実践NOTE566 「小鳥にとっての『止まり木』のようなことばの教室に」
小鳥にとっての『止まり木』のようなことばの教室に
伊東市立伊東小学校 教諭 植松実木
はじめに
言語通級指導教室「ことばの教室」には、「ことば」に困り感をもっている子どもたちが通級してきます。一人一人の困り感に応じた学習を行い、その子の「ことば」の力を高めて、その子らしさを発揮できるように支援しています。
小鳥にとっての『止まり木』のような…とは?

身体を動かしたり、個々が好きな遊びを
一緒に楽しんだりして心身を解放して、
ことばを引き出します。
「なんでそんな話し方なの?」「今、何て言ったの?」「何が言いたいのか分からない」これらは、ことばの教室に通う子どもたちが、周囲の人からよく言われることばです。
「ことばのやりとり」が苦手なために、集団の中で自分の言いたいことを言えずに静かにしていることが多いので、周囲の人に困っていることに気付いてもらえないこともあります。
こうした子どもたちにとっては、安心して自分の思いを表現できる場所が必要です。集団の中で疲れてしまっても、ことばの教室で少し羽を休めることで、元気になってみんなの中へ戻っていける。そんな『止まり木』のようなことばの教室でありたいと思っています。
語彙を増やすために…
子どもたちが楽しみながら、日常生活や授業中に必要な語彙を増やすために、しりとりや連想ゲーム等の楽しい「ことば遊び」や絵本の読み聞かせなど、個々にあわせていろいろな教材を取り入れています。
中でも「お話すごろく」は、子どもたちから大人気の教材のひとつです。年中行事や季節の風物詩に関する質問やクイズを入れて、季節ごとに作成しています。
夏のすごろくで「夏においしい果物は?」の問いに担当が「スイカ」と答えると、子どもから「スイカは野菜だよ」という反応が…そこから野菜と果物の違いや好きな食べ物、嫌いな食べ物、など話題が広がっていきます。
子どもたちと何気ない会話を楽しむ中で、時には「Aさんの言いたいことは、こういうことだね」とその子の言いたいことを汲み取ったり、補足したりして、その子が「使えることば」を増やしていきます。


おわりに
子どもたちが、個々の課題に合った教材を使って楽しく学び、「ことばの力」を高め、自分を好きになって羽ばたいていくための手助けをしていきたいと思います。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会教育政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3168
ファクス番号:054-221-3561
kyoui_seisaku@pref.shizuoka.lg.jp