発生動向総覧
発生動向総覧
インフルエンザは流行期です(第36週2.06)
2026年第35週(8/24~30)の感染症発生動向調査で、静岡県内のインフルエンザの定点当たり患者数が1.35人に増加し、流行開始の目安である1を上回り、流行期となりました。記録が残る2002年以降、これまでの最も早い流行入りは、第34週(2009年と2023年)です。第35週での流行入りは、それに次ぐ早さです。例年は11月中旬から12月頃に流行入りし、流行入りから、4~7週程度で注意報レベルとなることが多くなっています。(昨シーズンの状況)2025年は第42週(10/13~19)に流行入り、第44週(10/27-11/2)に注意報レベル、第47週(11/17~23)に警報レベルとなりました。その後、横ばいの状況が続きましたが、2026年第1週(12/29~1/4)には6.94となり、警報終息基準値の10を下回りました(警報の期間:2025年第47週~2025年第52週(11/17~12/28))。その後、2026年第2週(1/5~11)には11.55となり、再度10を上回り注意報レベルとなり、第5週(1/26~2/1)には、30を上回り再び警報レベルとなりましたが、第10週(3/1~8)には警報解除基準値の10を下回り終息しました。その後、2026年第15週(4/6~4/12)には流行の目安である1を下回り、流行が終息しました。
今後、さらに流行が拡大することも考えられますので、咳エチケットや換気、手洗いといった感染拡大防止対策に御協力をお願いします。また、9月下旬以降に、医療機関でワクチン接種が開始される予定ですので、接種の検討をお願いします。※インフルエンザの定点当たり患者数とは、県内の内科・小児科定点医療機関から報告された1週間の患者数を機関数で割った数値です(県内の内科・小児科定点医療機関数:2026年第13週までは139、2026年第14週からは112、2026年第18週からは108)。
※流行開始の目安とされている定点当たり患者数は1、注意報レベルは10、警報レベルの開始は30、警報レベルの終息は10です。
【昨シーズンの状況】
2025年は第42週(10/13~19)に流行入り、第44週(10/27-11/2)に注意報レベル、第47週(11/17~23)に警報レベルとなりました。その後、横ばいの状況が続きましたが、2026年第1週(12/29~1/4)には6.94となり、警報終息基準値の10を下回りました(警報の期間:2025年第47週~2025年第52週(11/17~12/28))。その後、2026年第2週(1/5~11)には11.55となり、再度10を上回り注意報レベルとなり、第5週(1/26~2/1)には、30を上回り再び警報レベルとなりましたが、第10週(3/1~8)には警報解除基準値の10を下回り終息しました。その後、2026年第15週(4/6~4/12)には流行の目安である1を下回り、流行が終息しました。
RSウイルス感染症の発生が流行期に入っていると考えています(第36週1.2)
RSウイルス感染症には、国が定める注意報や警報の基準値はありませんが、静岡県では、定点医療機関当たり1週間の報告数が0.5で「流行が始まる可能性あり」、1以上で「流行期に入っている」と考えています。
静岡県内のRSウイルス感染症の定点医療機関当たり1週間の報告数は、昨年10月下旬以来、約10か月ぶりに定点医療機関あたり1人を超え、増加が加速しています。なお、県内の患者の年齢は、約80%が2歳以下です。
RSウイルス感染症は、飛沫感染(咳、くしゃみの飛び散り)や接触感染(鼻水や痰、だ液等を触る)でうつります。うつってから発症するまでの潜伏期間は約5日、人にうつす感染期間は発症後約1週間です。
症状は、発熱、咳、鼻水、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーの呼吸)です。年長児や成人では、軽いかぜ症状ですむ場合も多いですが、乳児早期(特に2か月以下の赤ちゃん)に感染した場合は、急性細気管支炎や肺炎となり、哺乳低下や呼吸困難で入院したり、さらには人工呼吸管理を要したりすることもあります(感染した乳幼児の約30人に1人は入院するという報告もあります)。
RSウイルス感染症専用の有効な治療法はなく、水分補給の点滴や酸素投与などの対症療法のみです。赤ちゃんがいる家庭では、かぜ症状のある方から赤ちゃんにうつさないようにマスク着用や手洗いを励行してください。赤ちゃんが、咳鼻水やぜーぜーで、ミルクの飲む量が減ってきたら、早めに小児科医院を受診しましょう。新型コロナウイルス感染症は若干増加しています(第36週2.34)
2025年第34週(8/18~24)の定点あたり患者数が8.34と注意報基準値の8を超えたため、8/29に感染症拡大注意報を発令しました(昨年は第30週(7/22~28)がピークで定点当たり患者数が15.60、注意報は7/19~9/19の約9週間続きました)。第36週(9/1~7)は、7.80と基準値の8を下回ったため、感染拡大注意報を解除しましたが、第37週(9/8~14)に8を超えたため、再度、注意報を発令しました。第38週(9/15~21)は、6.65と基準値の8を下回ったため、感染拡大注意報は解除されています。(注意報期間:8/29~9/11、9/19~25)。2026年第21週(5/18~5/24)から定点あたり患者数の増加傾向が続き、昨年と似た推移をたどっていました。しかし、第32週(8/3~9)以降、患者数は減少傾向でしたが、第35週(8/24~8/30)から再度若干増加しました。
現在、感染拡大注意報基準である定点当たり8人を下回っていますが、県民の皆様には、引き続き、他の感染症の発生動向も御確認いただき、必要に応じて咳エチケットや換気、手洗いといった感染拡大防止対策に御協力をお願いします。※感染拡大注意報基準値は8、感染拡大警報基準値は16です。
手足口病の警報レベルは終息しています(第36週0.59)
2026年第25週(6/15~6/21)の定点当たり患者数は、5.56となり、警報レベルの基準値の5を超えました。2026年第33週(8/10~8/16)の定点当たり患者数は、1.00に減少し、警報終息基準値の2を下回りました。警報レベルの期間は8週間(6/15~8/9)でした。前回、警報レベルとなったのは、2024年第25週(6/17~6/23)(定点当たり患者数6.40)で第46週(11/11~11/17)まで警報レベルが継続しました。過去の傾向では、7月頃にピークとなり、9月頃に終息しています。年齢別の患者割合は5歳以下の未就学児が90%以上で、2歳以下が80%以上です。
手足口病は口の中、手のひら、足の裏や甲などに水疱性発しんが現われ、発熱(38℃程度)する病気です。咳やくしゃみによる飛沫感染、だ液(つば、よだれ)、鼻水、便、つぶれた水疱から出てきた液からの接触感染がありますので、手洗いを徹底するとともに、排泄物を適切に処理することが大切です。※ウイルスの便への排出は、治癒後も3~4週間続きます。
乳幼児は口内に病変がある場合には、飲食に痛みを伴い、食欲不振となることがあります。口の中の水疱に当たっても痛みが少ない薄味で軟らかい食事にしたり、少量ずつ分けて食べる等、水分補給、栄養補給に努めましょう。それでも水分が摂れず、尿の回数や量が減ってきたときや、高熱や嘔吐でぐったりしたり、頭痛が強いときは、医療機関を受診してください。また、受診に迷った際は、静岡こども救急電話相談(#8000)を御利用ください。
百日咳の流行は収まってきています(第36週報告なし)
2025年第6週(2/3~)以降、1週間に1~2人の百日咳患者が県内医療機関から報告されることが多くなっていましたが、第14週(3/31~4/6)に5人となり、第15週(4/7~13)は21人と急増しました。その後は第20週(5/12~18)までは20人前後が続いた後、第21週(5/19~25)に40人まで増えてからは毎週増加し、第28週(7/7~14)は84人となり、全数把握感染症となった2018年以降の最高値を更新しました。(それまでの過去最高値は、2025年第26週(6/23~29)80人です。)発生数は徐々に減少し、第39週(9/22~28)には19人まで減少しました。2025年末から、減少傾向にあり、流行が収まってきました(第36週報告なし)。コンコンという咳が連発してよる眠りにくい場合には、マスク可能な方は着用して、早めに受診しましょう。
年齢分布では10~14歳が最多で、続いて5~9歳が多くなっています。百日咳を含むワクチンをまだ打っていない赤ちゃんがいる家庭で、兄弟が咳症状がある場合には赤ちゃんに近づかないようにしてください。
なお、生後6か月以下の赤ちゃんが百日咳にかかると呼吸がしにくくなるなど重症になる場合がありますので、2か月になったらすぐに5種混合ワクチン(百日咳ワクチンを含んでいます)を接種しましょう。また、咳のひどい人は赤ちゃんの世話を避けることも大切です。
今週のコメント
第36週(8/31~9/6)の感染症発生動向調査では、急性呼吸器感染症(ARI)は、43.06人となり前週の34.37人から増加しました。感染性胃腸炎は、2.38人となり前週の1.86人から増加しました。新型コロナは、2.34人となり前週の1.50人から増加しました。インフルエンザは、2.06となり前週の1.35から増加しました。【急性呼吸器感染症】
全県で罹患数4,651、定点当たり43.06の患者発生があり、前週の34.37から増加した。定点当たり東部地区で43.87、中部地区で42.43、西部地区で42.78の患者が発生した。
【感染性胃腸炎】
全県で罹患数157、定点当たり2.38の患者発生があり、前週の1.86から増加した。定点当たり東部地区で1.00、中部地区で2.26、西部地区で3.68の患者が発生した。
【新型コロナ】
全県で罹患数253、定点当たり2.34の患者発生があり、前週の1.50から増加した。定点当たり東部地区で2.71、中部地区で1.53、西部地区で2.60の患者が発生した。
【インフルエンザ】
全県で罹患数223、定点当たり2.06の患者発生があり、前週の1.35から増加した。定点当たり東部地区で2.24、中部地区で2.50、西部地区で1.58患者が発生した。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
全県で罹患数81、定点当たり1.23の患者発生があり、前週の0.94から増加した。定点当たり東部地区で1.05、中部地区で1.05、西部地区で1.52の患者が発生した。
【RSウイルス感染症】
全県で罹患数79、定点当たり1.20の患者発生があり、前週の0.92から増加した。定点当たり東部地区で0.95、中部地区で1.42、西部地区で1.24の患者が発生した。
- 麻疹、風疹は患者発生なし。
- 全国のインフルエンザの定点当たりの患者報告数は3.29であり、前週の1.76から増加した。警報レベルを有する都道府県は0、注意報レベルの保健所を有する都道府県は12であった。
- 全国の新型コロナの定点当たりの患者報告数は2.08で前週の1.47から増加した。
- 静岡県において第36週に定点当たり患者報告数の多かった疾病は、順に1)急性呼吸器感染症(43.06)、2)感染性胃腸炎(2.38)、3)新型コロナ(2.34)、4)インフルエンザ (2.06)、5)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(1.23)、6)RSウイルス感染症 (1.20)であった。
インフルエンザ罹患数推移
県内衛生研究所におけるインフルエンザウイルス検出状況(2025/2026シーズン) (令和7年第36週~)
梅毒の発生状況(静岡県・累計)
第36週までの累計は202件で、前年同期比0.94倍であった。
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