あなたの「富士山物語」(富士山賛歌/五十嵐君江)

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ページID1019328  更新日 2023年1月13日

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富士山賛歌/五十嵐君江

「一番感動した写真は、宇宙から見た富士山。」

宇宙での滞在時間の長かった、あの野口聡一さんのことばです。テレビでその写真を見て、息をのみました。遠く宇宙から地球を見れば、そこには白い雪を載せた富士山がくっきりと、端然と、それは日本の存在を確実に「日本、ここに在り」と示していました。よくぞこんなにも美しくと、想像もできなかった「宇宙からも見えてしまう富士山」に驚き、感動し、正に「日本のシンボル、富士山」を実感いたしました。

その本体が私達の身近にあり、朝に夕にその素晴らしい姿が眺められ、その名も「富士」という我が町では、富士駅から北を見れば、正面に「秀麗富士」を仰ぎ、続く商店街は、いつでも「霊峰」に見守られている気がして、常に親しみと畏敬の念とを抱いています。

田子の浦には、歌人「山部赤人」の碑があり、「天地の別れし時ゆ神さびて――」の、富士山と駿河の国を称えることばと、百人一首の「田子の浦に――」の歌が刻まれています。

また、富士山信仰にも見られるように、人々は昔から「霊山」として崇めてきているんですね。向き合えば気持ちが引き締まり、癒され、勇気が湧く、雄大で美しい山。日本人は皆、心の原風景として「富士山」を持っていることでしょう。

昔の女性は緑の黒髪などと言って、美しく長い髪を大切にしていました。富士山の懐には、かぐや姫に代表されるように美人が多く、神様方の間でも、それにやきもちを妬いてペナルティーをお与えになったというのが「駿河の片びん」(びんは鬢)。つまり、駿河の国の住人は、左右の髪の分量がアンバランスだというんです。神様といえども嫉妬心を燃やすんですね。子供の頃、後ろで髪を編んでくれた祖母からよく聞きました。

大好きな富士山が、早く世界遺産の仲間入りをするといいですね。

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