リニア中央新幹線静岡工区/県民だより2023年12月号
県民の皆さまからの質問にお答えします
11月7日の第14回環境保全有識者会議(国設置)
では、どのような議論が行われましたか。
会議では、これまで議論を重ねてきたトンネル掘削による南アルプスの自然環境への影響と対策について、報告書(案)が示されました。
会議の中で、報告書(案)は大方針を示すものであり、県が意見書で指摘した課題を踏まえ、工事の前に不足している調査などを補う必要があるとされました。
また、委員から、JR東海が調査・環境保全対策などを確実に実施していくための管理体制の構築が重要などの意見がありました。
▲南アルプスの稜線のお花畑
リニア中央新幹線静岡工区有識者会議(環境保全有識者会議)
第14回環境保全有識者会議が11月7日に開催され、これまで議論を重ねてきたトンネル掘削による南アルプスの自然環境への影響と対策について、報告書(案)が示されました。
会議の中で、報告書(案)は大方針を示すものであり、県が意見書で指摘した課題を踏まえ、工事の前に不足している調査などを補う必要があるとされました。
また、委員から、JR東海が調査・環境保全対策などを確実に実施していくための管理体制の構築が重要などの意見がありました。
今回の会議の中で出た意見などを踏まえた今後の修正は、座長に一任することで了承されました。
県としては、沢の水生生物等への影響予測が行われていないなど、議論が必要な課題がまだ残されていると考えており、引き続き、有識者会議で十分な議論をしていただくようお願いしました。
※専門部委員の意見を踏まえ抽出
【トンネル掘削に伴う地下水位変化による沢の水生生物等への影響と対策】
議題1 沢の水生生物等への影響予測が行われていない
⇒順応的管理を行うことが難しい。生物の保全措置を適切に計画できない。
課題2 生態系の損失に関する評価がされていない
⇒生物多様性オフセットの考え方を踏まえ提案される代償措置が、適切なものであるか判断が難しい。
課題3 沢の上流域の生物調査が不足している
⇒実態が分からないため適切な保全措置がとられず、生物が死滅するおそれがある。調査結果により重点的なモニタリングを行う沢が変わる可能性がある。
課題4 流量変化の予測に影響する断層区分の設定根拠が明確にされていない
⇒設定が変わると流量減少する沢が増えるおそれがある。
【トンネル掘削に伴う地下水位変化による高標高部の植生への影響と対策】
課題5 断層によって高標高部の湧水と地下水がつながっていないことの検証が不十分である。
⇒湧水と断層に関連がある場合は、湧水の減少により、高標高部に生育する植物や、山小屋営業に影響が生じるおそれがある。
【地上部分の改変箇所における環境への影響と対策】
課題6 水質・水温の変化により底生生物への被害が懸念される
⇒現在示されている対策では被害が回避・低減できないおそれがある。
令和5年11月24日現在の情報です。
詳細は、「リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応」へ
→リニア中央新幹線整備工事に伴う環境への影響に関する対応
WEB県民だよりでは、リニア中央新幹線整備に関する県の対応などを連載でお伝えします。
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