実践者の声 髙林 健太

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ページID1084407  更新日 2026年7月17日

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実践者

団体・役職
株式会社HACK 代表取締役
氏名
髙林 健太
出身
静岡県浜松市
主な活動場所
浜松市中心部

経歴

2017年 

都内の大手デベローパー勤務を経てUターン、地元不動産会社に勤務

2021年
独立、株式会社HACKを立ち上げ
2022年
「新川モール」の指定管理を浜松市から受託し、周辺にて「街食堂」、「水曜日のヨル喫茶」などのプロジェクト、複数の店舗誘致を行う
2025年
浜松の企業を中心に8社が参画する、まちづくりを進めるためのプラットフォーム「やらかしまいか」設立 代表取締役就任

主な経歴を教えてください

 1984年に浜松市で生まれ、千葉大学大学院工学研究科を修了後、森ビル株式会社に入社しました。ここでは、新規開発プロジェクトの都市計画や事業計画に携わり、六本木ヒルズのタウンマネジメントなどを経験しました。2017 年に故郷である浜松へU ターンし、丸八不動産株式会社での勤務を経て株式会社HACKを設立。

 現在は、新川モールの指定管理や、街食堂、水曜日のヨル喫茶といった複数のプロジェクトを共同運営しています。

都市計画や現在の各プロジェクトに関わるきっかけを教えてください

 小学生の頃は大工になることに憧れ、大学では建築学科に進学しました。しかし、受験を通じて都市計画という分野に触れたことで、「建築の集合体が都市」であるという考えを持つようになり、より広範な都市そのものへの関心を深めていきました。

 大学ではまちづくりワークショップに参加したり、バックパッカーとしてヨーロッパやインドを旅して都市文化を肌で体験し、これらの経験が、建築から都市へと興味が移行するきっかけとなりました。

森ビル株式会社での経験は、現在の活動にどう影響していますか?

 森ビルでは、単なる建物の建設に留まらない、複合的なまちづくりを学びました。特に、既存のまちとの接続、地権者との丁寧な信頼構築、防災への地道な体制整備といった 「見えにくい仕事」の重要性を深く実感しました。都市は自然発生するものではなく、誰かの計画と意思によって作られ、誰かの営みによって維持されるという認識は、現在のまちづくり活動の根幹をなしています。六本木ヒルズでのタウンマネジメント経験は、大規模開発におけるソフト面の重要性を教えてくれました。

浜松への U ターンを決断した理由は何ですか?

 六本木ヒルズでの大規模開発に大きなやりがいを感じていましたが、結婚や子育てというライフステージの変化をきっかけに、今後の暮らし方を考えるようになりました。同時に、帰省するたびに故郷・浜松の記憶にある場所が失われていく現状を目の当たりにしたほか、地方都市における大規模再開発の困難さを感じていました。東京での「修行」を通じて得た知見を活かし、「小さな再生」を積み重ねるアプローチが必要だと確信したため、2017 年にU ターンを決断しました。

独立の経緯を教えてください

 丸八不動産では、まちなかの不動産の取得や、それらを活用したブルワリー立ち上げ、シェア屋台スペースの企画運営などのまちづくり事業を担当しました。また、リノベーションスクールに参加し、ローカルの実践者とネットワークも築きました。

 ただ、DIY 的活動の収益化の難しさや、コロナ禍での社内方針の変更などにより、最終的に独立へと繋がりました。

独立後の主な活動内容と、その中で重視していることは何ですか?

独立にあたり、同じ志を持つ浜松市出身の仲間と共に株式会社HACKを立ち上げ、以下の活動を中心としています。

新川モール
鉄道高架下の公共空間を活用した「新川モール」

【新川モールの指定管理】

 浜松市中心部の高架下に位置する公共空間「新川モール」を浜松市から指定管理を受託し、管理運営しています。単なる通過路ではなく、遊んだり、休憩したり、予期せぬ出会いや交流を楽しめる場として育てることを目的とし、まちに新たな彩りをもたらす場づくりに取り組んでいます。

水曜日のヨル喫茶
新たな人と人とのつながりを創出する「水ヨル」

【「街食堂」「水曜日のヨル喫茶」の共同運営】

 浜松で暮らし働く人々を応援するため、地元飲食店が週替わりで健康で美味しいランチを提供する「街食堂」を運営しています。会員企業のワーカー向けには割引価格を適用し、地域全体で支え合う共同の社員食堂としての役割も果たしています。食を通じた自然な出会いと交流の場として、地域の絆を深める取組です。

 「街食堂」のもうひとつの顔として、肩書にとらわれず誰もが集える越境コミュニティ「水曜日のヨル喫茶」(通称「水ヨル」)を展開しています。「つどう・であう・はじまる」をキーワードに毎週開催し、新たな人と人とのつながりを創出しています。

 

これらの活動を通じて、まちづくりの本質は「人の成長」にあり、空間・物件はあくまでその結果として立ち現れるものだという考えを掲げています。中立的なハブとして企業連携を促し、公共空間の質向上を通じて、若年層の増加や良質な事業プレイヤーの誘致を目指すことで、地域全体の活性化を図っています。

「やらかしまいか」とは、どのような取組ですか?

 「やらかしまいか」は、浜松の企業を中心に8社が参画する、まちづくりを進めるためのプラットフォームです。従来の「リノベーションまちづくり」の概念も継承しつつ、株式会社HACKが企業間の中立的なハブとして機能します。多様な企業が参加しやすい環境を整えることで、浜松ならではのまちづくりを推進しています。

 企業連携の核となっているのは「人の成長」という共通認識です。まちの活性化を「人が育つフィールド」として捉え、具体的な施設やデザインを押し付けるのではなく、参画企業に所属する個人から生まれたアイデアを形にすることを目指しています。これにより、個人が自分ごととしてまちづくりに関わり、結果として新たなスキルやつながりを獲得し、企業が成長し、さらにまちが活性化するという、持続可能な連携モデルを構築しています。

今後のまちづくりにおいて、どのような展望を持っていますか?

 機運や需要、人の流れを創出し、その後に空間・物件活用へ繋げる段階を踏むことが現実的だと考えています。このプロセスを通じて、地域に根ざした持続可能なまちづくりのモデルを確立していくことを目指しています。

「家守」を目指す方へのメッセージ

 「家守」に興味がある方は、完璧な計画に固執せず、人との関係性の中で生まれるアイデアや状況を拾い上げ、繋ぎ、編集していく柔軟な姿勢が大切です。人と人、物と物、企業と企業の間に入り、調整役として機能すること自体に喜びや面白みを見出し、板挟みの中でも最適なパスを見つけることに醍醐味を感じられる人が向いています。自身のやりたいことは持ちつつも、それを押し通さず、状況に応じて自分の中で折り合いをつけられる「曖昧さへの耐性」と、複数の側面を持つ自分を柔軟に使い分ける能力も不可欠です。

 カリスマ的なワンマンプレイではなく、「みんなでやった方が時間はかかるが遠くまで行ける」という協調性を持ち、人を巻き込みながら共に進んでいくことを楽しめる人が、流動的な関係性の中で価値を創造していくリノベーションまちづくりにおいて、特に重要であると考えています。

このページに関するお問い合わせ

経済産業部商工業局地域産業課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2520
ファクス番号:054-221-5002
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