平成30年度静岡県文化奨励賞

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ページID1018905  更新日 2023年1月11日

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授賞式の開催

平成30年6月7日(木曜日)、静岡県庁別館21階展望ロビーで授賞式を行いました。

芸術や学術を通じ、本県の文化の振興と向上に寄与する個人又は団体の活動を奨励する静岡県文化奨励賞。

受賞式では、静岡県文化協会会長鈴木壽美子様、木苗教育長をはじめ、受賞者の関係者、過年度受賞者など多くの皆様の御出席のもと、受賞者の1団体2名に川勝知事から賞状と副賞が授与されました。

受賞された静岡県立横須賀高等学校郷土芸能部の皆さん、陶芸家の小枝真人さん、高校校長で碑文研究者の櫻井祥行さんからは、受賞の感想と併せて、活動や作品についての紹介や演技が披露されました。

受賞者の皆様、誠におめでとうございます。今後ますますの御活躍をお祈り申し上げます。

写真:三社祭礼囃子
横須賀高校郷土芸能部による「三社祭礼囃子」披露

平成30年度受賞者の紹介

静岡県立横須賀高等学校郷土芸能部【掛川市】

平成8年の創部以来、郷土の誇りである遠州横須賀「三社祭礼囃子」を高校生の手で習い覚え、地域のイベント等のあらゆる機会にて披露するとともに後世へ伝えようと活動している。

部員は毎日2時間以上の練習に取り組み、また週2回の夜間練習では地元の「三社祭礼囃子保存会」の方々より指導を受け、その成果を年間90回以上の舞台にて披露している。各地区の納涼祭や敬老会等の行事、近隣の福祉介護施設への慰問公演、静岡県や近隣市町の観光協会主催イベント等、活動は多岐にわたる。

また、これまでに静岡県代表として全国高等学校総合文化祭へ9回、国民文化祭へ2回出場している。さらに平成29年8月に開催された全国高等学校PTA連合会静岡大会における歓迎アトラクションやお見送りイベントにおいても「三社祭礼囃子」を披露し、静岡県の郷土芸能をもって、多くの観客に感動を与えた。

舞台出演に加えて、会場設営やテント張り、椅子並べ等の準備作業を通して地元の住民との触れ合いやおもてなしの心の大切さを学んでいる。また、福祉介護施設への慰問公演では施設利用者との交流も欠かさない。さらに、学校近隣のバス停のゴミ拾いや町内清掃等も練習の合間に行い、故郷への感謝の気持ちを養っている。

このような活動が評価され、平成28年3月には、静岡新聞静岡放送文化福祉事業団主催の「第5回ふるさと貢献賞」を受賞した。部員は卒業後も各地区にて祭りの青年リーダー的存在として活躍し、小中学生に太鼓や踊りを教えるなど、地域活性化の一役を担っている。

写真:横須賀高等学校郷土芸能部


小枝真人(さえだまこと)【伊東市】

愛知県立芸術大学陶磁専攻を経て同大大学院を修了し、加藤作助、太田公典に師事した。その後、2年間瀬戸染付研究所で学び独立した。平成15年に伊東市に移住してから、本格的に陶芸家としての活動を始めた。平成10年の第1回瀬戸染付公募展奨励賞受賞を皮切りに、東海伝統工芸展で毎年入選するなどその力量を認められている。

小枝氏の作品は、染付にこだわり、呉須の濃淡で絵画的な奥行きを表現し、見る者にストーリーを想像させるような作風が特徴的である。自然に恵まれた伊豆の身近な草花や鳥などをモチーフとし、磁器の面取りをした凹凸の部分を枝に見立て、鳥に止まらせるなど巧みな技術で表現している。

近年は、波紋をイメージして器を形成し、そこに金魚を描いた作品など、より器と絵柄の調和を意識した作品を制作。染付の伝統技術に現代の感覚を取り入れ、小枝氏の世界観を作り上げることに成功している。

また、毎年伊豆高原アートフェスティバルに参加、自宅のアトリエを開放し、地域の文化発信に積極的に寄与している。

主な受賞歴・個展実績

  • 平成10年:第1回 瀬戸染付公募展 奨励賞
  • 平成11年:第30回 東海伝統工芸展初入選(以後毎年入選)、第46回 日本伝統工芸展初入選(以後数回入選)
  • 平成21年:国民文化祭しずおか2009「美術展」静岡県知事賞
  • 平成22年:個展「染付 小枝真人展」 日本橋三越(東京)
  • 平成23年:米国フィラデルフィアCLAY STUDIOにて
    「Five by Eight:New Ceramic Art from Japan」展開催
    STONY BROOK 大学(NEWYORK)にて講演会開催
    『染付鉢翡翠』フィラデルフィア美術館に収蔵
  • 平成24年:「小枝真人作陶展」松坂屋名古屋店(愛知)
  • 平成25年:個展「小枝真人展 染付Blue&White」さんしんギャラリー善(三島市)

写真:小枝真人氏


櫻井祥行(さくらいよしゆき)【伊豆の国市】

静岡県立韮山高等学校、立命館大学文学部を卒業後、昭和60年に静岡県立高等学校教員として採用。平成元年から9年間、静岡県史編さん調査委員として、県東部・伊豆地域の資料調査を担当した。その後は地元の文化財保護審議会委員として今日に至っている。この中で顕彰碑を中心とした近代石碑調査に取組み、以来20年以上にわたり、碑文研究(金石学)を続けている。また、長年、ボランティアで伊豆地域の旧家の古文書(近代)調査を続けるとともに、石碑や文書史料を基礎とした論文を報告している。

史料研究の成果は、『伊豆長岡町史』や『大仁町史』といった自治体史編さんにおいて報告する一方、自ら伊豆半島をフィールドワークした悉皆調査報告書を『伊豆碑文集』(私家版)として北豆・中豆編、東海岸編及び西海岸編にまとめた。これは地方史研究の貴重な資料となり、学校教材として利活用されている。

平成26年には、静岡県全体の国際交流史を『静岡と世界』としてまとめ、この中で碑文研究の成果を盛り込んでいる。

記念碑はその時代の様々な出来事を碑文として記録したものであり、地震(大正12年の関東大震災、昭和5年の伊豆震災)や水害(昭和33年の狩野川台風)被害の慰霊碑・供養碑の調査は、自然災害への対応の警鐘となった。また、韮山反射炉碑の分析は、反射炉築造過程を知る資料として世界文化遺産登録のための活動の一助となった。

近年は伊豆半島ジオパークと関連して、自然災害碑についての報告・講演を行っている。

主な著書、論文等

  • 平成10年:『狩野川碑文集』(私家版)
  • 平成14年:『伊豆と世界史』(批評社)
  • 平成16年:「近代石碑から読み解く田方の歴史」(論文・論考)
  • 平成18年:『静岡県の歴史散歩』共著(山川出版社)
  • 平成26年:『静岡と世界』(羽衣出版)
  • 平成26年10月~27年6月、28年9月~29年5月:「伊豆碑(いしぶみ)巡り」(伊豆新聞・伊豆日日新聞連載)
  • 平成29年:『地域から考える世界史 日本と世界を結ぶ』共著(勉誠出版)

写真:櫻井祥行氏

平成30年度静岡県文化奨励賞受賞者が決定しました

平成30年度静岡県文化奨励賞受賞者は次の3者(1団体と2個人)に決定しました。

授賞式は、6月7日(木曜日)16時から、県庁別館21階展望ロビーで開催します。どなたでも申込み不要で参加できます。

1 受賞者

  • 静岡県立横須賀高等学校郷土芸能部(掛川市) 活動分野:郷土芸能
  • 小枝真人 氏(伊東市) 活動分野:美術(陶芸)
  • 櫻井祥行 氏(伊豆の国市) 活動分野:学術(郷土史)

2 授賞式

  1. 日時:2018年6月7日(木曜日) 16時から16時45分まで
  2. 会場:静岡県庁別館21階 展望ロビー
  3. 出席者:受賞者、これまでの県文化奨励賞受賞者、静岡県知事、静岡県文化協会会長ほか
  4. 次第:賞状及び副賞の授与、式辞、来賓祝辞、受賞者挨拶とパフォーマンス

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局文化政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2252
ファクス番号:054-221-2827
arts@pref.shizuoka.lg.jp