令和5年度日本語指導者養成講座【富士宮市】

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ページID1055319  更新日 2023年12月8日

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第1回 オリエンテーション 多文化共生の地域づくりと初期日本語教室

7月2日(日曜日) 富士宮市役所 受講者16名

講師

  • 静岡県立大学 教授 高畑幸 氏
  • 富士宮市市民部市民交流課 係長 二又川あき 氏
  • 静岡県多文化共生課 班長 古橋弘幸

「静岡県における地域日本語教育実態調査(2019年)結果報告」から、県内の外国人の在留資格の最も多いのは日本語教育が義務付けられていない「身分資格」であるため、学びたいのに学ぶ機会が保障されていない層へのアプローチが必要であることや、外国人住民と日本人住民のつながりを生む多文化共生の拠点としての日本語教室が求められていることなどを学びました。その後、県の方針と施策についての説明に続き、令和5年度にモデル市として初期日本語教室を開催する富士宮市より、外国人住民の状況、多文化共生の取組、「はじめての日本語」の概要と目標について話していただきました。県や市の外国人居住者の状況がわかり、また、初期日本語教室の動画を視聴をしたことで実際の教室のイメージをつかむこともできました。

写真:第1回講座の様子

写真:第1回講座の様子2

第2回 地域日本語教育と対話交流型日本語教室

7月9日(日曜日) 富士宮市役所 受講者15名

講師

東海日本語ネットワーク 副代表 米勢治子 氏

地域日本語教育の現状と課題について、地域の生活者としての外国人に対する日本語教育では、長時間の学習が必要となるテキストを用いた教授型の日本語教室は適さないということ、学習者がいつでも参加できるように1回完結の教室にすること、学習者の生活者としてのニーズに応えることなどを学びました。また、協働によるコミュニケーションによって人間関係を築き、学習者が教室外の社会とつながることが対話交流型日本語教育の意義であることを理解しました。グループワークでは、支援者役と学習者役になり、固有名詞以外の日本語を使わずに絵やジェスチャーだけを用いて伝えたいことを伝え合い、お互いのことばが分からない人との交流活動を体験し、多くの気づきを得ることができました。

写真:第2回講座の様子

写真:第2回講座の様子2

第3回 静岡県対話交流型日本語教材『はじめまして!日本語』の理解

7月16日(日曜日) 富士宮市役所 受講者18名

講師

地域日本語教育総括コーディネーター 鈴木ゆみ

「静岡県対話交流型日本語教材『はじめまして!日本語』」について、教材の構成や目的、コンセプトを確認し、対話交流型初期日本語教室の目的や学習目標ついて理解を深めました。グループワークでは、実際の教室で使用するワークシートを使い、参加者が用意した写真などの素材を用いて支援者役と学習者役になって対話交流活動を行い、体験を通じて教材の使い方と教室実施の流れ、各アクティビティの目的を学びました。その後グループで対話活動をふりかえり、良かったこと、難しかったこと、改善したいことについて話し合いました。更に、話し合った内容を参加者全員で共有することにより、より深い学びを得ることができました。

写真:第3回講座の様子

写真:第3回講座の様子2

第4回 活動計画を立てる(1)・コンセプトを考える・コースデザインの作成

7月23日(日曜日) 富士宮市役所 受講者16名

講師

地域日本語教育総括コーディネーター 鈴木ゆみ

どんな教室にしたいか想いやイメージを付箋紙に書いて持ち寄り、誰にでも分かりやすく伝わるコンセプトをグループごとに考え、模造紙に書き出して全体で発表しました。続いて、教室の目標を達成するためのコースの流れを考え、トピックを選んでグループごとにコースデザインを作成しました。メンバーの様々な意見を集約して1つにまとめるというプロセスを通じて、「地域日本語教室はチームで作り上げる」ことを、楽しく体験できました。

写真1

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第5回 活動計画を立てる(2) 活動進行表の作成

7月30日(日曜日) 富士宮市役所 受講者10名

講師

牧之原市「はじめての日本語教室」 日本語指導者 篠宮理恵氏

初期日本語教室を実施するために日本語指導者が毎回作成する活動進行表について、概要、目的、作成のポイントを聞き、教室実施に関わる皆で進行内容を共有することや、誰が見ても動ける活動進行表を作ることの重要性を学びました。続いて実際に講師が令和4年度牧之原市はじめての日本語教室で使用した活動進行表を参照しながら、準備、当日の流れ、指導者・指導補助者・学習支援者それぞれの役割、教室実施後の振り返りについて理解を深めました。グループワークでは、個人で考えた活動進行表をもとにグループ毎に一つの案にまとめ、全体で共有しました。

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第6回 日本語能力判定のテスター養成講座

8月6日(日曜日) 富士宮市役所 受講者18名

講師

愛知県あいち地域日本語教育推進センター 総括コーディネーター 千葉月香氏

学習者の日本語レベルを測る日本語能力判定の必要性と、とよた日本語学習支援システム「とよた日本語能力判定」の理念と手法を学びました。実際のテストの様子を映したビデオを見ながらレベルチェックをする練習をした後、受講者がペアになり「インタビュータスク」、「ロールプレイタスク」、「絵を見て話すタスク」をやってみました。相手が学習者だと思うと無意識に話すスピードがゆっくりになったり、単語と単語の間に間(ま)をあけたりしてしまうので、正確な判定になるように普通の話し方をするのが難しい様子でした。自信を持って判定するためには、表情や気持ちのセルフコントロールも含め、十分なトレーニングが必要なことが分かりました。

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第7回 学びを促進するファシリテーション講座

8月20日(日曜日) 富士宮市役所 受講者16名

講師

鈴木まり子ファシリテーター事務所 鈴木まり子氏

対話交流型初期日本語教室におけるファシリテーションについて、ファシリテーションの意味、対話活動における姿勢、ファシリテーションの効果について学び、ファシリテーターは学習者を主役にして対話や学びを促進することが役割であること、それが多文化共生社会の実現の促進につながることを理解しました。また、質疑応答形式で講師から様々な実例と解説を聞き、ファシリテーションの進め方のコツについて多くの気づきを得ることができました。グループワークでは、ファシリテーター・主役・参加者の3つの役割を交代しながらファシリテーションの実体験をしました。

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第8回 振り返り・まとめ

10月22日(日曜日) 大富士交流センター

講師

地域日本語教育総括コーディネーター 鈴木ゆみ

第1回から第7回の講座で学んだ内容について振り返り、富士宮市で開催中の初期日本語教室での実践を踏まえながら意見交換をしました。トピック「食べ物」の回で話題が広がり、学習者が「れいぞうこ」ということばを覚えてメモして帰れた、というエピソードが紹介され、対話の中から学習者が自分に必要なことばを主体的に学び取っている様子が確認できました。また、学習者が地域や職場でも今話せる日本語全てを使って何とか伝えようとしたり、日本人側も何とか分かろうとするお互いの歩み寄りが大切なのではないか、などの意見が出されました。最後に、地域日本語教室の社会的意義について考えた後、「R5わたしのキャッチフレーズ」として、参加者がこれからの活動で心掛けたいこと、頑張りたいことを宣言しました。

写真1 グループワークの様子

写真2 集合写真

このページに関するお問い合わせ

知事直轄組織地域外交局多文化共生課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2178
ファクス番号:054-221-2542
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