揮発性有機化合物(VOC)取扱者の皆様へ 夏季におけるVOC排出削減に御協力ください

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ページID1017847  更新日 2023年5月26日

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VOC取扱者の皆様には、日頃から大気汚染防止法に基づく規制や自主的取組による「ベストミックス」によって、VOCの排出削減に御協力をいただいているところです。

有機溶剤等に含まれるVOCは、揮発して大気中で太陽光(紫外線)により、窒素酸化物(NOx)と反応し、有害な光化学オキシダントを生成したり、微小粒子状物質(PM2.5)や浮遊粒子状物質(SPM)を生成します。

日差しが強く、気温が高くなる夏季は、特にVOCが揮発しやすい環境になりますので、工場内における作業環境の改善や揮発ロスを防ぐためにも、特に適切な管理が必要になります。

静岡県では、神奈川県、山梨県との共同により、夏季におけるVOC排出削減を呼び掛けております。6月から9月までの間を、「夏季のVOC対策」重点実施期間と位置付け、VOC対策の強化を図っておりますので、VOC取扱者の皆様におかれましても、夏季におけるVOC排出削減に御理解と御協力をお願いします。

VOC取扱者向けのリーフレットを作成しています。御覧ください。

揮発性有機化合物(VOC)とは

イラスト:揮発性有機化合物

VOCとは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の頭文字をとったもので、塗料や印刷インキの溶剤などに使われるトルエン、金属や機器の洗浄に使われるテトラクロロエチレン、ジクロロメタン等、大気中で気体状となる有機化合物の総称です。

VOCは、太陽光(紫外線)により、窒素酸化物(NOx)と反応し、有害な光化学オキシダント(Ox)を生成したり、浮遊粒子状物質(SPM)、微小粒子状物質(PM2.5)を生成します。

特に、光化学オキシダントは、目や喉への刺激等の人的被害だけでなく、農作物等の植物被害も引き起こしますので、より一層の注意が必要です。

なお、下記の物質は、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントの生成の原因物質とならない物質として、VOCの定義から除外されます。

規制対象除外物質(8物質)

メタン、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b)、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC-43-10mee)

揮発性有機化合物(VOC)排出削減のための対策

VOCの排出を削減することにより、大気環境の改善につながるだけでなく、有機溶剤購入費の削減や作業環境の改善にもつながります。

VOC取扱事業者の皆様におかれましては、以下のような対策を図ることにより、夏季におけるVOC排出削減に御理解と御協力をお願いします。

1 ムダな蒸発を防いで有機溶剤購入費の削減!

写真:洗浄層のフタ閉め

写真:容器のフタ閉め


イラスト:対策

説明グラフ:フタ閉め効果について


洗浄槽や溶剤容器のフタを閉めるだけでVOC蒸発濃度を約1/120まで抑えることができますので、容器や洗浄槽等のフタ閉めをこまめに行ってください。

2 においを減らして、作業環境を改善!

写真:破棄物容器の密閉

作業環境を改善するため、溶剤等を含む廃棄物の保管場所等について、以下の点に留意してください。

溶剤の染み込んだウェスなどの廃棄物は密閉保管しましょう。

直射日光を避け、風通しの良い場所に保管しましょう。

容器の材質は丈夫なものを使い、液が漏れないようにしましょう。

※「VOC拡散防止のため、必ずフタを閉めること」などの貼り紙をするとより効果的です。

3 低VOC製品を積極的に選びましょう。

イラスト:低VOCのロゴマーク

「印刷」、「塗装」、「めっき・金属表面洗浄」を営む皆様は、VOC排出抑制を考慮した以下の低VOC製品を選びましょう。

<印刷>例:低VOC洗浄剤

印刷業界の制度である「GP資機材認定制度」(左図)では、低VOC洗浄剤などの環境に配慮した資機材を登録しています。

<塗装>例:ハイソリッド塗料

既存設備を大幅に変更することなく、VOC排出量を3~6割程度抑制することができます。

<めっき・金属表面洗浄>例:水系洗浄剤

部品洗浄度の基準を見直し、洗浄剤を代替することでVOC排出量を5割以上削減することができます。

夏季におけるVOC排出削減の重要性

前述のとおりVOCは、目や喉への刺激等の人的被害だけでなく、農作物等の植物被害も引き起こす光化学オキシダントの原因物質になっています。

光化学オキシダントが高濃度になる気象条件として、(1)日最高気温が25℃以上であること、(2)日照があること、(3)風が弱いことが挙げられます。これらの条件がそろう夏季は、VOC排出を抑えることが特に重要です。

静岡県では、光化学オキシダントによる人体への健康被害等を未然に防止するため、光化学オキシダントの発生が予想される5月から9月までを「光化学オキシダント監視強化期間」として位置付け、光化学オキシダントの濃度等を「大気常時監視テレメータシステム」により常時監視を行っています。

基準値を超える光化学オキシダントの濃度が観測された場合には、光化学オキシダント注意報を発令することになっており、現在、左下図のように県下全域を4地域19地区に地域割りを行った上で、注意報の発令体制を整備しています。(平成25年度から令和4年度までの月別発令数の累計は、右下図のとおりです。)

光化学オキシダントの発生抑制のためにも、その原因物質であるVOCの排出を抑制することが、清浄な大気環境を確保する上で重要になります。

静岡県では、平成26年度から神奈川県、山梨県と連携してVOC削減を共同で呼び掛け、VOCの対策に取り組んでいますので、VOC取扱者の皆様につきましても、夏季におけるVOC排出削減に御理解と御協力をお願いします。

地図:光化学オキシダント注意報等発令区域

グラフ:光化学オキシダント注意報の月別発令情報

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このページに関するお問い合わせ

くらし・環境部環境局生活環境課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
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ファクス番号:054-221-3665
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