森の力再生事業の取組
静岡県では、平成18年度から「森林(もり)づくり県民税」を財源として、「森の力再生事業」により緊急に整備が必要な荒廃した森林の整備を行っています。この「森の力再生事業」の取組について紹介します。
1 森の力再生事業とは
森林には、山崩れを防ぐ働きや、きれいな水を安定的に供給する働きなど、私たちの生活を守り、豊かにする機能をたくさん有しており、それらを静岡県では「森の力」と呼んでいます。
静岡県では、手入れが行き届かずに荒廃した森林の「森の力」を早期に回復させるため、平成18年度から「森の力再生事業」により整備を進めています。これまでの19年間で、浜名湖約3個分に相当する約22,000ヘクタールの森林が「森の力再生事業」によって整備され、森林がもつ「森の力」は着々と回復しています。
「森の力」の恩恵は、県民の皆様に広く及ぶ共有財産です。「森の力」を回復する取り組みに充てるため、「森林(もり)づくり県民税」(個人:年400円、法人:年1,000円~40,000円)を県民の皆様に負担いただいています。
2 未来への森づくりタウンミーティングを実施しました
森の力再生事業の第2期計画(平成28~令和7年)によって県内の荒廃森林は着実に整備された一方で、近年の災害発生リスクの高まりを踏まえ、事業未着手の森林を調査したところ、緊急に整備が必要な荒廃森林が新たに約7,000ヘクタール確認されました。県民生活に影響を及ぼすおそれがある荒廃森林の整備は、喫緊の課題であると捉え、県では、新たに確認された荒廃森林の対応について、令和7年5月から7月にかけて、県内34箇所で「未来への森作りタウンミーティング」を実施し、県民の皆様の御意見を伺いました。
その結果、おおよそ9割の方々から現在の税負担について御理解を頂くとともに、事業を継続すべきとの意向が示されました。また、同時期に実施した県民郵送アンケート調査でも同様の結果が得られたほか、市町長や経済団体からも事業継続を求める御意見を頂きました。
集約した意見を踏まえ、県では、来年度以降も県民の皆様に、「森林(もり)づくり県民税」の御負担をお願いし、「森の力再生事業」により新たに確認された荒廃森林の対策に取り組む方針を令和7年の9月県議会で表明しました。今後、全体計画や、税率などを検討していきます。
3 森の力体験イベントを県内各地で開催しています!
事業の成果を県民の皆様に実感していただけるよう、今年度も県内各地の森林で、「森の力体験イベント」を開催しています。
沼津市戸田地区では、「森の力再生事業への理解と森と海のつながりを知る」をテーマに、森林体験(森の力再生事業地の伐木見学と丸太切り体験)と磯体験(生き物探し)組み合わせたツアーを、10月に開催しました。
参加された方からは、「森林整備の現場を初めて見せてもらって、森を守る仕事の大変さや大切さを実感した。」「森をきれいに整備することが、豊かな海づくりにもつながっていることが分かってよかった。」などの好評をいただき、体験することで森林についてより深く知っていただけました。
このほか、富士宮市や伊豆市で開催したほか、11月には静岡市などで開催予定です。イベント情報は下記ホームページをご確認ください。
4 おわりに
近年の台風の大型化や線状降水帯の発生による集中豪雨などにより、全国各地で山地災害が頻発化・甚大化しております。県民の皆様が安心・安全に生活を送るためには、災害に強い森づくりを続けることが必要です。引き続き、皆様の御理解・御協力をよろしくお願い申し上げます。
内容に関するお問い合わせ
静岡県経済産業部森林・林業局森林計画課
住所:〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2668
メール:shinrinkeikaku@pref.shizuoka.lg.jp
