あなたの「富士山物語」(富士山に寄り添いて生きる/勝又美奈子)

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ページID1019330  更新日 2023年1月13日

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富士山に寄り添いて生きる/勝又美奈子

遥かないにしえ、大自然の神はどんな思いでこの地にこの素晴らしい富士山を創り上げてくれたか。朝日に輝よう雪化粧の神々しい富士山は、我が家の後にすっくと聳え、頼り甲斐のある大きな胸を広げ、悲しみに涙する時も優しく雲を鎮め、慰め、勇気を与えてくれます。富士山は大自然の荒風に立ち向かい、いつも素敵な大舞台を瞬時にしつらえ、迎ぐ度、新しい姿を見せます。初秋は、日本晴に白い雲の帯を裾にふんわりと〆め、天気がいいからお出かけと気取った何年に一度、清々しい姿に逢えます。

子供の頃は箱根山の向うは外国と思い、友達と大人になって富士登山に挑戦。八合目にやっと辿り着くと、友達の弟は小学五年でしたが一人先に頂上を極め、迎えに元気に戻って来た。頂上に登りつめるとそこは雲のお祭で、忍者が現れそうな雲の波が見渡せました。姉達と鍬にお弁当包みを括り、農良仕事に塚原の坂を富士山の肩を踏みしめるように上って行った事が思い出されます。

いつかバス旅のガイドさんが、泊った北陸の寺の天井に伊能忠敬の地図があり、富士山の標の近くには塚原と言う文字がひとつだけあったと言い、後に機会があって塚原の坂を上って見ると、裾まで一望できる見事な富士山に感激したと言いました。富士山は御殿場の塚原から迎ぐのが一番好男子かも知れません。富士と愛鷹の山合いが、犬がくぐれる程明るかったら、どんなに雨雲が厚く空を覆い暗やんでいても「犬っこぐりがあいているから明日は晴。」と言われ、必ず快晴になりました。富士山の恵みの水は又、豊富に里を潤し、お米をはじめ水掛菜や山葵等を特産品として育ててくれました。

富士山は何遍も噴火を繰り返し、長い間にこの美しい姿になったと言います。活火山である事が気がかりですが、いつも優しく迎えてくれる富士山に寄り添いて生きて行きます。

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