揮発性有機化合物(VOC)対策

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ページID1017922  更新日 2024年3月5日

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浮遊粒子状物質(SPM)や光化学オキシダント(光化学スモッグ)の生成の原因物質の一つである揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑制するため、平成16年5月に大気汚染防止法(以下「法」という。)が改正され、平成17年6月に政令・省令が公布され、平成18年4月からVOCの規制が始まりました。

これにより、法規制と自主的取組のベストミックスを基本としつつ、法規制については、VOC排出事業者に対して、VOC排出施設の都道府県知事への届出義務や排出基準の遵守等を課すことになっております。

1 揮発性有機化合物(VOC)とは

イラスト:VOC

VOCとは、揮発性有機化合物(VolatileOrganicCompounds)の頭文字をとったもので、塗料や印刷インキの溶剤などに使用されるトルエンやドライクリーニングなどに使用されるテトラクロロエチレン等、大気中で気体状となる有機化合物の総称である。

VOCは、太陽の紫外線を受けて反応し、有害な光化学オキシダント(Ox)を生成したり、浮遊粒子状物質(SPM)、微小粒子状物質(PM2.5)にも変化します。

ただし、下記の物質は、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントの生成の原因物質とならない物質として、VOCの定義から除外されます。

<規制対象除外物質(8物質)>
メタン、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b)、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC-43-10mee)

2 揮発性有機化合物(VOC)排出施設及び排出基準

VOC排出施設は、一施設あたりのVOC排出量が多く、大気環境への影響が大きい施設は、社会的責任も重いことから、法規制により排出を抑制しています。

具体的には、1.塗装関係、2.接着関係、3.印刷関係、4.化学製品製造関係、5.工業用洗浄関係及びVOC貯蔵関係の6つの施設類型のうち、VOC排出量の多い主要な施設を規制対象としています。

VOC排出施設一覧及び排出基準は次の添付ファイルを参照してください。

3 揮発性有機化物(VOC)排出施設に係る届出の種類及び罰則

VOC排出施設に係る届出の書類及び罰則は、下表を参照してください。

届出の種類

届出期間

届出を怠った場合の罰則

新設届出(法第17条の5)

揮発性有機化合物排出施設を設置しようとするとき

工事着手予定の61日以上前

(法第17条の9)

3ヶ月以下の懲役または、30万円以下の罰金

(法第34条)

施設の構造等の変更届出(法第17条の7)

以前届け出た揮発性有機化合物排出施設の構造、使用の方法、管理の方法を変更しようとするとき

工事着手予定の61日以上前

(法第17条の9)

3ヶ月以下の懲役または、30万円以下の罰金

(法第34条)

氏名等の変更届出(法第17条の13)

氏名、名称、住所、代表者氏名、工場・事業場の名称、所在地の変更のあったとき、ばい煙発生施設の使用を廃止するとき

変更(廃止)のあった日から30日以内

(法第11条)

10万円以下の過料

(法第37条)

承継届出(法第17条の13)

譲り受け、借り受け、相続合併等があったとき

承継のあった日から30日以内

(法第12条)

10万円以下の過料

(法第37条)

既設届出(法第17条の6)

現在設置されている揮発性有機化合物排出施設が新たに届出対象となった場合(現在工事をしているものも含む。)

政令施行日から30日以内

(法第7条)

30万円以下の罰金

(法第35条)

4 揮発性有機化物(VOC)排出施設に係る届出様式

上記3の届出の書類に応じて、県、政令指定都市又は特例市へ届出が必要になります。

県への届出の際には、下記の様式を活用してください。

5 本県における取組

県内におけるVOC排出施設(指定指定都市及び特例市を除く。)に対する立入検査及び行政測定を行っています。

6 神奈川県、山梨県との共同の取組

平成26年度からVOC排出削減対策の一環として、6月から9月までの間を「夏季におけるVOC排出削減対策期間」として位置付け、VOC排出施設に対する立入検査を強化するとともに、神奈川県との共同によるVOC取扱者に対するVOC排出削減に向けた自主的取組の徹底を呼び掛けていきます。

7 揮発性有機化合物(VOC)取扱者の皆様へ 夏季におけるVOC排出削減に御協力をお願いします!

有機溶剤等に含まれるVOCは、大気中の太陽光により、二酸化窒素や光化学オキシダント(光化学スモッグ)を発生させるため、気温が上がりやすい夏季は、特にVOCが排出しやすい環境になりますので、工場内における作業環境の改善や揮発ロスを防ぐためにも、特に適切な管理が必要になってきます。

本県では、平成26年度から6月から9月までの間を、「夏季におけるVOC排出削減対策期間」として位置付け、VOC対策を強化を行っておりますので、夏季におけるVOC排出削減に、御理解と御協力をお願いします。

VOC取扱者向けのリーフレットは次の添付ファイルです。

VOCのムダな蒸発を防ぎましょう!

写真:洗浄槽のフタ閉め

写真:容器のフタ閉め


矢印:対策

棒グラフ:フタ閉め効果絶大!(洗浄剤小口容器)


洗浄槽や溶剤容器のフタを閉めるだけでVOC蒸発濃度を約1/120まで抑えることができますので、容器や洗浄槽等のフタ閉めをこまめに行ってください。

においを減らして、作業環境を改善しましょう!

写真:廃棄物容器の密閉

作業環境を改善するため、溶剤等を含む廃棄物の保管場所等について、以下の点に留意してください。

  • 溶剤の染み込んだウェスなどの廃棄物は密閉保管すること
  • 直射日光を避け、風通しの良い場所に保管すること
  • 容器の材質は丈夫なものを使い、液が漏れないようにすること

※「VOC拡散防止のため、必ずフタを閉めること」などの貼り紙をするとより効果的です。

低VOC製品を選びましょう!

イラスト:低VOC製品マーク

以下の「印刷」、「塗装」、「めっき・金属表面洗浄」の観点からVOC排出抑制を考慮した低VOC製品を選びましょう。

<印刷>例:低VOC洗浄剤
印刷業界の制度である「GP資機材認定制度」(左図)では、低VOC洗浄剤などの環境に配慮した資機材を登録しています。

<塗装>例:ハイブリット塗料
既存設備を大幅に変更することなく、不揮発分が70%以上となり、VOC排出量を3~6割程度抑制することができます。

<めっき・金属表面洗浄>例:水系洗浄剤
部品洗浄度の基準を見直し、中性やアルカリ性の洗浄剤を代替することでVOC排出量を5割以上削減することができます。

7 リンク

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このページに関するお問い合わせ

くらし・環境部環境局生活環境課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2253
ファクス番号:054-221-3665
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