静岡県教育委員会

“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり

Eジャーナルしずおか第245号(抜粋)令和4年3月発行

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ページID1031402  更新日 2023年1月13日

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令和3年度学校の働き方改革推進プロジェクト 『働きがいも学びの質の向上も』持続可能な働き方改革

教育委員会では、学校の業務改善を一層推進するため、「学校の働き方改革推進プロジェクト」に取り組んでいます。今回、小中学校、高等学校、特別支援学校及び学校事務の4つのワーキンググループ(WG)が、2年間取り組んできた活動について、ご紹介します!働き方改革に終わりはありません。教職員一人一人の「働きやすさ」と「働きがい」のために、そして学びの質の向上のため、『持続可能な働き方改革』に取り組んでいきましょう!

小中学校ワーキンググループ:業務改善「夢」コーディネーターによる新しい働き方改革

持続可能な業務改善の実現を目指します。「夢」コーディネーターを中心とした業務改善や、好事例の共有・啓発に取り組んでいます。

高等学校ワーキンググループ:勤務時間管理システムを活用した業務改善プロセスの構築

データ分析と対話を通じた持続的な業務改善を目指します。時間外勤務データ分析と各モデル校での実践を踏まえ、業務改善プロセスの構築に取り組んでいます。

特別支援学校ワーキンググループ:「個別の指導計画」の静岡県版パッケージ化に向けた構想

一人一人が実感できる業務改善の実現を目指します。「個別の指導計画」の標準様式の作成と人材育成研修を組み合わせたパッケージ化に取り組んでいます。

学校事務ワーキンググループ:総務事務のシステム化・集中化、事務職員の学校経営への参画

学校経営に参画できる「スマートオフィス」の実現を目指します。事務の効率化や新しい事務職員像の検討等働きやすさと働きがいの向上に取り組んでいます。

働き方改革推進校の取り組みを紹介します!

令和3年度、静岡県内33市町(政令市を除く。)から各1校、「学校の働き方改革推進校」を決定し、それぞれの推進校の中から、業務改善推進者として「業務改善『夢』コーディネーターを1人任命しました。『夢』コーディネーターを中心に、新しい働き方改革に取り組んでいます!

小中学校ワーキングテーマ:業務改善『夢』コーディネーターによる学校の新しい働き方改革

東伊豆町立稲取小学校 『夢』コーディネーター 杉本迪 教諭

「やらなければならない仕事」「やった方がいい仕事」「やりたい仕事」の3つに分け、普段の仕事を見直し、効率化を図っている。

掛川市立中央小学校 『夢』コーディネーター 村松幸恵 教諭

午前5時間日課、高学年の教科担任制を導入。DX化を進め、「いつでもどこでもだれとでも」情報やデータを共有し、ライフスタイルに合った働き方を推進している。

三島市立北小学校 『夢』コーディネーター 伊藤亮 主幹教諭

「北小業務改善プロジェクトチーム」を立ち上げ、業務改善全体会を実施するなど、10項目以上に及ぶ業務改善策を講じている。

菊川市立菊川西中学校 『夢』コーディネーター 稲垣諒 教諭

第1回「夢コ研修(校内研修)」で、「カット系、キャップ系、効率化系」の案を出し合った。また、「夢コ通信」を発行し、情報共有を図っている。

令和3年度学校の働き方改革推進プロジェクト―『働きがいも学びの質の向上も』持続可能な働き方改革―は以上です。

男性教職員の育児参加を応援しています!育休体験記

「今しかできないことを」:静岡県立榛原高等学校 主任 青野幹雄

私は、第二子が生まれた翌月から1年2ヶ月育休を取得しています。

育休を取得した理由は、今後の人生を考えたとき、仕事から離れる不安よりも、子供の成長を近くで見守りたいと思ったからです。

取得のタイミングや期間は迷いましたが、育児休業手当金の制度を調べ、早い段階から所属に相談したことによって年度途中でも取得しやすい体制を整えていただくことができました。

育休を取得して良かったと思うことは、妻と2人で育休を取得しているため、家事や急な体調不良などでどちらかが子供と接することができなくても、もう1人が子供と一緒にいることができることです。また、交代で自分の時間を確保できるため、趣味にも時間を費やすことができ、心身ともに余裕を持って子育てを行えています。さらに、子供が何か新しいことができたときの喜びを共有できることも2人で取得して良かったと思う瞬間です。

他にも、今まで意識していなかった自分の街の子育ての環境を意識し、育休を取らなければ関わることのなかった人たちと関わりを持てたことも良かったことの一つです。今までと違った環境で、新しく入ってくる情報が新鮮だったり、初めての経験をすることで多くのことを学ぶことができていると感じています。

子育て生活に慣れてくると、意識して自分の時間や人と関わる時間を作らないと同じような毎日が続いてしまいます。コロナ禍で人と会えない中、意識して色々なことに挑戦するようにしています。

私は、第一子が産まれた際は育休を取らず、第二子で育休を選択しました。育休を取得したことに全く後悔はなく、むしろ第一子のときも取ればよかったと思っています。

育休の取得について悩んでいる方は、どんな選択をしても後悔のないよう今しかできないことを大切にしていただければと思います。

「妻と二人で育児休業」:静岡県立東部特別支援学校 教諭 西村雄一

育児休業を取りながら1人の息子の育児をしていた妻の妊娠が分かった当時、長男は幼稚園年少、次男は1歳でした。そのような状況に3人目の出産と育児が加わることは妻への負担が大きいと思い、私も育児休業を取得しようと考えました。

年度が替わるタイミングで休業や復帰をする方が気持ちを切り替えやすいと思い、妻が5月に出産を控える中、私は4月から1年間の取得をしました。4月から育休を取得したことで、私も育児や家事を行うことができ、妻は安心して出産を迎えることができました。

妻と2人で育児休業を取得することになり、自ずと役割の分担ができました。長女のおむつ替えや昼の寝かしつけは私にもできましたが、夜の寝かしつけと授乳は妻の方が長女も安心していたので妻が行いました。夜中の頻繁な授乳で妻は慢性的な寝不足になっていたので、朝は少しでもゆっくりできるよう、朝食作りや長男の幼稚園バスへの送りは私が行いました。

育児休業を取得する前は、子供と過ごす時間が増えることへの期待でいっぱいでした。実際、泥遊びや水遊び、段ボール工作、自転車の練習など遊ぶことで一日があっという間に終わる充実の日々でした。しかし、家事を抱えながらの育児は心に余裕がなくなることもあり、苛立ちを覚えることも多々ありました。そのようなときは妻と交代することで気持ちを切り替えることができました。やはり、育児には心の余裕が必要で、一人で育児を行うことの大変さと夫婦や周囲の家族と協力することの大切さを改めて感じました。

夫婦ともに休業していることの不安は金銭面でした。特に私は4月当初は1歳に達した第二子の育児休業として開始したため、第三子の長女が誕生するまでは育児休業手当金がありませんでした。長女が誕生してからは、妻とともに育児休業手当金をもらうことができたので助かりました。

これほどまでに子供たちと遊び、妻と子供の成長について共有できる時間は人生で二度とないと感じています。私の人生にとって忘れることのできない宝物の1年間でした。育児休業の取得を応援してくださった職場の皆様には本当に感謝しています。

ありがとうございました。

実践ノート487:ふるさとキャリア教育

浜松市立細江中学校 教諭 小川高明

ホソトレ

本校は、令和2年度から、「キャリア教育」を学校全体で進めています。生徒の実態を踏まえ、キャリア教育を通して育てたい力を気付く力、考える力、つながる力、伝える力、将来をえがく力の5つの力に整理しました。特に、総合的な学習の時間を「ふるさとキャリア教育」と位置付け、『ホソトレ』(HOSO Etreasure for the future未来へつながる宝探究)と称し、細江地域を学びのフィールドとした探究的な学習に取り組んでいます。

学びの場―探究的な学習―

思考ツールを活用したり、講話を参考にしたりしながら、細江地域の魅力や問題解決に迫る探究課題を見いだします(気付く力)。そして、事業所訪問や、メール等を活用した情報収集等追究活動計画を立て、実行します(考える力)。その成果を、ポスターやプレゼンテーションソフトにまとめ、保護者や地域に発信します(つながる力・伝える力)。特に三年生からの地域への提案は、区役所の方から共に実行に移したいと高い評価をいただきました。発信後、地域の魅力を問い直し、地域の活性化に貢献できることを考え、今後の学びを思い描きます(将来をえがく力)。各学年でテーマや探究活動は異なりますが、3年間をかけてこうした活動を繰り返していくことで、探究的な学習の過程を体験的に学ぶことができる工夫に努めました。

学びの連携・協働

生徒たちの学びを豊かにするため、コミュニティ・スクールを活用して、学校と社会をつなぐ体制を構築しています。地域を盛り上げようと活動している大人との出会いを通して、地域の魅力を発見するきっかけとなり、多様な価値観や生き方を学ぶ機会となりました。

今後に向けて

コロナ禍の現在、フィールドワークや事業所訪問の縮小や制限等、活動が限定されていますが、ICT機器等の活用によって生徒たちの学びがより豊かになるように工夫していきたいと思います。また、地域の方々と交流を深めたり、地域探索に出掛けたりする活動を通して、地域の教育資源の発掘や開発に努め、全教職員で学び続ける教員を目指します。

実践ノート487は以上です。

実践ノート488:ICTを活用した学習者主体の授業実践

静岡県立掛川東高等学校 教諭 高橋真美

はじめに

本校は掛川市にある全日制普通科高校です。二学期からの授業を、グーグルジャムボードを活用して生徒たちが考えたり調べたりしながら学習を進める学習者主体の授業スタイルに転換してみました。ジャムボードはクラウド上にあるホワイトボードで、背景の上に付箋や画像などをおいて動かしながら活動したり、生徒が撮影した写真を載せて提出したりすることが可能です。実施したのは3年理系の化学、範囲は有機化合物の初めから芳香族化合物までです。

学習者を主体とするために

学習内容のまとまりごとにクラスルームに課題を作成し、ジャムボード、フォーム、そしてまとめプリントの作成を基本のセットにして生徒に配信しました。生徒は自分のスマートフォンから自分用のジャムボードにアクセスし、教室にある分子模型を使いながらジャムボードにある問いについて考察していきます。教師が全体に説明することはあまりなく、授業のほとんどの時間を生徒自身が考えたり調べたり、友達と相談したりしながら学習を進めていきました。教師は、机間巡視やウェブフォームで生徒の理解度や進度を把握し、次の教材作成に反映させます。自分が教えなくとも、教材に仕掛けた工夫によって生徒が今までになく生き生きと活動している姿に、やりがいを感じました。

生徒の声

生徒からは「自分で考える時間が増えた」「友達と考え合ったり教え合ったりして理解を深められた」という思考する場面の多さに言及する声や、「自分が知りたいところを納得できるまで追求できた」など主体性につながる感想も多く寄せられました。さらに「自分のペースで学べたことが、学びの楽しさにつながった」と感じた生徒が多かったことは、私にとって大きな発見でした。学習者が主体となり、楽しく学べるだけでなく、有機化学の本質的な考え方を身に付けることができたこの授業は、教師・生徒両者にとって良い授業実践になったと感じています。

実践ノート488は以上です。

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