あなたの「富士山物語」(天泣の富士/津田一枝)

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ページID1019377  更新日 2023年1月13日

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天泣の富士/津田一枝

私は香川県生まれの浜松育ち。その浜松から、私が小学生の頃は、富士山を平地で見ることが出来ました。特に秋から冬にかけて多く見られ、私は通学路からよく眺めていました。浜松からおよそ一二〇キロメートル先に位置する富士山は、かなり小さく私の目に映ったのですが、空の青い色と富士山の頭の雪化粧した白い部分とのコントラストが非常に美しく、私は「きれい。」と感嘆の声を上げ、無邪気に感動していました。

スケートに興じた時に見た富士山、苺狩りを楽しんだ時に見た富士山、新幹線などの車窓から見た富士山、何れの富士山も雄大で凛として気高く美しいと思いましたが、私はランドセルを背に、北東の方角を遠望したその視線の先に立っていたこの小さな富士山が、何故か一番のお気に入りで、原風景として心にずーと残っております。

この様に富士山からの感動を享受したかつての通学路付近は、現在はすっかり様変りし、昔の長閑な田園風景は姿を消しております。通学路は舗装され、その周りに沢山の家が建ち並び、感じのよい住宅街に変身しています。勿論、富士山は見えません。

最近、富士山が温暖化の影響を強く受け、高山植物が絶滅の危機に、永久凍土が徐々に減少しているという報道がありました。思わず私は、富士山周辺で「天泣」という現象が起き、空から降ってくる雨・雪、それは富士山の心、などと富士山を擬人化してしまいました。

今、私達は地球温暖化などの環境問題が存在する中で暮らしています。私は先に生まれた者の務めとして、富士山の自然を守る為に、自分の出来る更なるエコ生活に歩を進め、実行しなければならないと、このニュースにより考えました。

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