Eジャーナルしずおか第255号(抜粋)令和5年1月発行
磐田南高等学校書道部の皆さんに書道パフォーマンスつきで執筆してもらいました!
学び舎はまだコロナ禍の影響下にありますが、私たちは次第に感染拡大防止に留意したウィズ・コロナの学校生活を確立しつつあります。対面での学校行事も少しずつ復活してきました。
3年前にはあまり現実的でなかったオンラインのコミュニケーションは今や当たり前の光景となり、意思疎通を図ること自体は必ずしも対面でなくとも成立します。しかしやはり、人と人が同じ空間に身を置き、直接対面して交流することで、はるかに多くの情報を交換できるし、それのみならず、互いの気持ちが通じ合い、心が共に響き合うような場面もあるのではないでしょうか。そんなコミュニケーションを大切にしてゆきましょう。
静岡県教育委員会教育長池上重弘
実践NOTE507
子供たちの手による“もっと”楽しい学校づくり
「ワクワクを創る子」の育成 川根本町立本川根小学校 教諭 鈴木達也
ワクワクづくりの要は全校委員会
本川根小学校は、全校43人の小さな学校です。昨年度は、「楽しい学校づくり」、本年度は「“もっと”楽しい学校づくり」を合い言葉に、児童主体のワクワクな学校づくりを進めています。
ワクワクづくりの要はなんといっても「全校委員会」です。全校児童で話し合い、1年間のスローガンや学校行事の内容などを決定しています。子どもたちは自分事として、学年に関係なく進んで発言し、“大切なことは自分で決める”が本川根小学校の当たり前になっています。
活動の主役は全校児童一人一人
学校行事は、学級ごとに役割が分担されたり、全員が専門部に所属したりするなど、一人一人に輝く場があります。
全校児童参加の「やまびこサマー教室」は、1年生がはじめの会とおわりの会を担当しました。入学して2か月とは思えない堂々とした運営ぶりで、上級生を驚かせました。また、「小中合同体育大会」では、低学年も高学年に混じって、開会式の運営をしたり、競技の実況をしたりするなど、中学生に負けじと大活躍をしました。どの活動においても主役は児童一人一人です。
ミッション!募れ、本小応援団
「やまびこサマー教室」の午前の活動は、ふるさとウォークラリーです。子どもたちが考えたミッションは、本小応援団を募ること。地域に飛び出した子どもたちは、たくさんの応援団を集め、笑顔で学校に帰ってきました。
11月の体育大会前には、全校一人一人が応援団の皆様に招待状を書きました。当日、たくさんの方に足を運んでいただき、温かな声援をいただきました。今後も本川根小学校の応援団が地域全体に広がっていくことでしょう。
異色のワクワクづくりは現在も進行中
修学旅行の行き先や内容も子どもたちの「思い」で決めます。校長室や参観会で、自分が行きたい場所の魅力を全員がプレゼンしました。熟議の結果、行き先は長野県に決定。細かな行程も自分たちのこだわりで考え、ワクワクな2日間を創りあげました。
7月には1・2年生の提案による夏祭りを開催しました。金魚すくいやお化け屋敷、ダンスなど、各学級の工夫した出し物も加わり、それぞれのよさがミックスされた特別な時間となりました。本川根小学校のワクワクな「“もっと”楽しい学校づくり」は、現在も進行中です。
実践NOTE507は以上です。
実践NOTE508
遊びは『子ども発・大人経由・子ども着』
牧之原市立地頭方幼稚園 教諭 菅沼恭子
継続した遊びの充実を
本園は子どもの思いから始まった「子ども発」の遊びを大切にし、保育者が子どもの表れから思いや願いを多面的に捉え、育みたい資質・能力を明確にして環境構成や援助を行う「大人経由」、子どもが思いを実現しながら遊びを展開し、満足いくまで遊ぶ「子ども着」を保育の根底に据えています。
生き物大好き!
園庭や少し歩いて園外に出ると沢山の生き物に出逢う事ができ、子ども達は名前を付けて飼い方を調べ飼育しました。生き物の本を部屋に沢山出しておくと「やってみよう」「あれうまくいかないこうする?」と友達と試行錯誤しながら、テントウムシが糸を渡る姿を見ました。ザリガニを見つけタモで捕まえようとすると水が濁ってしまい、肉を付けて釣ってみる事に。始めは慌てて竿をあげ、逃げられてしまいましたが糸から伝わる餌を引く絶妙な感触を感じ「来た!」とそっと釣り竿を持ち上げるようになりました。カタツムリの餌は家から野菜の端などを持ってきて包丁で切って串に刺し、生きた虫を食べるアマガエルやカマキリにはハエやバッタを夢中になって捕まえて、飼育ケースに入れるのも一苦労。そっと見ていると勢いよくハエに飛びつくカエルの姿やバッタをムシャムシャ食べるカマキリに「わぁ~今見た?」と顔を見合わせて驚き、生きていくための厳しさも感じていました。飼育する中で逃げる、赤ちゃんが生まれる、動かなくなってしまうなど目にします。休日前は相談して交代で持ち帰って世話をすることで、ずっと飼っていたい、逃がした方がいいなど意見が出て、生き物の生命について考える場にもなりました。「きれいにするよ」と気付いて水替えを行い、生き物がクラスの一員となりました。私自身も初めて見たり試してみる事ばかりで、子どもと共に考えたり驚いたりする毎日でした。自然豊かな地域だからこそできる体験を通して多くの事を学び、地域の良さを感じました。
遊びを通しての育ちを…
「8人のクラスなら、保育者が9番目の子どもになって遊び、方向づけをしていくこともありだよ」とアドバイスしてもらった事があります。共に遊び、何に興味を持ち楽しんでいるのか、どうしたいのか、どこに躓いているのかを姿や言葉から読み取り、保育者が意図する環境構成や再構成を行うことで、子ども達が自ら遊びを創り出していくと思います。遊びを通して必要な経験が得られるよう、ねらいや課題、育ちを明確にし、恵まれた自然環境や小規模園ならではの良さを生かしながら、子ども主体の継続した遊びを大切にしたいです。
実践NOTE508は以上です。
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