静岡県教育委員会

“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり

Eジャーナル第236号(抜粋)令和3年6月発行

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ページID1031408  更新日 2023年1月13日

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民間企業等派遣型研修の体験談

民間企業で研修したら、こんな体験できました!
教員人生が変わるかも!?

皆さん、民間企業等長期派遣型研修って知っていますか?今回は、令和2年度研修に参加した小泉真由子教諭を取材し、どのようなことを体験し、何を得たのか教えてもらいました。

派遣先:静清信用金庫
所属:当時/静岡県立静岡中央高等学校
現在/静岡市立清水桜が丘高等学校
教科:商業科
氏名:小泉真由子

静清信用金庫の地域密着の業務を体験

民間企業等長期派遣型研修では、小・中・高・特の教員が製造、販売、報道など、各社に派遣されます。
この研修では、民間企業で最新の技術や組織マネジメントを学び、研修後に魅力ある学校づくりに生かす目的があります。小泉教諭は、4月から1年間静清信用金庫に派遣され、人事部業務や経営相談部業務に携わりました。人事部では信用金庫と銀行の違いや給与システムの使い方、ビジネスマナーなど、経営相談部では学校への金融教育や企業への訪問相談業務、各種イベント運営業務などを体験しました。

信用金庫・学校・地域・大学の連携

研修中での特筆すべき出来事は2点。1点目は小泉教諭の提案・コーディネートにより、静清信用金庫を中心に、静岡商業高校、駒形通商店街、静岡大学がつながったこと。2点目は、静岡商業高校の生徒が駒形通商店街を活性化するプランを提案する学びが実現したことです。

高校生が商店街の活性化プランを提案

静商の生徒は4者連携の議論を重ね、エコバッグの開発やマルシェへの参加など、商店街との連携を通して、商店街の課題を把握することができました。最終的には生徒が主体となり商店街の活性化プランを提案することができました。提案したプランは現在実現に向けて進行中です。

未来を育てる仕事

小泉教諭は今回の研修を振り返り、「教員人生を見直す良いきっかけとなった。生徒も地域の一員であり、教員の仕事は地域の未来を創る仲間を育てることだと改めて実感した。教員は、地域や企業の方々など、もっといろいろな人との出会いを楽しんで働くことができると、仕事の魅力は一層広がる。」と語り、地域や企業側から視点を変えて学校を見ることで、新たな気付きが得られることを教えてくれました。

民間企業等長期派遣型研修の体験談は以上です。

実践ノート469 豊かな環境と温かな地域の人々に囲まれ

小山町立成美小学校 教諭 勝又規真

はじめに

本校は、全ての学年が単学級、全校児童が131人という小規模校です。富士山や丹沢山系に囲まれた自然豊かな環境と、温かな地域の人々に支えられ、児童は伸び伸びと育っています。

より良く生きるために主体的に関わり深め合う子の育成

グローバル化や急速な情報技術の進化による、変化が激しく複雑な社会を生きていく子供たちには、自らの可能性を発揮し、より良い社会と幸福な人生の創り手となる力、すなわち「生きる力」が求められています。昨年度から小学校で完全実施されている新学習指導要領では、この「生きる力」を育むための資質と能力の育成に重点が置かれています。本校の児童は、穏やかで素直であるという良さを持っている反面、6年間クラス替えがない等、変化に乏しい状況の中で学校生活を送っているという課題もあります。
そのため、自分たちで発想したり、進んで考えを伝えたりすることに苦手意識を持っている児童が多くいました。
このような状況を踏まえ、子供同士が協働したり対話したりしながら、自らの見方、考え方等を再構築し、主体的により良い「解」を求めていけるような授業づくりを行っていく必要があると考えました。
そこで、本校は令和2年度から「より良く生きるために主体的に関わり深め合う子の育成」を主題として設定し研修を進めてきました。

子供主体の授業づくり

授業づくりでは、学習課題の設定に重点を置いています。学習課題は「子供が学びたいと思っていること」や「子供から出た疑問」から生まれた課題、つまり子供の発想が主体となっている課題であるかどうかが大切だと考えています。子供の発想が主体となった課題を設定するためには、子供の思いや考えを理解することが必要です。ノートに書かれた振り返りや授業中の発言、さらには子供の生活環境にまで視野を広げ、子供一人一人の思考の流れをつかもうと努力しています。本校は小規模校であるため、どの教員も全校児童のことをよく知っています。校内研修では、このような小規模校ならではの特性を生かし、子供一人一人の顔を思い浮かべ、その一人一人がどのように変容することを期待するか等、子供の姿を軸にして研修を行っています。

はじめに子供ありき

はじめに子供ありき。本校での研修で私が学んできたことはこの一言に尽きるのではないでしょうか。目の前にいる子供たちと一緒に授業を創り出し、子供の成長を喜ぶ。これは教員としての最大の喜びです。
これからも授業を通して、子供たちが未来を切り開いていくための手助けをしていきたいと思います。

実践ノート469は以上です。

実践ノート470 「感性」を高める書道の授業を目指して

静岡県立浜松北高等学校 教諭 永井和歌子

私が大切にするもの

「書道」の授業では、生徒の感性を高めることを第一の目標にしています。
創作の授業では、まず、生徒自身に自らの思いを込めた語句を選ばせます。そして、どのように表現すればその思いが鑑賞者に伝わるかを考え、表現方法を構想するよう指導しています。生徒たちには、書体や字形、筆遣い、墨量、紙面構成などさまざまな要素について工夫し、試行錯誤しながら作品制作に取り組むよう伝えています。
制作の過程では、グループ内で、自らの作品の表現意図や課題を発表した後、友人とアドバイスし合う時間を設けています。感じたことを言葉にして友と共有することは、さまざまな気付きを得ると同時に、表現する喜びを味わい、感性を磨くことにつながると考えています。

ICT機器の活用

授業では、学び合い、試行錯誤する時間を確保することと、効果的にポイントを伝え、イメージをつかませること、その両方が重要になります。特に、後者の指導では、タブレットや実物投影機などを用いて、筆法を示したり、資料を拡大提示したりしています。提示後、生徒は自分なりのイメージや制作のヒントがつかめるためか、一層意欲的に取り組んでいるように思います。
今後、生徒一人一人がタブレットを持つようになれば、個々に調べ学習に使用したり作品鑑賞の場面では、チャット機能を用いて意見交換を行ったりすることができるようになると考えます。

つなげ、広げ、深める

あるとき、生徒が、「生物の授業で神経伝達の仕組みについて学習したことがきっかけで、文字を書くときの脳の働きに興味を持った」と教えてくれました。これに対し、「筆で文字を書くことは、前頭前野の発達を促す行為だと言われているよ」などと伝えたのですが、以来、他教科とのつながりを意識することは、生徒のモチベーションアップにもつながることだと考えるようになりました。
ほかにも、「書道」と関連がある「日本史」や「古典」などの授業と上手に関連付けて指導することにより、生徒の視野が広がり、学びが深まると感じています。
生徒が、芸術を身近なものと感じ、心豊かに成長していけるよう、今後も支援していきたいと思います。

実践ノート470は以上です。

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