県議会だより第131号(4) ピックアップ本会議(2)
くらし・環境
社会インフラの老朽化対策
Q.道路や河川など社会インフラの持続的なメンテナンスに向けた取り組みは。
A.劣化等による事故や災害時の被害拡大を防ぐため、インフラを資産として計画的に管理し長寿命化を進めてきた。メンテナンスのさらなる効率化と高度化を図るため、予防保全を行う全施設の長寿命化計画を見直し、3次元点群データを活用したAI分析など最新技術の導入や県と市町が同一事業者に維持管理を委託する包括管理の拡大、官民連携の推進により限られた人材、予算で取り組んでいく。
多文化共生の推進
Q.県民理解を得る多文化共生推進への取り組みは。
A.市町と連携して実施する地域日本語教室では、外国人と日本人住民が交流しながら日本語や生活のルールを学び、相互理解の輪が広がっている。多文化共生総合相談センター「かめりあ」では労働、医療、税金など外国人からの相談を一元的に受け付け、専門機関と連携し問題解決を図っている。外国人の困りごとや不安に寄り添うことで意図しないルール違反や違法行為を未然に防ぎ、安心して暮らせる地域づくりを進める。
公共ライドシェアの普及
Q.公共ライドシェアの全県展開に向けた取り組みは。
A.運行地区の拡大や新たな実証運行など導入に向けた取り組みは着実に広がりつつある。8月には全国自治体ライドシェア連絡協議会と全国初の連携協定を締結した。今後は市町等へのアドバイザー派遣の充実や地域ニーズの収集分析、運営の担い手育成など伴走支援を行うほか、効率的な運行管理につながるシステム等の広域化・共同化も検討する。全県展開の加速に向け法令の弾力的運用や支援制度の拡充を国へ働き掛ける。
リニア中央新幹線開業後の効果
Q.リニア中央新幹線開業後の経済波及効果と本県の発展への活かし方は。
A.全線開業により東海道新幹線の停車回数が増加した場合10年間で約1700億円の経済波及効果が見込まれるなど、大きな効果があるとされている。開業後の効果を取り込むためには、東海道新幹線の利便性向上を踏まえた地域づくり、リニア停車駅との間を結ぶ新たな観光ルート形成による産業の活性化など経済的なつながりの拡大に向けた検討が必要であり、全庁的な体制で取り組みを進める。
安全・安心
台風第15号の被害への対応
Q.台風の被災者が平穏な暮らしを取り戻すための支援は。
A.被災者の健康被害を防ぐため、保健師を派遣して避難所や高齢者世帯への戸別訪問を実施し、生活再建支援に必要な住家被害認定調査や罹災証明書の迅速な発行に向け県内市町職員を派遣した。中小企業者や農林水産業者には低利の融資により事業継続支援を行うとともに、甚大な被害を受けた農業施設再建等の支援を国に要望した。被災者に寄り添った支援により、一日でも早い復旧・復興を図るため、全力で取り組んでいく。
富士登山の安全対策
Q.富士山での犠牲者を増やさないための対策は。
A.アプリ「FUJI NAVI」を活用した悪天候予想時における注意喚起の配信や五合目での軽装登山者への注意、悪天候時の登山中止の呼びかけ等により遭難救助人数は令和6年度の64人から36人に減少したが、気象・登山条件の認識不足などから遭難者は後を絶たない。このため警察等と連携して遭難状況を分析しアプリの機能強化を図る。また山梨県のレンジャー制度も参考にしつつ安全登山の指導手法強化を検討する。
教育
義務教育における生成AIの活用
Q.小・中学校での生成AIの活用状況と方向性は。
A.業務効率化の観点から生成AIの利活用が進み、社会科等の授業では思考力を育む取り組みが始まっている。また活用に関するガイドライン作成のほか、特別支援学校では個別の指導計画案の作成に取り組んでいる。児童生徒は発達に応じ適切に利活用するための考え方や態度を身に付ける必要があるため、授業づくりの研究指定校において研究し、普及を図るなど教員が生成AIに触れる機会の拡大と指導力向上に取り組む。
医療・福祉
結婚を希望する若者の支援
Q.「しずおかマリッジ」の実績の評価と課題、今後の運営方針は。
A.成婚件数は目標値をおおむね達成し結婚を希望する若者を後押しできていると考えるが、会員数の増加に向けた取り組みが課題である。市町に加え、民間企業や地域との連携による取り組みが欠かせないことから、新たに企業と連携し、新規会員獲得に向けた大規模イベントを開催するとともに、企業のネットワークを通じた広報活動を行う。また、若者が集まる地域イベントでのPRも進める。
用語解説:しずおかマリッジ
県と県内市町が運営する公的な結婚支援拠点である「ふじのくに出会いサポートセンター」が提供する結婚支援サービス。静岡県で結婚を希望する方に向けて、ビッグデータを活用した最適な出会いの提供や結婚相談、婚活イベントの開催などによる結婚支援を行う。

医療的ケア児の家族への支援
Q.介護家族に対するレスパイトケアの支援策は。
A.医療的ケア児等の短期入所施設は、多様なニーズへの対応や採算性等の課題により全ての利用者が身近に利用できる数が確保されていない。医療的ケア児等スーパーバイザーが市町と連携し、施設利用前から利用者と医療機関との調整を図り、障害の特性やケアの手法について理解を深めていく。実態を把握し、既存の支援制度を見直すとともに介護老人保健施設等での受け入れも働き掛け、採算性の確保や施設の増加を図る。
用語解説:レスパイトケア
医療的ケア児等を介護している家族に対して、一時的にケアを行わなくてもいい時間を保障することにより、新たな気持ちで子育てに向き合うことを可能とするための支援。具体的には、医療的ケア児等の短期入所や居宅介護等がある。
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