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更新日:平成24年5月25日

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低炭素社会学1時間目

低炭素社会に向けて

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今私たちの住む地球では、18世紀に始まった産業革命以降、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を使い始めたことによって、二酸化炭素メタン一酸化二窒素 いっさんかにちっそ 代替 だいたい フロン類の6種類の温室効果ガスの大気中の 濃度 のうど が増え続けています。

1時間目は、「地球温暖化」と「静岡県の取り組み」について学習していきます。

博士

地球温暖化とは?

6種類の温室効果ガスが地球を おお まく となって太陽からの熱を地球に ふう め、地表を暖めることによって地球の平均気温が 上昇 じょうしょう しています。これが「地球温暖化」とよばれる現象です。
温室効果のメカニズム

地球の平均気温

地球の平均気温は、過去100年間(1906~2005年)に0.4~0.8℃上昇 じょうしょう しました。とりわけ、1997年以降の気温の上昇が顕著 けんちょ で、このまま対策がなさなければ、100年後には、1.4~5.8℃上昇すると予測されています。

世界の年平均気温の平年差

地球温暖化による影響

  1. 海水面の上昇
    水が 膨張 ぼうちょう したり、北極や南極の氷、山岳 さんがく 氷河が け、2100年には1990年に比べて9~88cm海水面が上昇 じょうしょう すると予想され、関東平野の水郷 すいごう 地帯や濃尾 のうび 平野の輪中地帯、バングラディッシュやタイ・メコン川流域、太平洋の海抜 かいばつ 数m未満の小島国では、国土の多くが海の中に しず んでしまうことが予想されています。
  2. 山岳地帯での洪水
    ネパールやブータンなどの山岳では、氷河が急速に溶け出し、 泥流 でいりゅう や岩なだれを招き、下流の村落が洪水 こうずい おそ われる危険が高まっています。
  3. 異常気象
    熱帯低気圧や干ばつ、熱波の多発化・強度化、また、台風やサイクロン、ハリケーンの強大化などの異常気象が引き起こされ、 浸水 しんすい や海岸侵食 しんしょく の多発、森林火災の多発、飢餓 きが の発生、農業収穫 しゅうかく 量の減少などが深刻化すると予想されています。
  4. 水不足
    湿潤 しつじゅん ・熱帯地域や高緯度 いど 地域では水利用可能量が増加する反面、中緯度地域や半乾燥 かんそう 低緯度地域では水利用可能量が減少することによって、数億人分の水不足が懸念 けねん され、また、サンゴの死滅化 しめつか やホッキョクグマの絶滅危惧 ぜつめつきぐ など、地球規模での種の絶滅リスクが増加するという、水分野や生態系分野への影響 えいきょう が予想されています。
    世界平均気温の変化の増大に対応した主要な影響
  5. 食料分野への 影響 えいきょう
    緯度 いど 地域では穀物生産性が低下し、中高緯度地域ではいくつかの穀物生産性が一時的に増加するが、温暖化の進行により低下するなど、食料分野への影響 えいきょう も予想されております。
    世界平均気温の変化の増大に対応した主要な影響

こうした問題の解決のためには、2050年には世界全体の温室効果ガス 排出量 はいしゅつりょう を現在の半分以下に減らさなければならないとされています。

静岡県の計画

静岡県の現状

静岡県の現状はどうでしょうか? 下記の静岡県内の、 (1)温室効果ガス排出量の推移、(2)二酸化炭素排出量の推移の棒グラフを見て下さい。

静岡県内の温室効果ガス排出量の推移・静岡県内の二酸化炭素排出量

共に増え続けた排出量 はいしゅつ が、静岡県民の みな さんの努力で2005年(平成17年)をピークに、少しずつですが、減り始めています。しかしながら、2008年(平成20年)の県内の温室効果ガス排出量は、基準年度(1990年度=平成2年度)に比べて、10.8%減少(森林吸収量を ふく む)にすぎません。

静岡県のとりくみ

静岡県は2020年(平成32年)までに、下記の指標を示しています。

  1. 1990年(平成2年)の県内の温室効果ガスCO2)排出量 はいしゅつ 34,400,000トンを25%以上減らす
  2. 太陽光、風力、廃棄物 はいきぶつ 発電などの「新エネルギー」の導入率を5.1%H21年)→10%以上に
  3. 販売 はんばい 台数の20%以上が電気自動車プラグインハイブリッド車
  4. 森林の二酸化炭素吸収量の確保*4のため、毎年10,800ha以上の森林を整備する*5(*5は 間伐 かんばつ 面積+保有面積-下刈 したがり 枝打 えだうち 除伐 じょばつ -+森の力再生事業により整備した面積の説明)

その実現のために5つの 施策 しさく を展開し、快適な生活を維持 いじ しながら、大幅 おおはば 二酸化炭素削減 さくげん を可能とする社会を、 みな さんと共に造ろうとしています。

2時間目と3時間目は、静岡県の低炭素社会へのとりくみについて学習します。

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