猫から人にうつる病気

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ページID1050587  更新日 2023年2月1日

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ここでは静岡県動物管理指導センターがこれまで調査研究をした、代表的な病気を御紹介します。

  • トキソプラズマ症
  • Q熱
  • ねこひっかき病

元気な猫でも人にうつる病気を持っていることがあります。

猫が感染したからといって、すぐに人に感染するということはありませんので、神経質になりすぎることはありませんが、ある程度の注意は必要です。

感染を防止するためには、糞や尿を適切に始末し手を洗うことや、自分のお箸で餌をあげる等の過剰な接触をしないことがポイントです。

なかなか症状が改善しない等の心配なことがありましたら、医師の診察を受けましょう。

トキソプラズマ症

トキソプラズマ・ゴンディとよばれる原虫(寄生虫の一種)によりおこります。

トキソプラズマは世界的に分布し、猫の他、人や家畜(特に豚)に感染しますが、猫が感染すると、人に感染性のあるオーシストを糞便中に3週間近くもの間排出しますので注意が必要です。

人の症状

  • 成人は無症状で、風邪の様な症状があっても自然に治癒することが多いようです。
  • 妊婦が感染をすると、原虫が胎児に移行し、先天性トキソプラズマ症や流産、死産の原因になることがあります。
  • 病院でトキソプラズマの抗体検査を受けることができます。
  • 一度感染していれば、再感染することはありません。妊婦が抗体陰性のときは気をつける必要があります。

(注)オーシストとはトキソプラズマ原虫が感染型に形を変えたものをいいます。

人への感染防止

正確な感染経路は不明ですが、

  1. 感染中の猫は糞便中にオーシストを排出しますが、排出直後のオーシストは未成熟の状態で感染力はありません。
    排出後2~3日で感染力を持った成熟オーシストになりますので、猫のトイレは毎日きれいにしてください。
  2. 園芸等の作業で、土壌中のオーシストが口に入る可能性もありますから手洗いをしましょう。

静岡県における猫のトキソプラズマ抗体保有状況

1989年に調査したところ、生後2ヶ月令以上の507頭中、36頭(7.1%)が陽性でした。そのうち、7ヶ月令以上の成猫の陽性率は210頭中、28頭(13.3%)でした。

(注)抗体陽性とは、猫がこれまでにトキソプラズマに感染したことがあることを示します。

Q熱

Q熱の病原体は1993年に、静岡県衛生環境センター(現県環境衛生科学研究所)の長岡宏美氏により日本で初めて分離されました。

Q熱はコクシエラ・バーネッティとよばれるリケッチア(細菌とウイルスの中間の性質を示すもの)により感染します。

世界中に広く分布し、ダニが病原体を媒介し、野生動物、家畜、犬や猫等広範囲の動物が感染します。

人間以外の動物は感染しても症状を示すことが少ないので注意が必要です。

人の症状

  • インフルエンザの様な症状で、2~3週間の潜伏期のあと、悪寒、急激な発熱(38~40℃)が起こり、特に頭痛や筋肉痛が強く表れます。
  • また肺炎症状、肝機能障害が出ることもあり、心内膜炎に移行すると治療が困難になります。

人への感染

  • 家畜と接する機会の多い畜産関係者が感染することが多いのですが、猫からの感染も報告されています。
  • 感染した動物の糞便・乳汁・尿から病原体が排出され、これらの飛沫等を吸引することで感染します。

静岡県における猫のQ熱抗体保有状況

平成7年度から9年度にかけて動物管理指導センターに搬入された犬と猫のQ熱の抗体検査を実施しました。

犬は301頭中、50頭(16.6%)が抗体陽性。

猫は304頭中、57頭(18.8%)が抗体陽性でした。

(注)犬や猫が抗体陽性とは、これまでにQ熱に感染したことがあることを示します。

ねこひっかき病

猫にひっかかれたり、咬まれた後、発症します。

人の症状

傷が赤く腫れ、潰瘍ができたり、発熱、リンパ節が腫れたりします。

人への感染

  • 健康な猫の口の中にもあるバルトネラ菌とよばれる細菌でおこることが、最近わかりました。
  • 猫にひっかかれたり、咬まれることで感染しますが、咬まれたら必ず発症するのではなく、身体の弱っている時に症状が出ます。
  • 咬まれた時は、傷口を良く洗い、消毒しておいた方が良いでしょう。

静岡県における猫のねこひっかき病抗体保有状況

平成14年に猫を調査対象として実施しました。

地域別のねこひっかき病遺伝子検出状況

地域

頭数

遺伝子検出頭数(%)

東部

28

4(14.3)

中部

33

8(24.2)

西部

53

12(22.6)

114

24(21.1)

調査した猫の21.1%はねこひっかき病の菌を保有していました。(全国的には10~15%の猫が、ねこひっかき病の菌を保有しているといわれています。)

飼育形態によるねこひっかき病遺伝子検出状況

飼育形態

頭数

遺伝子検出頭数(%)

飼い猫・屋内

11

0(0)

飼い猫・屋外

13

5(38.5)

飼い猫・両方

30

5(16.7)

54

10(18.5)

飼い主のいない猫・屋外

60

14(23.3)

屋外を生活区域とする猫が、高率にねこひっかき病の菌を保有していました。

このことから、猫を飼う場合には屋内飼育をしましょう。

このページに関するお問い合わせ

動物管理指導センター
〒431-1102 浜松市西区大山町3551-1
電話番号:053-437-0142
ファクス番号:053-437-9690
doukan@pref.shizuoka.lg.jp