このようなブロックの周りには複雑な流れが発生しており、隙間に挟まれたり吸い込まれると脱出できなくなる危険があるので近付かないようにしましょう。
また、川を横断するように設置されている堰の周辺など、水が流れ落ちている箇所では、上流方向に反転する強力な流れが発生し、とても危険です。
2.水の濁り・天候の変化を察知しよう
川の水
川の水が濁る、上流からごみが流れてくるときは、上流で水位が上昇していることが考えられます。川の水位が徐々に増しているときなどはさらに危険なサインとみるべきです。川がそのような状態になったときは迷わず避難するようにしましょう。
雲の形
山の山頂を覆うような笠雲があるときは、上空に湿った空気がある証拠です。湿った気流も天気が崩れるサインです。用心するようにしましょう。
3.警報等の危険情報に従おう
避難
水位の上昇や天候の悪化等の危険情報による避難の呼びかけが行われた場合には、速やかにその指示に従い避難しましょう。
ダム下流における危険情報の提供
ダムの下流には、放流時の安全を確保するために、放流を知らせるサイレンや電光掲示板、注意看板などが設置されています。ダムは洪水の時だけではなく、利用のために放流されることがあります。上流にダムがある川では、現地で電光掲示板や注意看板、警報装置の場所を確認しておきましょう。
リアルタイムの情報チェック
活動中にも随時、気象情報や水位を確認しましょう。
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