志太榛原の鳥獣害対策(3)被害防止のイロハ

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ページID1034125  更新日 2023年1月11日

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今回は、鳥獣被害と戦うための基本的な考え方についてお伝えします。

目的は「被害の低減」

生息数や行動範囲が把握しにくい野生鳥獣。鳥獣をやっつけようと、やみくもな対策に多大な労力をかけても、思うような効果が得られません。

目的は「被害の低減」だということを念頭に置き、効果を追求しましょう。

3つの視点で総合的に

対策は、3つの視点で取り組みます。

  • イ.生息環境管理・・・野性動物が近寄りにくい・住みにくい・繁殖しにくい場所にする
  • ロ.被害防除・・・作物を守るための柵やおどし、追い払い
  • ハ.個体数管理・・・動物の数を増やさない(減らす)ための捕獲等

野生のイノシシとシカの写真

この中の単独の取組みでは、効果が上がりません。例えば、イが欠けていれば、捕獲しても捕獲しても次の個体が集落に移動してくる。そんな中で柵を作ってもいずれは壊されてしまう・・・という事態に陥り、疲弊してしまいます。

「総合的な取り組み」が大切なのです。

何から始めるか・・・取組みはこの順序がテッパン!

(1)みんなで勉強しよう

動物軍との戦いには大勢の人間の力が必要です。集落の意識を高めます。効果的な(2)・(3)・(4)の取組を行うために大切なステップです。

(2)守れる集落、守れる畑づくり

動物にとって魅力的でない環境を作ります。具体的な対策の例として、次のようなものが挙げられます。

  • 摘果した果実、収穫後のやさいの外葉など、エサになる栽培残渣を野積みしない。
  • 放任果樹・耕作放棄地を減らし、エサや隠れ場所をなくす。畑の周囲の見通しを良くする。
  • 畑の管理や草刈り等の作業を見直す・・・無意識に動物が喜ぶ条件を作っていませんか?例えば、秋の草刈り作業によって野生動物が冬を生き延びる糧となる青草を増やしてしまうこともあります。また、農作業自体を守りやすく、楽な栽培体系へと改善をしていくことも大切です。
  • 動物が出やすい場所で人間活動を増やす・・・散歩コースを変えるだけでも効果あり!
    大きな費用をかけなくても、すぐに取り組めることがたくさんあります。

(3)自ら行う「囲い」と「追い払い」

作業者の目が届く柵。設置・補修・改良が簡単な柵。動物が侵入するのに手間取って不安になる柵であることが重要です。不安になった動物には、追い払いやおどしが効いてきます。電気柵が代表的ですが、「猿落くん」、「白落くん」など、安価で管理しやすい柵が開発されています。

(4)大規模柵や捕獲

補助事業を活用して大規模柵を設置したり、猟友会の協力を得て捕獲などに取り組みます。(4)は、(1)~(3)に取り組むことで効果のあるものになります。

効果が出ている地域があります

「動物にはかなわない」「あれを試したけど、効果が無い。ダメだ。」「どうせムリ」そんなふうに諦めるのはまだ早い!

集落ぐるみの総合的な対策を推進したところ、深刻な獣害から被害額がピーク時の8%にまで激減した県があります。

一つの対策で効果が得られない場合、「総合的な取組」という視点で、何がダメだったのかを考えます。第1回でも書きましたが、思い込みや決め付けをせず、そこに来た野生鳥獣の行動を研究し、ひとつひとつ対策を打つという姿勢で闘っていきましょう。

このページに関するお問い合わせ

志太榛原農林事務所 総務課
〒426-0075 藤枝市瀬戸新屋362-1
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