食肉に関するお知らせ

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ページID1025215  更新日 2023年1月13日

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豚の食肉の生食用としての販売等の禁止について

平成27年6月12日から豚の食肉(豚の内臓を含む)を生食用として販売・提供することが禁止されます。

概要

豚の食肉等は、寄生虫の感染や食中毒菌による食中毒の危険性があることから、加熱して食用に供されることが一般的でした。しかしながら、近年、豚肉の生食が原因と考えられる食中毒の発生も報告されていることから、関係事業者に対して、必要な加熱を行って提供するよう指導を行ってきました。このような中、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において、食品衛生法に基づき、豚の食肉の生食用としての販売等を禁止することが承認され、平成27年6月2日に食品衛生法による規格基準において、新たに豚の食肉の基準が追加されました。

消費者の皆様へ

  • 豚肉や豚レバーを生で食べないでください。
  • 豚の食肉を食べるときには、豚の食肉の中心部の温度を63℃で30分間以上(あるいは、中心部の温度を75℃で1分間以上)加熱してください。
  • 生肉に触ったら、よく手を洗いましょう。
  • 生肉に触れた包丁やまな板などもよく洗いましょう。

豚の食肉を取扱う事業者の皆様へ

  • 飲食店で一般消費者が自ら豚の生肉等を調理し、飲食する際には、一般消費者に対しコンロ等加熱設備を提供してください。
  • 食肉販売等を行う事業者の方は、「加熱用であること」、「調理の際に中心部まで加熱すること」、「食中毒の危険性があるため生では食べられない」旨等の情報提供を、掲示板等により行ってください。
  • 飲食店営業等を行う事業者の方は、「加熱用であること」、「調理の際に中心部まで加熱すること」、「食中毒の危険性があるため生では食べられない」旨等をメニューに掲載する等、情報提供を行うこと。これらの情報提供にもかかわらず、一般消費者が生で食べている場合には、加熱して食べるよう重ねて注意喚起してください。

豚の食肉等を生で食べることで、下記のような食中毒原因微生物により、健康被害が生じる可能性があります。

E型肝炎ウイルス

豚、猪、鹿等からE型肝炎ウイルスの遺伝子や抗体が検出されます。宿主動物(豚、猪、鹿等)の肝臓でウイルスが増殖し、糞便とともに排出されます。食品中ではウイルスは増殖しません。ヒトからヒトへの感染は稀です。ヒトの主な症状は、急性肝炎を引き起こしますが、大半は安静臥床で治癒します。しかし、劇症化し、死に至ることもあります。死亡率は、1から3%で、妊婦は15%から25%です。

サルモネラ属菌

動物を宿主として、環境中にも存在します。乾燥に強いですが、低温保存や凍結保存で菌は減少します。ヒトの主な症状は、下痢、腹痛、発熱及び嘔吐です。重症の場合は、粘血便や血中に菌が侵入し、基礎疾患がある場合は死に至ることがあります。

カンピロバクター・ジェジュニ/コリ

牛、豚、鶏等の腸管内に生息しています。食品中では増殖しません。乾燥に比較的弱いです。ヒトの主な症状は、下痢、腹痛、発熱、頭痛及び倦怠感です。合併症として、敗血症、肝炎、胆管炎、ギランバレー症候群などを起こすことがあります。

有鉤条虫

中間宿主は豚等です。ヒトは終宿主となります。有鉤条虫は豚に感染すると筋肉などに嚢虫を作ります。その豚の食肉などを食べることでヒトに感染します。このようにして感染し、条虫はヒトの体内で成虫となり小腸に寄生し腹部膨満感、悪心、下痢や便秘などの症状がみられることを有鉤条虫症といいます。また、感染している人は、虫卵を糞便とともに排泄します。このような場合、水や食物を汚染することがあります。ヒトが虫卵を摂取すると、眼や心臓などに嚢胞を作ります。これを有鉤嚢虫症といいます。脳に嚢胞が作られると、致死率は60~90%になります。

トキソプラズマ

終宿主は猫で、トキソプラズマに感染していると糞便とともにオーシストを排泄します。中間宿主は猫以外の動物でヒトも中間宿主になります。ヒトがオーシストを摂取すると、ほとんどは不顕性感染ですが、重篤な場合は、リンパ節炎、肺炎などを引き起こし、死に至ることもあります。妊婦に感染すると、胎児に先天性トキソプラズマ症(水頭症、視力障害、脳内石灰化など)を引き起こすことが知られています。

旋毛虫(トリヒナ)

宿主域は広く、陸棲、海棲のほ乳類や鳥類等に寄生します。旋毛虫(トリヒナ)に感染している豚を喫食すると、筋肉痛、発熱、悪寒などの症状が出て、重症の場合は、心不全や肺炎を併発し死に至ることがあります。

牛の食肉等について

牛の肝臓について

平成24年7月から、牛の肝臓(レバー)を生食用として販売、提供することを禁止しています。

生食用食肉について

牛の食肉(内臓を除く)で生食用として販売するもので、ユッケ、タルタルステーキ、牛刺し、牛タタキなどについて、食品衛生法で規格基準が設定されています。

成分規格

  1. 腸内細菌科菌群:陰性(増菌培地法)
  2. 1に係る記録:1年間保存

加工基準

  1. 加工は、他の設備と区分され、器具及び手指の洗浄及び消毒に必要な専用の設備を備えた衛生的な場所で行わなければならない。また、肉塊(食肉の単一の塊をいう。以下この目において同じ。)が接触する設備は専用のものを用い、一つの肉塊の加工ごとに洗浄及び消毒を行わなければならない。
  2. 加工に使用する器具は、清潔で衛生的かつ洗浄及び消毒の容易な不浸透性の材質であって、専用のものを用いなければならない。また、その使用に当たっては、一つの肉塊の加工ごとに(病原微生物により汚染された場合は、その都度)、83℃以上の温湯で洗浄及び消毒をしなければならない。
  3. 加工は、法第48条第6項第1号から第3号までのいずれかに該当する者、同項第4号に該当する者のうち食品衛生法施行令第35条第13項に規定する食肉製品製造業(法第48条第7項に規定する製造業に限る。)に従事する者又は都道府県知事若しくは地域保健法第5条第1項の規定に基づく政令で定める市及び特別区の長が生食用食肉を取り扱う者として適切と認められる者が行わなければならない。ただし、その者の監督の下に行われる場合は、この限りでない。
  4. 加工は、肉塊が病原微生物により汚染されないよう衛生的に行わなければならない。また、加工は、加熱殺菌をする場合を除き、肉塊の表面の温度が10℃を超えることのないようにして行わなければならない。
  5. 加工に当たっては、刃を用いてその原形を保ったまま筋及び繊維を短く切断する処理、調味料に浸潤させる処理、他の食肉の断片を結着させ成形する処理その他病原微生物による汚染が内部に拡大するおそれのある処理をしてはならない。
  6. 加工に使用する肉塊は、凍結させていないものであって、衛生的に枝肉から切り出されたものでなければならない。
  7. 6の処理を行った肉塊は、処理後速やかに、気密性のある清潔で衛生的な容器包装に入れ、密封し、肉塊の表面から深さ1センチメートル以上の部分までを60℃で2分間以上加熱する方法又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌を行った後、速やかに4℃以下に冷却しなければならない。
  8. 7の加熱殺菌に係る温度及び時間の記録は、1年間保存しなければならない。

保存基準

  1. 4℃以下保存(凍結させたもの:マイナス15℃以下)
  2. 清潔で衛生的な容器包装に入れ、保存しなければならない。

調理基準

  1. 加工基準1から5までの基準は、生食用食肉の調理について、準用する。
  2. 調理に使用する肉塊は、加工基準の6及び7の処理を経たものでなければならない。
  3. 調理を行った生食用食肉は、速やかに提供しなければならない。

食肉(内蔵も含む)による食中毒の予防ついて

  • 肉の生食は避け、十分に加熱しましょう。
  • 腸管出血性大腸菌O(オー)157及びカンピロバクターは、少量の菌でも発病するため、二次汚染の防止が特に重要です。
  1. 手指はこまめに洗いましょう。特に食肉を触った手指には菌が付着している可能性があるので、他の食材、器具を触る前に洗いましょう。
  2. 生で食べるサラダなどは、肉料理の前に調理しましょう。
  3. 肉専用の包丁やまな板を用意し、他の食材と共用しないようにするか、食肉を扱った調理器具は洗剤で洗い、熱湯等で消毒してから他の調理に使いましょう。

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部生活衛生局衛生課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3708
ファクス番号:054-221-2342
eisei@pref.shizuoka.lg.jp