エキノコックス(多包条虫)の調査研究について

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ページID1052628  更新日 2023年3月16日

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当センターでは令和4年度に、静岡県の犬猫(当センターまたは県内管理所に収容された犬猫)を対象に、エキノコックス(多包条虫)の保有状況について調査しました。

エキノコックス症について

  • エキノコックスという寄生虫による感染症。
  • 日本では多包条虫が北海道に常在し、キツネや野ネズミなどの間で感染環が成立している。
  • キツネや犬などの糞便にエキノコックスの虫卵が含まれていることがある。
  • 人がエキノコックスの虫卵を摂取すると、肝臓や肺に幼虫が寄生し、数年後に肝障害などを引き起す事がある。
  • 犬やキツネなどは、感染していても症状がでないことも多い。
  • 虫卵に汚染された手指、食品、水などを介して人に感染する。
  • 治療法は外科的切除などで、無治療の場合は死亡することもある。
  • 予防法はエキノコックス虫卵を摂取しないこと。
    • よく手を洗う
    • 犬猫の排泄物はすぐ片付ける
    • 野生動物に触らない
    • ペットを屋外に放し飼いにしない
    • 沢や川の生水を飲まない など

静岡県の犬猫におけるパスツレラ属菌保有状況調査

調査方法

イラスト:検体採取する様子

  1. 犬猫の糞便を採取する。

写真:顕微鏡

  1. 採取した糞便を処理し、顕微鏡で寄生虫や虫卵がないか調べる。

写真:サーマルサイクラー

  1. 糞便から遺伝子を抽出し、PCR法でエキノコックスの遺伝子があるかどうか確認する。

調査結果(令和4年度)

犬47頭および猫44頭を調査しましたが、すべての糞便からエキノコックスは検出されませんでした。

表1 令和4年3月から10月に調査した犬猫
収容管理所 子犬 成犬 子猫 成猫 合計
賀茂 0頭

1頭

0頭

0頭

1頭

東部 0頭

5頭

0頭

0頭

5頭

富士 18頭

4頭

4頭

2頭

28頭

中部 3頭

1頭

0頭

0頭

4頭

西部 0頭

15頭

38頭

0頭

53頭

合計 21頭

26頭

42頭

2頭

91頭

 

また、顕微鏡検査にて、エキノコックス以外の寄生虫または虫卵が、表2のとおり検出されました。

表2 顕微鏡検査で寄生虫(卵)が検出された犬猫
検出寄生虫(卵) 子犬 成犬 子猫 成猫 合計
コクシジウム 0頭 0頭 15頭 0頭 15頭
犬回虫、猫回虫 0頭 0頭 8頭 0頭 8頭
鉤虫 3頭 2頭 4頭 0頭 9頭
鞭虫 0頭 3頭 1頭 0頭 4頭
マンソン裂頭条虫 0頭 0頭 1頭 0頭 1頭
瓜実条虫 2頭 0頭 0頭 0頭 2頭


 

 

 

犬や猫を飼われる方へ

犬や猫などの動物から人に感染する病気は他にもあります。動物と人は適度な距離で接するようにしてください。
今回の調査では、エキノコックスは検出されませんでしたが、近年では愛知県の犬の糞便からエキノコックスが検出されました。
飼っている犬猫がエキノコックス等に感染しないためにも、放し飼いをしたり生水を飲ませたりしないように注意してください。
また、犬猫の糞便には人に感染して重篤な症状を引き起す病原体がいる可能性がありますので、排泄物はなるべく早く片付けて下さい。
外出後、動物に接触した後などには、よく手を洗ってください。

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このページに関するお問い合わせ

動物管理指導センター
〒431-1102 浜松市西区大山町3551-1
電話番号:053-437-0142
ファクス番号:053-437-9690
doukan@pref.shizuoka.lg.jp