第29回伊豆文学賞 入賞作品決定

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ページID1079164  更新日 2026年1月16日

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文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第29回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。

1 審査結果

(1)小説・随筆・紀行文部門

作品名

種別

作者名

居住地

最優秀賞

ふたりひょっとこ

小説

天野 さおり

(あまの さおり)

静岡県磐田市

優秀賞

運河と少年

小説

 白鳥 和也 

(しらとり かずや)

静岡県静岡市

佳作

盆の中日

小説

柏木 節子

(かしわぎ せつこ)

静岡県裾野市

佳作

ナンキンハゼ

小説

松本 泉美

(まつもと いずみ)

静岡県浜松市

(2)掌篇部門

作品名

作者名

居住地

最優秀賞

海と砂の境目で

神谷 優里

(かみや ゆり)

東京都練馬区

優秀賞

静風

飯島 西諺

(いいじま せいげん)

神奈川県厚木市

優秀賞

賎機

池田 たえ

(いけだ たえ)

静岡県静岡市

優秀賞

死なせぬ神

遠賀 サチ

(おんが さち)

東京都町田市

優秀賞

白い奇跡

星野 有加里

(ほしの ゆかり)

静岡県富士市

優秀賞

僕と祖父とわさび

牧野 伊織

(まきの いおり)

静岡県伊豆の国市

入賞作品のあらすじは「7 入賞作品のあらすじ」のリンクをご覧ください。

2 最優秀賞受賞者のコメント

(1)小説・随筆・紀行文部門 「ふたりひょっとこ」 天野 さおり さん

受賞の知らせを聞いて

 自分の住んでいる磐田市が好きで、その魅力が伝わるよう楽しんで創作しました。受賞によりその魅力を伝えることができ嬉しく思っています。

応募の動機、静岡県との関わり

 以前より結婚を機にうつり住んだ磐田市のあたたかい人のかかわりが好きでした。いなかの人間関係というと、わずらわしいネガティブな話ばかり見聞きします。そういう側面があることは否定できませんが私自身は助けられた事の方が多いと感じています。そんな磐田市のちょっとおせっかいとも言われる地域のつながりのあたたかさを伊豆文学賞でならたっぷり表現できるのではと思い、応募しようと思いました。

作品に込めた思い

 磐田市の各地区では、おはやしの練習を通して作品のように地域の大人がまつり当日やその後まで面倒を見てくれます。親とも先生とも違う大人との交流や、あまり仲良くなかった地区の友達と深まるきずなを、地元ならではのささやかだけど楽しく盛り上がれるひょっとこ踊りを通して感じていただけたら、そして磐田に興味をもってもらえたら、と思って書きました。
 ぜひたくさんの人の目に触れて欲しいと思います。

(2)掌篇部門 「海と砂の境目で」 神谷 優里 さん

受賞の知らせを聞いて

 マナーモードを解除していたため、聞き慣れない着信音が響き渡ったときには警報かと慌てました。最優秀賞と知り、とんでもない電話に出てしまったと思いました。電話口で声が震えるという体験をしながら、私の作品を受け入れてくださる世界があることに感動していました。

応募の動機、静岡県との関わり

 小学生の頃、作文が本に掲載されたことがあります。その本を祖母は今でも大切にしています。そんな祖母に新しい作品をプレゼントしたいと思い、応募しました。子どもの頃の旅行先はいつも静岡県でした。全国のご当地キャラクターグッズを集めていた友人に、踊子や茶娘、うなぎに扮したキャラクターのお土産を何度も渡していました。重複していたと思います。大人になった今でも、仕事に疲れると足が向くのは静岡県です。

作品に込めた思い

 読んでくださった方に、「思いやりを大切にするお宿に泊まりたい」と思っていただける作品にしたいと思いました。また、観光業に携わる方々の励みとなる作品になっていれば嬉しいです。静岡県には心から応援したいすてきなお宿やお店がたくさんあります。この魅力が失われませんようにという祈りを込めて書きました。母との確執、兄嫁への嫉妬と感謝、経営方針の違い、家業の継承問題など、てんこ盛りです。

3 最優秀賞作品についての審査員選評(抜粋)

(1)小説・随筆・紀行文部門 (審査員:諸田 玲子)

 僅差ながらも終始最高点を堅持、私も強く推挙した。説明足らずのところや反対に整理すべきところなど、いくつか気になる部分はあるものの、それさえ忘れさせてしまう熱量に圧倒された。小説は読み手があってこそ、主人公の中学生・利人の心の動きが手に取るようにわかるだけでなく、舞台となる磐田市の祭の喧騒や太鼓の音までが臨場感たっぷりに伝わってきて、小説との一体感を得ることができた

(2)掌篇部門 (審査員:村松 友視)

 かつて、母によって閉め出され鳥籠の外へ出ることになったと思い込んで家を出て以来閉ざしたままだった主人公が、その母の跡を継いで女将の役を存分にこなしている兄嫁の一挙手一投足を目のあたりにして得心し、鳥籠の扉を閉ざしたのは自分の方だったと思いを立て直す心もようが、兄嫁の心くばりを緻密にしかも端的に描く文章のうしろから、そっと顔をのぞかせる。掌篇という、長編や短編の尖端から落ちる一筋の滴のごとき、このジャンルにふさわしい作品だった。

4 審査員

(1)小説・随筆・紀行文部門

村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
太田 治子(作家、第1回坪田譲治文学賞受賞)
諸田 玲子(作家、第26回新田次郎文学賞受賞)

(2)掌篇部門

村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
中村 直美(株式会社交通新聞社 常務取締役)
今村 翔吾(作家、第166回直木賞受賞、第19回伊豆文学賞最優秀賞受賞)

5 賞

(1)小説・随筆・紀行文部門

  • 最優秀賞 賞金 100万円
  • 優秀賞 賞金 20万円
  • 佳作 賞金 5万円

(2)掌篇部門

  • 最優秀賞 賞金 5万円
  • 優秀賞 賞金 1万円

6 募集結果

(1)応募総数

592編(小説251編、随筆34編、紀行文14編、掌篇293編)※前回から146編増加しました

(2)年代別応募数

年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 不詳 合計
小説・随筆・紀行文 3 11 41 35 65 64 55 20 3 2 299
掌篇 32 19 31 32 52 61 43 19 0 4 293
合計 35 30 72 67 117 125 98 39 3 6 592

(3)居住地別応募数

都道府県 静岡 東京 神奈川 埼玉 千葉 愛知 その他

海外

合計
小説・随筆・紀行文 114 43 28 13 12 9 79 1

299

掌篇 115 43 30 15 12 3 74 1 293
合計 229 86 58 28 24 12 153

2

592

7 入賞作品のあらすじ

次のリンクをクリックすると「あらすじ」ページを表示できます。

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