実践NOTE563 「特別支援学校における福祉避難所の開設に向けて」
特別支援学校における福祉避難所の開設に向けて
富士特別支援学校 教諭 佐野美帆
富士市の福祉避難所指定を受けて

本校は、知的障害や肢体不自由の児童生徒が通学する特別支援学校で、災害時には特別な配慮や避難生活の支援が必要となります。令和3年度に、富士市の福祉避難所に指定され、令和4・5年度に福祉避難所開設について県の指定研究を受け、「福祉避難所運営マニュアル」や「指示書」を作成しました。令和6年8月には、「指示書」を活用し、教職員、 PTA、富士市職員が参加した福祉避難所開設訓練を本校で実施しました。
※「指示書」…発災後、福祉避難所を開設するかどうかの判断から、開設することが決まった後の各班(総務、避難者管理、情報、食料物資、施設管理、保健衛生、要配慮者支援、駐車場、スクールバスの9つの班)の初動について書かれたもの。
震度5強の地震を想定

「在校中に震度5強の地震が発生し、保護者へ引き渡しを行う。引き渡し後、そのまま学校避難になる児童生徒もいる。停電のため放送は入らない。」としました。この想定のもと、事前に各班の指示書を班長と防災課員で見直し、加筆修正を行い、各班員で準備やイメージトレーニングをして当日の訓練に臨みました。
酷暑の中の開設訓練
当日は、各班の指示書や全体の流れ図を使用し、各自が時計を見ながら動きました。訓練の流れを理解し、自分の役割を理解して動くことができた職員が80%を超える反面、「各班の具体的な動き、避難者の受付後の動きが明確化されていない」など、たくさんの課題が見つかりました。参加した保護者、市職員から数多くの意見をいただき、実り多き訓練となりました。


「準備していないことは災害時にはできない。」
富士市職員の方からの言葉です。この言葉を受けて、訓練後、防災課や防災危機管理委員会、さらに富士市との話し合いを重ね、令和6年度版のマニュアルや指示書が完成しました。
今年度は、より多くの保護者や地域の方々に訓練への参加を呼び掛け、福祉避難所について理解を深めていけたらと考えています。いつ起こるか分からない災害に向け、「備えあれば憂いなし」となるように、保護者や地域との連携を強化し、災害に備えていきます。
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