森林保護
松枯れ被害
現在本県において最も森林被害を及ぼしている害虫は“松くい虫”です。松くい虫被害は夏から秋にかけて、それまで健全であった松の枝葉が赤変し、枯れてしまう病気です。
しかし、この“松くい虫”という虫、本当の虫の名前ではありません。
1.被害原因
この“松くい虫”といわれる松枯れの被害はマツの伝染病の一種「マツ材線虫病」と言います。病気を起こす本当の犯人(虫?)はマツノザイセンチュウという体長1mmにも満たない線虫です。しかし、この線虫、自分では他のマツに移ることができません。
そこで運び屋であるマツノマダラカミキリに乗り移り他の健全なマツへ乗り移って行くのです。
2.被害対策
主な被害対策は春に行う薬剤予防散布と、秋に行われる被害木の駆除です。両方ともマツノザイセンチュウの運び屋であるマツノマダラカミキリを駆除し、被害蔓延を未然に防ぐことを目的としています。その他に進入してきたマツノザイセンチュウを直接殺す予防剤注入(マツの予防注射のようなもの)という方法もあります。
県ではこの様な防除を海岸林等の公益的機能の高い松林において実施するとともに防除を実施する市町へ助成しています。
3.被害対策区域
ナラ枯れ被害
近年本県において、ナラ・カシ・シイ類の樹木が枯損する「ナラ枯れ被害」が拡大しています。
1.被害原因
このナラ枯れは正式には「ブナ科樹木萎凋病」と言います。カシノナガキクイムシ(通称:カシナガ)という虫が、ナラ等の樹木の幹に穴を開けて侵入し、体に付着した「ナラ菌」が幹の道管内に入り込み、通水機能が失われ、樹木が枯死してしまいます。
しかし、コナラの場合、ナラ菌に感染すると2~3割が枯死しますが、残りの7~8割は生き残ります。ナラ枯れはマツ枯れと違い、カシナガが侵入しても多くが生き残るので、その地域の森林を全滅させるような被害が発生するものではなく、3~5年程度で終息するといわれています。
2.被害対策
主な被害対策は伐倒駆除や予防剤注入です。伐倒駆除は、丸太を破砕しチップにする方法と、丸太をビニールシートで被い、薬剤でくん蒸する方法があります。予防剤注入は、幹に穴を開けて薬剤を注入し、ナラ菌の繁殖を防ぎます。
動物被害
1.被害の概要
本県における森林動物による造林木への被害の中で、最も多いのはシカ・カモシカによるもので、被害面積の約9割を占めています。また、最近では高山植物等の自然植生への食害の被害も見られます。
2.被害対策
森林整備課における被害対策は、造林木への食害を防止するための柵の設置等に助成をしています。その他に、動物の個体数を計画的に調整するための、計画策定に資するための各種調査事業へ助成をしています。
※森林病害虫等防除事業の単価等について
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このページに関するお問い合わせ
経済産業部森林・林業局森林整備課
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