2.森の力再生事業の目的と手法
(1)目的
公益性が高いにもかかわらず、社会経済状況の変化により森林所有者による整備が困難となっている荒廃した森林のうち、緊急に整備が必要な森林について、民間による持続的な管理を開始するために必要な初期整備を本事業で行うことで「森の力」を回復することを目的としています。
(2)「森の力」を回復させる手法
ア 人工林再生整備事業(一般型)
手入れが遅れ日光が入らず暗くなったスギ・ヒノキの人工林では、下草が生えず、表土が流出するおそれがあります。このため、強度の伐採(環境伐)を行い、地表に光をあてることで、下草や広葉樹の自然発生を促します。
イ 人工林再生整備事業(森林災害対応型)
台風等により倒れたスギ・ヒノキの人工林では、大雨による倒木の流出で被害が拡大するおそれがあります。このため、集団的に発生した倒木を片づけたり、集団的に倒木が発生するおそれのある立木を伐採します。
ウ 竹林・広葉樹林等再生整備事業
長期間放置された里山は、暗く下層植生や森林土壌が乏しく、また、放置された竹林は、周囲の宅地や畑、森林に侵入するおそれがあります。このため、樹種の転換や適正な立木密度への誘導を図ることを目的とした伐採(整理伐)を行います。
竹林整備
広葉樹林整備
(3)初期整備後の目標
ア 人工林再生整備事業(一般型)
(ア)適正に管理された人工林に広葉樹の中下層木が混じる森林
初期整備により、上層木は健全に成長するとともに、林床に光が当たり下草や広葉樹が自然発生します。整備者や森林所有者による継続した管理により、人工林に広葉樹の中下層木が混じる森林となります。
(イ)針葉樹と広葉樹が混じる森林
傾斜や道路からの条件がより厳しい箇所では、初期整備をきっかけに陽樹、陰樹が時間を追って芽生え、自然の力によりこれらの多様な樹木が育ち、針葉樹と広葉樹が混じる森林となります。
イ 人工林再生整備事業(森林災害対応型)
災害を受けた箇所は、台風等で被害を受けた倒木が幾重にも折り重なり、地面に光が当たりません。そのため、倒木を片付けることで、林外への流出を防止し、また広葉樹の自然発生の早期促進により、多様な樹種からなる森林となります。
ウ 竹林・広葉樹林再生整備事業
4年程度若タケ刈りを続けることにより竹の発生はなくなり、自然発生した広葉樹が育ち、その後、多様な樹種からなる森林となります。
(イ)大きくなりすぎた広葉樹林の森林
上層の木を抜き伐りすることで、光が林内に差し込み、新たな広葉樹などが育ち、多様な樹種からなる森林となります。
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