あなたの「富士山物語」(我が人生の心の山/小山治次)

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1019336  更新日 2023年1月13日

印刷大きな文字で印刷

我が人生の心の山/小山治次

富士山は幼ない頃より、歌の文句にあるように、富士は日本一の山と唄われて来ました。田方平野のほぼ真中に生れてから、人生七十七才の歳月の今日まで、天気の良い時は雲に隠れない限り家の表で、朝に夕に言葉に表す事の出来ない厳粛な気持ちで拝んでおります。

不動の山であっても、日々朝に夕に自然と共に、四季の移り変りにより、変化を致します。雲の流れ、急激な温度の上下により、何時の間にか富士の頂きに傘雲が如何にも帽子の如く現われた時は、雨降りが近づいて来た事を教えてくれる事により、日々のお天気を相手に農業をしておる私どもには、非常に有難度く思います。

寒さの到来が近づく頃となると、頂きに初雪を被った顔をのぞかせ、何か新鮮さを感じさせて、ぼつぼつ冬が来る事を知らせてくれます。

過ぎし思い出でありますが、戦後の一時期農家は家畜の飼料にとぼしく、仲間とそれぞれ共に牛馬を引きながら二時間ぐらいの山道を登りながら、家畜の飼料になる草刈りに夏七月頃、約半月ぐらい毎日のように出掛けました。今と異なり農機具もなし、家畜は労力の基本でした。海抜一〇〇〇メートル近くで、そこから眺める富士山は最高でありました。

今ではゴルフ場。リゾートの住宅地区も総体的に出来ましたが、当時は家などなにもなく、草刈道路の一本道でした。自然のままの何もさえぎる物もなく富士のお山は、高い所ほどその雄大な姿を、そして美しさを感じさせてくれました。その頃の思い出を心の宝としたいものです。

又、去る四十年前に富士登山をした事もあります。下山をする時は砂走りを息をする間もないくらいで駆けおりた事を思いながら。

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局富士山世界遺産課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3746
ファクス番号:054-221-3757
sekai@pref.shizuoka.lg.jp