なるほど!?富士山

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ページID1019409  更新日 2023年1月13日

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日本一高い富士山には、いろんな“なるほど!?”がもりだくさん。

なるほど!と思ったら、おとなりの人にも教えあげてくださいね。

富士山の頂上では、約87℃で水が沸騰する。

日本一高い場所である富士山頂は極めて特異な環境にあります。

例えば、気圧は平地の3分の2程度しかないため、水は100℃になる前に沸騰します。

富士登山をするときに注意が必要な“高山病”も、山頂に近づくにつれて気圧が下がり空気が薄くなることで酸欠状態になり、頭痛や吐き気、めまいなどが引き起こされるというものです。

また、気温は100m上がるごとに0.6℃下がるため、富士山頂の平均気温は、真夏でも約6℃しかありません。

このようなことから、富士山に登る前にはしっかりとした計画を立て、万全の準備を整えることが必要なのです。

富士山の自然環境についてもっと詳しく知りたい方は、下の関連情報の「ふじさんネットワーク」のページをご覧ください。

富士山に初めて登ったのは、聖徳太子。(※諸説あります。)

聖徳太子の一生を記述した「聖徳太子伝暦」(重要文化財、興福寺蔵)の中に、「二十七歳(西暦598年)の聖徳太子が、体が黒く足が白い馬に乗って富士山を飛び越え信濃に至った」という一節があり、その様子は、富士山が描かれた現存する最古の絵といわれる「聖徳太子絵伝」(国宝、東京国立博物館蔵)にも描かれています。

また、役小角(えんのおづぬ)という呪術者も、同じく初めて富士山に登ったという伝承が残されている人物のひとりです。「日本現報善悪霊異記」には、西暦699年、伊豆への流刑を受けた役小角が、夜になると海の上を歩いたり空を飛んだりして富士山へ行き修業をするという生活を送っていたと書かれています。

富士山に高山植物が少ないのは、新しい山だから。

富士山は南アルプスなどの他の高い山と比べると高山植物がとても少ない山です。これは、富士山が南アルプスなどよりも新しくできた山であることがひとつの原因です。

高山植物は、氷河期に北方から南方へと移り住んだ植物が、気候が徐々に温かくなるにつれて、夏でも涼しい高い山へ移動して、そのまま高山帯に残ったものです。

富士山では、約1万年前の最終氷期が終わった後も噴火が繰り返しおこったことに加え、独立峰で周囲の高い山々から植物が侵入しにくいという条件も重なり、高山植物が少ないのです。

富士山の動植物についてもっと詳しく知りたい方は下の関連情報の「ふじさんネットワーク」のページをご覧ください。

富士山のふもと富士宮市には、“麓(ふもと)”という地名がある。

富士山の西南麓に広がる富士宮市は、富士山を御神体として平安時代に造営されたといわれる富士山本宮浅間大社の門前町として栄えてきました。そして、その北部(富士山西麓)には、漢字ひと文字で、その名も“麓”という地名があります。

また、富士宮市では「神様が土を掘り、その土を運んでつくりあげたのが富士山、掘った後が琵琶湖」という昔話をもとに、滋賀県近江八幡市との間で、国内でも大変めずらしい“夫婦(めおと)都市”の提携を結んでいます。

富士山は、湧き水の量も日本一。

静岡県駿東郡清水町にある柿田川湧水群の水量は、日量約110万トンで、日本一の湧水量を誇ります。これは、富士山に降った雨や雪が地下に流れ込んで地下水となり、三島溶岩流の間をゆっくりと流れ、三島溶岩流の末端にある柿田川公園付近で湧水となって現れたものです。柿田川はこの湧水を水源とし、長良川・四万十川とともに日本三大清流に数えられています。

地下で自然浄化された水は透視度の極めて高い清水で、年間を通じて15℃前後の一定した水温であるため、夏は冷たく冬は暖かく感じられ、「日本の名水百選」(環境省)や「21世紀に残したい日本の自然100選」財団法人森林文化協会・朝日新聞社に選ばれています。また、平成23年9月21日には天然記念物に指定されました。

「どっこいしょ」のルーツは、富士登山。(※諸説あります。)

富士山は、古より霊峰富士として聞こえ、富士山信仰が伝えられるとともに、遠方より望む秀麗な姿が多くの芸術作品の主題となるなど、豊かな自然や美しい景観の中で文化を育み、日本人の信仰や美意識などと深く関連してきました。

こうした富士山の豊かな文化や自然、美しい景観を、人類共通の財産として後世に継承していくため、静岡県や山梨県、関係市町、民間団体等が連携し、世界文化遺産登録を目指した活動を進め、平成25年6月に世界文化遺産に登録されました。

霊山としての富士山に登るとき、人々は白い衣を着て、八角の杖をついては「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」といく度も唱えました。六根とは、人間に備わった6つの感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、意識)のことで、それらが汚れなく清らかでありますようにと祈りながら登ったのです。

この「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」という音が、「どっこいしょ」と聞こえたというのが、富士登山が「どっこいしょ」のルーツであるという説です。

富士山の文化についてもっと詳しく知りたい方は、下の関連情報の「ふじさんネットワーク」のページをご覧ください。

富士山の初冠雪は、山頂の降雪の有無とは関係がない。

雪が山頂付近に積もり、白く見えることを冠雪といい、夏が終わったあと、山麓の気象台から初めて見えたときを、その山の初冠雪と呼んでいます。

そのため、仮に山頂で雪が降っても、山麓の気象台から確認できなければ初冠雪とはならないのです。

富士山の初冠雪は甲府地方気象台で観測を行っており、平年値は9月30日とされています。

富士市では、富士山が見えたかどうかを、毎日観測・記録している。

富士市では、平成3年に「富士・愛鷹山麓地域環境管理計画」を策定し、富士・愛鷹山麓の貴重な自然の保全、創造等に積極的に取り組んでいます。計画では、その「基本理念」のひとつに「富士・愛鷹自然風景の保全」を掲げ、「自然景観」を、環境を構成する重要な要素のひとつと位置づけており、その基礎データ収集を目的として、平成2年から「富士山の見え方」の観測を開始しました。

観測は、毎日、8時、12時、16時の3回、市庁舎から目視で行われています。

観測結果によると、富士山の見える割合は秋から春にかけては高く、反対に夏は低くなっています。

ちなみに、静岡県のホームページの中で一番アクセス数が多いのは、今の富士山の様子を確認することができる「ライブカメラ富士山ビュー」というページですが、このことからも、富士山に関心を持っている方がいかに多いかということが伝わるのではないかと思います。

全国には、400を超える〇〇富士がある。

富士山は、日本の最高峰として、古より神のごとき存在として信仰を集め、文学・絵画などの芸術文化の源泉となり、また、多くの生命や生活の礎となる清らかな水を育んできました。

こうした富士山への憧れから、全国には、富士と名のつく“ふるさと富士”が少なくとも400座あるといわれています。

例えば、鹿児島県にある「開聞岳(かいもんだけ)」は「薩摩富士(さつまふじ)」、北海道にある「羊蹄山(ようていざん)」は「蝦夷富士(えぞふじ)」、岩手県にある「岩手山(いわてさん)」は「南部片富士(なんぶかたふじ)」と呼ばれ、“ふるさと”の山として親しまれるとともに、そのいずれにも日本のシンボル性が託されて、文化的一体感の源となってきました。

ちなみに、意外な感じを受けるかもしれませんが、“本家”富士山を擁する本県にも、「下田富士」や「川奈富士」など、いくつかの“ふるさと富士”があります。

富士山は、和歌山県からも見える。

富士山が一番遠くから見えるのは、和歌山県那智勝浦町にある妙法山だとされています。その距離なんと322.6km。

こんなにも遠くから富士山が見えるのは、富士山が日本一高い山であること加え、富士山との間に視界を遮る障害物がないという好条件が重なったためですが、実際に眺めるためには天候に恵まれることが必要不可欠です。

なお、「カシミール3D」というソフトを使うと、標高データを元に、理論上、富士山がどこから見えるかを計測することができます。それによると、富士山を眺めることができる北限は福島県、南限は八丈島、東限は千葉県という結果になります。ただ、これはあくまで理論値なので、人工構造物により視界を遮られることで実際には見えないこともあるかもしれませんし、逆に、高いビルの上などに登れば、もっと遠くから見ることができるかもしれません。

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局富士山世界遺産課
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