(4)リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1043393  更新日 2023年10月17日

印刷大きな文字で印刷

令和4年6月県議会定例会知事提案説明要旨

2.県政の喫緊の課題への対応(4)リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全

次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。

先月26日に、自由民主党の超電導リニア鉄道に関する特別委員会が開催され、私を含め、リニア中央新幹線の沿線10都府県の知事等が出席し、整備についての意見交換を行いました。私からは、南アルプスを通過するルートの静岡県内のトンネル工事につきまして、解決すべき課題を明確に指摘いたしました。具体的には、大井川の流量、水質、発生土処理、生態系への影響、監視体制、最後に、本質的な課題として、JR東海の路線計画決定の過程における不透明性、であります。路線計画決定に際し、巨摩山地は高圧湧水のおそれなどにより回避された一方、南アルプスの状況は十分に考慮されておりません。その上で、流域住民の皆様の理解が得られていない現状では、静岡県内の南アルプストンネル工事の着工は、認められないことを申し上げたところであります。

この会議の中では、古屋委員長から、情報共有を図っていくため、本県もリニア中央新幹線建設促進期成同盟会に加盟した方が良いとの意見がありました。このため、リニア中央新幹線の整備を促進する立場から、今月2日、この同盟会の会長である愛知県大村知事に、再度加盟の申請書を提出したところであります。

翌3日に開催された同盟会の総会において、本県の申請について、改めて会員の各都府県から意見を聴取し、判断することとなったと伺っております。本県の整備促進の考え方が理解され、加盟が認められることを期待しております。

また、今月6日、国土交通大臣に対し、JR東海の路線計画決定の過程において、巨摩山地が回避された理由よりも、はるかに厳しい条件が指摘されたにもかかわらず南アルプスが回避されなかった、という不透明性の解消を要請いたしました。具体的には、なぜ回避されなかったのかを明確にして公表するように、JR東海に厳しく指導すること、また、国土交通大臣としても、改めてJR東海の路線計画決定の過程を確認し、その結果を公表することを求めたものであります。

今月8日には、本県から国土交通省に早期開催を申し入れていた、生態系への影響などを協議する第1回の環境保全有識者会議が開催されました。会議では、先行する県専門部会での議論の経過等を踏まえることや、論点を整理する上で、現地を視察し、地元と意見交換の場を設けることなどが確認されました。

南アルプスには、世界の南限とされる希少動植物が多数存在し、守るべき極めて希少な生態系があります。この生態系は、周辺環境の変化の影響を受けやすく、非常に脆弱なものであります。また、令和6年に予定されるユネスコエコパークの定期報告では、動植物の生息・生育環境の変化や管理運営状況などを報告することとなっております。

こうしたことから、この会議において、南アルプスの希少な生態系等への影響が回避されるよう、しっかりと議論することが重要であり、国土交通省には、強いリーダーシップを発揮するよう、求めてまいります。

また、環境大臣は、平成26年6月に、JR東海のリニア中央新幹線環境影響評価書に対して、「環境保全について十全の取組を行うことが、本事業の前提である。」と、国土交通大臣に意見をいたしました。環境省には、積極的に会議に関わりサポートするよう、求めてまいります。

引き続き、大井川の命の水とユネスコエコパークである南アルプスの自然環境の保全に向け、全力で取り組んでまいります。

このページに関するお問い合わせ

知事直轄組織政策推進局財政課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2033
ファクス番号:054-221-2750
zaisei@pref.shizuoka.lg.jp