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ページID1079706  更新日 2026年2月17日

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令和8年2月県議会定例会 知事提案説明要旨

1 所信

 令和8年度の当初予算案、並びにその他の議案を提出するに当たり、その概要を御説明申し上げ、併せて、当面する県政の課題について所信の一端を申し述べます。 

 本年は、明治維新の廃藩置県の後、旧静岡県、浜松県、足柄県が合併し、現在の静岡県が発足して150年の節目の年に当たります。

 静岡県は、人口352万人、県内総生産18.3兆円と全国10位、一人当たり県民所得は全国4位と、各種指標で全国トップテンに入ります。特に、自動車、製紙、食品、電子機器など製造業をはじめとする様々な産業が集積する産業県であり、我が国経済を牽引する県として存在感を示してまいりました。

 一方、本県を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。人口減少・少子化は全国的な課題ではありますが、本県人口も平成19年をピークとして減少が続いています。今後、更なる担い手不足が想定され、行政のあり方、地域の産業構造それぞれで、大きな変革が求められることになります。

 また、我が国の潜在成長率が低位にとどまり、相対的な国力が低下する中で、円安傾向の継続と資源価格・物価の高騰が続き、県民生活にも大きな影響が出ており、加えて、超低金利の時代から金利のある世界に移行するという変化もあります。担い手不足と財政状況への懸念も相まって、社会保障をはじめとした将来不安が高まりつつあるのが現状ではないかと考えます。

 ここで想起するのは、私の尊敬する米沢藩・上杉鷹山(ようざん)公の藩政改革であります。鷹山公は、徹底した倹約と積極的な産業振興により米沢藩を立て直し、天明の大飢饉という国家的危機に当たっても被害を最小限に食い止めるなど、大きな成果を挙げました。

 鷹山公に倣い、静岡県から、財政の健全化と未来への積極的な投資を両立させる自治体経営モデルを作り上げ、将来世代への責任を果たしていくとともに、既成観念を打破し、全国に先駆けた挑戦によって新産業を育成し、我が国の成長に貢献してまいりたいと考えております。

 本県においては、この10年近く、支出の不断の見直し、有利子負債の管理、国との密接な意思疎通など様々な経営努力が十分でなく、結果として、赤字地方債である資金手当債に依存する自転車操業的な財政運営が続いておりました。こうした構造を抜本的に見直し、まずは令和10年度までに資金手当債の発行から脱却することを目標に、健全財政への道筋を明確にしてまいります。

 また、国では、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」の方針の下、力強い経済成長を実現し、財政の持続可能性と国民所得、企業収益の伸長により未来を希望に変える政策を実現しようとされておられます。こうした国の方針にしっかり呼応し、静岡県の未来の経済基盤を形作るための投資、未来の人材を育むための投資、県民の安全・安心を確保するための投資について、積極的に対応してまいります。

 今年度は、「財政改革元年」であり、「チャレンジ元年」でありますが、「財政改革」としては、サマーレビューを皮切りに全ての事務事業の見直しを行い、その結果を関係の皆様に丁寧に御説明し、御理解をいただくことで、最大640億円に上る財源不足額を大幅に縮減いたしました。併せて、「中期財政計画」、「定員適正化計画」、「県有施設のあり方に関する基本方針」、「2040基本指針」といった中長期的な自治体経営のための計画等の策定も進めてまいりました。

 また、「チャレンジ」としては、本県の特徴分析を踏まえ、「弱みを強く」、「強みはより強く」することで、県民幸福度日本一を目指すこととし、「ウェルビーイングの視点」を基本とする新たな総合計画を策定いたしました。政策の具体化にあたっては、新たな政策立案プロセスとして民間企業や若手職員からも提案を募り、事業化を行いました。

 「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」と鷹山公はおっしゃっています。財政健全化と未来への積極投資の両立は確かに困難な課題ではありますが、来年度を、県勢を「停滞から成長へ」転換する始まりの年とするべく、東中西の地域的なバランスに配慮しながら、県内市町をはじめ県民、企業、団体など様々な主体が協力・連携する「オール静岡」体制で取り組んでまいります。

 県議会の皆様の引き続きの御支援、御協力を、心よりお願い申し上げます。