平成30年2月県議会定例会知事提案説明要旨3-5-5

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1010760  更新日 2023年1月13日

印刷大きな文字で印刷

平成30年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【3.人づくり・富づくりのための重点的な取組】(5)富をつくる産業の展開5.「農林水産業の競争力の強化」

次に、農林水産業の競争力の強化についてであります。

本県は、温暖な気候や豊かな自然を活かし、多彩で高品質な農林水産物を生産しており、その品目数は全国トップクラスを誇っています。その一方で、国内外との産地間競争に勝っていくためには、生産性や収益性の向上、担い手の確保などが課題となっております。

農林水産分野の富の創出に向けて、質の高い農林水産物の生産拡大や、人づくり、農山漁村の再生など、農林水産分野のルネサンスに取り組んでまいります。

来年度の組織改編では、交通基盤部から農地局を経済産業部に移管し、生産基盤の整備から農業経営体の育成までを一体的に推進する体制を構築し、農業の競争力を更に強化してまいります。

農業につきましては、AOI-PARCを拠点とした、産学官金の多様な参画を得て、オープンイノベーションによる飛躍的な生産性向上と関連産業のビジネス展開を促進いたします。また、東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピックへの食材の提供を見据え、GAP(Good Agricultural Practice)認証の取得を促進してまいります。さらに、首都圏の高い需要に対応するため、新たに専門チームを設置し、マーケットインの考え方に基づき、マーケットと産地を直接結びつける農芸品の生産拡大と供給体制の構築に取り組んでまいります。

本県の農林業の担い手を育成している農林大学校につきましては、高度な実践力と豊かな創造力を兼ね備え、農林業経営に革新を起こす人材を養成するため、「(仮称)静岡県立農林環境専門職大学」として、2年後の移行を目指し、準備を加速してまいります。

林業につきましては、県産材の需要と供給を一体的に創造する「ふじのくに森林・林業再生プロジェクト」に取り組んできた結果、本県の木材生産量は、19年ぶりに40万立方メートル台に回復するなど、飛躍的に増加しております。

今後は、これまでの利用間伐主体の木材生産に加え、「伐(き)って、使って、植える」、主伐から再造林までを一体として行う、低コスト主伐・再造林を進めてまいります。

さらに、東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピックを契機として、世界基準の認証林の拡大と認証材の供給体制の整備を促進いたします。認証材などを使用した県産材製品の需要拡大に取り組み、本県林業の成長産業化を加速してまいります。

水産業につきましては、高度な衛生管理が可能となる荷さばき施設などの整備を促進する生産、加工段階の支援に加えて、本県に対する旺盛な観光需要を踏まえ、高品質な地場水産物を県内に流通させる体制を構築するなど、流通、消費段階までを含めた、総合的な対策を進めてまいります。