平成30年8月所長あいさつ

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ページID1034507  更新日 2023年1月11日

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富士土木事務所長の大石です。

今年の6月、7月、8月は日本各地で自然災害が発生しました。

6月18日朝に起きた最大震度6弱の大阪北部地震では、鉄道が運休して通勤者が駅にあふれて帰宅困難者に、道路は大渋滞し、さらに水道・ガスのライフラインの寸断など、関西の都市部に大混乱をもたらし、都市防災のもろさが浮き彫りになりました。さらに、9歳の女児が小学校のプール沿いのブロック塀の倒壊で死亡するなど、屋外の防災対策の遅れも指摘されました。

6月22日には、宮崎・鹿児島県境にある霧島連山・新燃岳(1,421m)で爆発的噴火が発生し、大きな噴石の飛散や降灰が確認されました。近年、富士山についても噴火の危険性が指摘されています。

7月になると、西日本を中心に、これまでに経験したことのない大雨が降り、重大な危機が差し迫る異常事態が続きました。西日本豪雨です。各地で土砂崩れや広域の浸水被害をもたらし、町全体が水没した衝撃的な映像が流されました。インタビューでは多くの人が「間一髪でした」と言い、急激に水かさが増す濁流から命からがら逃れる恐怖感が伝わってきました。なかには「死を覚悟した」と言う人もいました。

さらに、7月、8月には、気象庁の予報官が「命の危険がある暑さ、1つの災害と認識している」と表現した猛暑が、それも最高記録を塗り替えながら連日続きました。この猛暑のなかで、熱中症と見られる緊急搬送が、全国で相次いでいるなどの報道を何回も目にしました。

一方、西日本豪雨の被災地でも、連日の猛暑が、家を失い避難生活を余儀なくされている被災者に容赦なく追い打ちを掛けるとともに、復旧活動も猛暑との戦いとなっています。

また、7月下旬には、台風12号が、それも観測史上初めて、東から西へ、さらに西から南へと進んだ、いわゆる逆走台風が発生しました。

7月28日には静岡県に最接近して、県内の多くの市町で避難準備情報や避難勧告が出され、県内の鉄道も運転を見合わせました。熱海のホテルのレストランでは、強風と高波の影響で窓ガラスが割れて、宿泊客がけがするといった被害も報告されました。

逆走する台風は我々もこれまでに経験したことがありません。どんなことが起きるのか、どのように対応すればよかったのか・・・。

近年、想定を上回り、被害の大きさが通念を越える災害が私たちの周りに、頻繁に起きるようになりました。

これまでにも様々な災害を経験して、そのメカニズムを研究し、あらゆる手法を駆使して対応してきましたが、「もはや、ハード対策だけでは人命は守れない」と言うことは周知の事実であります。

それでは、何が出来るのでしょうか?

災害対策に猶予はありません。備えあれば憂いなしです。出来ることから確実に準備して、実施する事が重要です。

今、私たちは、新しい技術を使って、早く、安く、最も効果的な社会資本を整備することはもちろんですが、「施設で防ぎきれない大災害は必ず発生する」と言うことを前提に、防災や減災を目的にした施策を進めています。

そのためには、地域の皆様に危険な場所を周知すること、危険が迫っていることをはっきりと伝えること、最終的には迅速な避難(命を守るために、みんなが声を掛け合って逃げること)が重要であると考えています。

さらに、生活全般を流通システムに依存している現代社会では、「被災後に、ライフラインが止まったら、どういった生活になるのか」といった事まで考えて対応することが必要であると思います。

私たちは、このような考えを基に、“ものづくり”だけではなく、地域と協力しながら、地域の安全と安心を守るため、様々な手法を使って防災、減災施策を進めてまいります。

そして、「やっぱりご近所さん(富士土木事務所)が、身近で、もっとも大きな防災でした。」と言われるように、がんばります。

平成30年8月22日

富士土木事務所長 大石俊一

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