ここから本文です。

更新日:平成24年5月25日

  • 低炭素社会学
  • 循環型社会学
  • 自然共生社会学
  • english
自然共生社会学3時間目

生物多様性の確保、人と自然との関係

photo

私たち人間は、生物多様性からもたらされる様々な 恩恵 おんけい にあずかっています。 しかし、現在、世界中で1日に約50~150種の生物が 絶滅 ぜつめつ の危機にあり、中でも日本で絶滅の危機が最も高い種は、貝類です。県のレッドデータブックには、調査した1万種のうち543種が絶滅の危機にあると記してあります。

3時間目は、生物多様性の確保、人と自然との関係について学習します。

博士

生物多様性の確保

希少野生動植物の保全と外来動植物 およ び有害 鳥獣 ちょうじゅう 対策

静岡県では、条例に基づき種を指定し、 捕獲 ほかく ・採集などを規制しているほか、 桶ヶ谷沼 おけがやぬま や富士山静岡空港周辺地域などで生息・生育する野生動植物を、 継続 けいぞく 的に調査し、様々な主体による希少野生動植物の保護回復事業を 促進 そくしん しています。

一方、豊かな自然 環境 かんきょう や生態系を守るため、県内に生息・生育する野生動植物の 繁殖 はんしょく などを おびや かす要因の一つとなっている、ブラックバスなどの特定外来生物の 駆除 くじょ を促進しています。

また、個体数が著しく増え、生態系や農林産物に大きな 被害 ひがい およ ぼす おそ れのあるニホンジカなどの野性鳥獣について、防護 さく の設置などを行いながら、 狩猟 しゅりょう 者団体などと 連携 れんけい して計画的に個体数を調整しています。捕獲した 獣肉 じゅうにく について、地域資源として有効活用も図っています。

人と自然との関係を見つめ直す

自然ふれあい 施設 しせつ 等の利用 促進 そくしん

自然との れ合いに対する県民の関心が高まる中で、気軽に豊かな自然とのふれあいを楽しむことができる社会を実現し、自然との共生や保護の考え方についての意識を高めるため、県では「県立森林公園」(浜松市北区)や「県民の森」(静岡市葵区)などの自然ふれあい施設のほか、「遊木の森」(静岡市日本平地区)や「榛原ふるさとの森」(牧之原市切山)といった里山体験施設を整備し、自然とふれあう機会を提供しています

エコツーリズムなどの支援

県は、奥大井・南アルプス地域の雄大で魅力ある自然の恵みを活用した地域主導のエコツーリズムの取り組みや、農業体験や環境学習、住民間の交流活動など、地域の資源を活用したツーリズムの取り組みにより都市と農山漁村との交流を促進しています。

また、単に「大地の公園」ということではなく、地形・地層などの大地(ジオ)の遺産と大地に根ざした地域の文化や歴史などを地元の人がよく知り、適切に保全し、その価値をわかりやすく子どもたちや訪問者に伝えて、教育や観光などに活用していく「ジオパーク」構想があり、県は、伊豆半島の日本ジオパークネットワークへの加盟と、世界ジオパーク認定に向けた取り組みを支援しています。

農山漁村地域が持つ多面的機能の発揮

里地・里山・里海の保全

農地や農業用施設は、安全・安心な農産物を安定的に供給するだけはなく、美しい景観や豊かな生態系の保全、洪水や土砂崩壊の防止による環境保全など多面的な機能を持つ大切な資源です。 県も「ふじのくに美農里(みのり)プロジェクト」に取り組み、農村地域の大切な資源である農地や農業用施設を守る活動を行っています。

また、多くの県民に森林への理解と森づくりへの参加を促進するため、春と秋の年2回「森づくり県民大作戦」として、ボランティア団体、企業、行政などとの協働により、県内で一斉に森づくり関連行事を展開しています。

環境保全型農業の促進

農産物の地産地消の促進は、地域の農林水産物の消費を拡大し、農地を最大限に活用して需要に即した農業生産を行うことで耕作放棄地の解消につながるなど、農林水産業の振興にも寄与し、地域の環境保全にも貢献します。

また、生産地と消費地との輸送距離が短縮し、輸送に係る二酸化炭素の排出量が抑制されることで、低酸素社会の構築にも貢献するとされています。本県は、県内各地で多彩な農林水産物が生産され、生産品目数は、全国でもトップクラスとなっています。この「食材の王国」であることを活かし、国内外の人々を引き付け、憧れを集める「食の都」実現に向けた取り組みを進める中においても、県内料理店などで県産食材を活用して、地産地消を促進していきます。

林業の持続的な発展と環境保全型漁業の普及

県は、利用と再生を繰り返す森林資源の循環を保つため、これまでの小規模・分散的な林業生産活動による供給体制を見直し、森林施業の集約化を図り、計画的・効率的な森林整備と木材生産を支援しています。

また、県は、魚介類の親資源を適正に管理することで、次世代の資源を確保し、水産資源を持続的に利用する漁業への取り組みを促進しています。

良好な生活環境の確保

水・大気・土壌などの環境の保全

県は、快適な暮らしの基盤である、良好な水、大気、土壌などの生活環境を保全し、騒音や振動、悪臭など日常生活における音環境やかおり環境を良好に保つため、監視や指導を着実に行っています。 浜名湖では、流域の住民が主体となって、毎年1回、3万人近くが参加する「浜名湖クリーン作戦」を実施し、湖岸を清掃したり、夏には浜名湖周辺の中学生を対象とした「浜名湖湖上セミナー」を実施し、浜名湖の環境保全を考える機会を創出しています。

また、県は、富士山静岡空港がある、島田市と牧之原市の一部、吉田町全域において、開港と同時に環境基準を適用し、年2回周辺6地点において、航空機騒音の環境基準の達成状況を把握する調査を実施しています。

更に、流域の市街地化が進展したことにより、水質の悪化が進み、「全国公共用水域の水質ランキング」でワースト5に入っていた佐鳴湖(さなるこ)で、昭和60年度から浄化対策事業に着手しました。平成16年6月には「第2期水環境改善緊急行動計画」を策定し、流域対策に重点を置いた浄化対策を、県、浜松市、地域住民の協働により進め、平成22年11月、初めてワースト5から脱出しました。

化学物質の適正管理

県は、県民と事業者、行政などの関係者が、それぞれの立場の違いを十分に認識しながら、化学物質による危険性や利便性に関する正確な情報(化学物質の排出実態と環境モニタリング調査結果、その環境対策など)を共有しつつ、相互の意思疎通を図り信頼関係を築く、リスクコミュニケーションの普及を推進しています。

花と緑あふれる生活空間の創造

県は、地域の緑化ボランティア団体の支援を行う(財)静岡県グリーンバンクの事業を助成し、県民参加による緑化活動を促進しています。その事業を活用した地域住民の取り組みの一つが、下田市内の花の会の活動です。

また、県は、生活と自然が調和する「家・庭一体の住まいづくり」を提案し、自然とのふれあいや家族との団らん、地域とのつながりを大切にした新たな生活スタイルを推進し、豊かで美しい暮らし空間の実現を目指しています。

皆さん、この時間の授業でたくさんの活動を紹介しました。興味を持ちましたら、もっと詳しく調べてみましょう!

4時間目では、これまでの学習の成果を発揮すべく、 復習テストに 挑戦 ちょうせん してみて下さい。

2時間目へ トップへ戻る 4時間目へ