輸出実態調査について
1 概要
県では、今後の県産品海外販路開拓・拡大に向けた取組方針を策定し、より効果的に施策を展開するため、海外戦略5品目(お茶、いちご、温室メロン、わさび、日本酒)に関わる生産者や流通業者等の事業者に対し、例年、アンケート調査を行っております。
2 主な調査項目
- 輸出への取組方針
- 輸出実績(対象国・地域、輸出額、手法等)
- 輸出に取り組む上での課題
- 県に期待する支援策 ほか
3 調査結果の活用
輸出額の集計値を、ふじのくにマーケティング戦略において公表しております。
その他の項目については公表しませんが、同戦略の基礎情報及び翌年度以降の施策検討などに活用しております。具体的な活用事例は、本ページの「5 調査結果の活用事例」をご参照ください。
4 県が調査を行う意義
輸出額を把握する手段としては、財務省の「貿易統計」や、それを活用して農林水産省が作成した「農林水産物・食品の輸出に関する統計情報」があります。
しかし、これらの統計情報には産地情報が含まれないため、国全体や各港の実績は把握できても、「県産品の輸出実態」を把握することはできません。
取組方針の策定や、効果的な施策展開等のためには、まず現状をしっかり把握し、課題を整理する必要があります。
決して簡単に回答できる調査ではなく、ご協力いただく事業者の皆様には負担かと存じますが、より効果的に施策を展開し、関係の皆様の所得向上につなげていけるように努力してまいりますので、引き続きご協力賜りますようお願いいたします。
5 調査結果の活用事例
(1)「ふじのくにマーケティング戦略」における輸出額の公表
戦略では、2025年(令和7年)の海外戦略5品目輸出額を72億6千万円とする目標を定め、調査結果によりその進捗を確認しております。
(2)施策検討(主な内容)
<新たに輸出に取り組む事業者への支援>
調査結果から、「会社の輸出業務対応体制の構築(輸出部門の設置、ノウハウ、人材など)」や、「商談機会、マッチング機会の不足」、「商社の確保」など、新たに輸出に取り組むに当たり必要となることを課題と認識し「海外コーディネーターの設置」や「商談、販路開拓の支援や機会提供」を望む事業者が多いことを踏まえ、これを支援するために以下の事業を展開しております。
-
通商エキスパート
県海外事務所(中国、韓国、台湾、シンガポール)に、食品輸出の相談支援を行う専門家を配置しております。 -
輸出の裾野拡大支援事業(令和6年度輸出関連事業成果報告会)
商社等に委託し、県産品を輸出するスキームを構築しております。輸出の新規成約とその後の取引継続などについて数値目標を設定し、委託事業の終了後も取引が継続・拡大していくような仕組みを目指しております。
リンク先では令和6年度の成果が、下表では令和7年度の事業概要がご確認いただけます。
受託者名 | 対象国・地域 | 概要 |
---|---|---|
株式会社萌す |
米国 |
現地の日本食レストランへの食材提供 |
株式会社静岡VF |
マレーシア |
現地販売店でのテスト販売 |
株式会社WeAgri |
シンガポール |
現地販売店、ECサイトでのテスト販売 |
(令和7年6月18日時点)
<現地ニーズ・輸入規制への対応>
調査で「現地ニーズや輸入規制情報の把握」、「輸入規制に対応した生産体制」などを課題と認識する事業者が多いことを把握しているため、国庫補助も活用しながら、以下の事業を行っております。
- 通商エキスパート
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食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業費補助金
海外の規制に対応し、認証等を取得するための施設整備に関する補助金です。
リンク先では、過去の補助実績をご確認いただけます。 -
しずおか農林水産物海外市場開拓研究会
会員向けに、県委託事業や補助金等のご案内、海外ニーズや規制等の情報など、輸出関係情報をメールにて不定期でお届けしています。
<輸出額の拡大>
調査結果から、県の輸出額目標に向けては順調に推移していると考えられますが、一方で国が設定している2030年までに国輸出額を5兆円とする目標を踏まえると、今後さらなる輸出拡大に取り組む必要があることも事実です。
※2024年の国の輸出額:1.5兆円(前年比3.7%増)
県に期待する支援策として「商談支援」、「販促機会の提供」、「輸出用商品開発支援」などの意見も多いことから、以下の事業を行っております。
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海外戦略品目売上拡大事業(令和6年度輸出関連事業成果報告会)
海外に販売店を有する者に委託し、フェアの開催、商品改善・開発の環境整備などを行うことを通じて、受託者の県産品取扱額拡大と、委託契約終了後の継続取引商品の創出を図る事業です。
リンク先では令和6年度の成果が、動画でご確認いただけます。
【令和6年度海外戦略品目売上拡大事業による効果】
・売上額は対前年同月比58,723千円拡大(目標:対前年度比62,000千円以上の拡大)
・継続取引品目は4件(トマト、きらぴ香、みかん、和牛)
・いちごやみかん、トマト当の青果物が順調で、特にいちごの売り上げ額は前年度比約3倍
区分 | 内容 | 売上拡大額 |
---|---|---|
戦略5品目、その他青果物、 加工品等 |
いちご、メロン、わさび、茶、日本酒、みかん、 トマト 等 |
30,402 |
屋台イベント |
富士宮やきそば、富士山和牛等 |
28,321 |
合計 |
58,723 |
(令和7年6月18日時点)
お問い合わせ先
経済産業部産業革新局マーケティング課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3713
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