(2)盛土対策

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ページID1054929  更新日 2023年6月26日

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令和5年6月県議会定例会知事提案説明要旨

【1.県政の喫緊の課題への対応】(2)盛土対策

次に、盛土対策についてであります。

熱海市伊豆山地区における土石流災害の発生から、来月3日で2年を迎えます。犠牲となられました方々の御冥福を、心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われました皆様に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。

また、来月3日に行われます追悼式には、中沢県議会議長をはじめ、県議会議員の皆様とともに、私も参列し、改めて哀悼の意を捧げてまいります。

逢初川源頭部に残る土砂の撤去につきましては、9月1日に予定されている伊豆山地区の警戒区域解除に向け、今月末までに完了する予定であります。避難生活を強いられている住民の皆様が安心して帰還できるよう安全を確保してまいります。

逢初川土石流災害に係る行政対応等につきましては、今年2月に、県議会の特別委員会から5項目の御提言をいただきました。

まず、「行政対応に関する再検証」につきましては、砂防法や森林法などに関して、検証委員会において取り扱われていない、新たな視点に基づく御提言をいただいたことを重く受け止め、県として改めて検証を行い、その結果を速やかに県議会に御報告してまいります。

また、「行政記録の在り方」につきましては、公文書は県民共有の財産であるという理念に立ち、今年度中に、新たな公文書管理条例を制定することを目指してまいります。今後、県議会や有識者の御意見を伺い、公文書の作成から保存・廃棄、活用までのルールを具体化してまいります。

さらに、御提言いただいた「関係組織間における連携」や、「復興に向けた被災者支援策」などにつきましても、県の組織文化改善に向けた取組や、被災者の住宅再建支援の取組などをさらに進めてまいります。

先月26日に施行された盛土規制法への対応につきましては、法に基づく規制区域の指定に向けて基礎調査を開始したところであり、政令市や隣接県とも調整を図りながら、早期に指定できるよう努めてまいります。また、県盛土条例との整合を図った上で、条例と法律を適切に運用し、県民の皆様の安全と安心の確保に全力で取り組んでまいります。

静岡市葵区杉尾、日向地区の不適切盛土につきましては、先月19日を期限とする盛土行為者への原状回復命令が履行されなかったため、周辺地域の安全確保に向けて、行政代執行の手続きを速やかに進めております。また、これらの盛土は、直ちに崩落して被害を及ぼすようなものではありませんが、観測機器を設置して監視・警戒体制を強化するとともに、人家が近い杉尾地区の盛土には仮設堰堤を設置するなど、安全の確保に万全を期してまいります。

建設発生土の処理につきましては、本年3月に基本方針を策定し、発生抑制、利活用促進、適正処分の3つの柱のもと、本県の建設発生土の有効利用率を、現状の70%から令和9年度末までに80%へと高めることを目標に取り組んでまいります。

今後、工事間の搬入・搬出調整を行うストックヤードを、年内の運用開始を目指し、県内3か所に地域バランスを考慮して、モデル的に整備してまいります。

引き続き、不適切な盛土への対策の強化、建設発生土の適正な処理を推進してまいります。