流域別下水道整備総合計画（流総計画）

概要

水質環境基準が定められた河川その他の公共用水域において、その環境基準を達成、維持するため、下水道の整備に関する総合的な基本計画（流域別下水道整備総合計画）を定めるものであり、個別の下水道計画の上位に位置付けられています。

計画の根拠と目的

昭和45年12月の下水道法の改正において、環境基本法第16条第1項の規定に基づく水質環境基準の水域類型の指定がされた水域について、その水質の汚濁が2以上の市町村の区域における汚水によるもので、主として下水道の整備によって当該水域の水質基準が達成される場合には、それぞれの水域ごとに都道府県は、下水道に関する総合的な基本計画を定めるべき旨の規定が下水道法第2条の2として設けられ、法律上その策定が義務づけられています。

この計画を流域別下水道整備総合計画といい、公共用水域の水質汚濁を防止して貴重な水資源を保全するために、下水道に与えられた役割を最も合理的、効果的に実施するよう下水道整備の優先度及びその根幹的施設の配置、構造、能力などを定めるものです。このため、流域別下水道整備総合計画区域内の個別の公共下水道及び流域下水道の事業計画は、この流総計画を上位計画としてこれに適合するよう定めることとなります。

静岡県の流域別下水道整備総合計画

本県には、当初計画策定順に、狩野川、浜名湖、天竜川左岸、菊川、奥駿河湾、大井川・瀬戸川の6つの流総計画区域があります。

関係市町と現在の計画策定の状況

流総名	関係市町数	関係市町名称	策定時期
狩野川	1県、6市、4町	神奈川県、沼津市、三島市、御殿場市、裾野市、伊豆市、伊豆の国市、函南町、清水町、長泉町、小山町	平成28年1月27日 第4回見直し計画策定
浜名湖	2市	浜松市、湖西市	令和3年9月29日 第4回見直し計画策定
天竜川左岸	2県、4市、1町	愛知県、長野県、磐田市、掛川市、袋井市、浜松市、森町	平成27年3月27日 第3回見直し計画策定
菊川	3市	掛川市、菊川市、島田市	平成26年2月18日 第2回見直し計画策定
奥駿河湾	2県、3市	山梨県、長野県、静岡市、富士宮市、富士市	令和元年5月23日 第1回見直し計画策定
大井川・瀬戸川	4市、1町	静岡市、焼津市、島田市、藤枝市、川根本町	令和元年8月30日 第1回見直し計画策定

流域別下水道整備総合計画に定めなければならない事項

1. 下水道の整備に関する基本方針
2. 下水道により下水を排除し、及び処理すべき区域に関する事項
3. 2.の区域に係る下水道の根幹的施設の配置、構造及び能力
4. 2.の区域に係る下水道の整備事業の実施の順位
5. 窒素又は燐の水質基準が定められた閉鎖性水域においては、2.の区域に係る下水道の終末処理場から放流される下水の窒素又は燐の削減目標量及び削減方法

流域別下水道整備総合計画策定の流れ

原単位：一般的には、工場,事業場その他の発生源から排出される単位当たりの汚濁負荷量のことで、単位としては工場などで製品または中間生産物の出荷額（量）、し尿,家庭排水などでは人口が普通使用されています。