第2回島田市を中心に市民がいきいきするためのまちづくりに奔走!
NPO法人クロスメディアしまだの兒玉さん
こんにちは、静岡県中部地域局です。
地域活動に取組む方々にスポットを当て、地域との関わりのきっかけや、活動内容について、中部地域局の職員がインタビューし、みなさんに情報をお届けします。第2回となる今回は、島田市で活動されているNPO法人クロスメディアしまだの兒玉絵美(こだまえみ)さんにインタビューしました。
島田市に関わったきっかけは、地域づくりへの思いから!
私は、島田市(旧川根町)の抜里の生まれで、大学を卒業後、地元の商工会へ就職しました。主に個人事業主の方の経営指導をしていましたが、川根町の基幹産業が茶業で、商工業の割合が少ない地域だったこともあり、地元の観光や、産業祭、イベントなど、いろいろな仕事を行っていました。
この仕事を通じて、違和感を覚えたのは、地域の人達と関わる時に、”商業者”や”商工業者”という言い方で括ってしまうことでした。
何故なら、商業者の方々も、一歩店を出ればそこで生活する市民、町民だったり、お父さん、お母さんの顔だったり多面的な顔を持っているのに、仕事上では、商業者と職員といった関係で切れてしまっていたのです。
このような違和感から、この地域の人達ともっと多面的に関わり合いながら、地域に交ざった取組をしたいと思うようになっていきました。
そんなある日、商工会のあるプロジェクトで、現在活動しているNPO法人クロスメディアしまだと関わることがあり、これを契機に転職し現在に至っています。
生まれてから、ずっとこの地域に関わってきていましたが、クロスメディアしまだに入ったことで、地域づくりを主体的にやりたいと思いました。
自分がやりたい地域づくりへの思い
私は、生まれ育ったこの地域のことが、正直とても嫌いでした。というのも、子供の頃には、田舎で何もなくダサいと冷やかされ、県外の大学に行ったら、静岡は田舎だと言われたことを鵜呑みにしていたからです。
しかし、東京や都市部を目指しても、結局誰かのまねにしかならないし、東京のようになればいいわけでもきっとない。それならば自分が動いて、それをなりわいにしていこうと思ったことがきかっけだと思います。
何もやらずに文句を言っているのではなく、自分で動いていったら何か変わるんじゃないかなあと・・・
そして実際に動いていった結果が、現在活動している無人駅の芸術祭や毎月出している情報誌などに反映されています。
遠くから見ると潰れそうで汚く見えるお店が、実はとても美味しいお菓子を売っていたり、すごい技術を持っていたりします。遠くから勝手に汚いとかダサいとか決めてしまうのではなく、地域に一歩入ると、見方が180度変わったりすることがいっぱいあるんです。
そういうことを知らせたり、実践したりできるような場を作りたいということが、地域づくりへの思いの根本的なところにはあると思います。
事務局長として、様々な取組に奔走!
NPO法人クロスメデイアしまだは、島田市周辺で様々な地域づくり活動を行っていますが、これまで、地元の小学生に地域で働くことを体験してもらう『こどもわくワーク』や、何か新しいことをはじめたい人や今やっている活動をもっと良くしたい人を支援する『島田市民活動センター』、島田市おび通りに1日だけ誰でも本屋の店主になれるフリーマーケット型の古本市『ざわざわ一箱古本市』、地域の新聞購読者のための地域情報誌『月刊cocogane』など多彩な取組を行っています。
私は、事務局長として、全ての取組について企画の段階から運営まで関わっていますが、その中の主なものを2つ紹介します。
地域のお店等で職業を体験!こどもわくワーク
地域のお店とか企業の方に協力してもらい子供達にお仕事をさせてもらうイベントになりますが、10年続いています。
体験だけだとそれで終わってしまいますが、事前に家でのお手伝いをカードに書いてきてもらい、当日、家のお手伝いと働くことの違いを理解させることにしています。また、お仕事をした後には、お給料として疑似通貨”わくマネー”を渡し、それをまちで使ってもらうようにしています。
私は企画する際に、商業のための取組とか、子供のための取組とか、目的等を1個に限定せずに組み立てることを大事にしています。
この取組についても、地域の子供達を地域みんなで育てることを目的に据え、そこから生まれる繋がりから、その先で商業に効果が生まれたり、地域の防災に繫がったりするよう組み立てるようにしました。
今では、35~40くらいのお店や企業が協力してくれますし、口コミ等で評判になり、1回の受け入れ100人に対し、300人以上の応募があるような人気の高いイベントとなっています。
無人駅とアートの融合!無人駅の芸術祭/大井川
このイベントは、大井川鐵道の無人駅とその集落をフィールドとして、県内外からアーティストを招き作品を展示してもらう芸術祭となっており、今回は、令和3年3月5日(金曜日)~3月18日(日曜日)の24日間に16組のアーティストに参加してもらい開催します。
今回で4回目になり、今では地域にすっかり定着してきていますが、最初の頃は、アートって何?という地元からの質問に、どう説明すれば良いかとても苦労しました。
しかし、作品とかアートのことを説明するのではなくて、皆さんのここを表現したい、皆さんの住んでるここに興味を持つからこういう作品になるんですというような伝え方とすると、地元の人達は喜んでくれて、段々と理解が進んでいくようになりました。
また、アーティストが作品を制作する際に、軽トラックを出してくれたり、ちょっとした作業を手伝ったり、滞在中の差し入れなどの協力やおもてなしにより、アーティストとの交流と信頼関係も深まってきています。
初回から参加しているアーティストの今回作品は、コロナ禍で移動が不便な中、地元の方々とオンラインでやりとりしながら、協働で作品を作成するなど、集落の人との長期間における信頼関係がなければ制作できない作品となっています。
この信頼関係によって、今の芸術祭が成り立っているのだと思います。
島田市の好きなところは、のんびりしているところ
島田市の好きなところは、のんびりしているところかなと思います。特に川根エリアは、のんびりしていて、本当の豊かさが残っているようなところが良いと思います。
島田エリアというか街中の人達は、島田大祭とかあって、実はとても文化的な意識が高いのですが、それを表に出さない奥ゆかしさみたいなところが魅力だと思います。
のんびりしてやさしいから、あまり文句を言わないし、きっと穏やかなんだと思います。
リレーのバトンはNPO法人ESUNEの天野浩史さんへ
天野さんは教育、社会活動をテーマに場と人をつなぎ、新たな考えや発想を生み出す手腕はピカイチです。
お若いですがとても尊敬している方です。ぜひお話を聞いてみてください。
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