東部地域施設概要:深良用水隧道
施設の概要
深良用水隧道は、芦ノ湖の北西岸の深良水門(※)下流を起点とし、湖尻峠の下を通過して、深良川起点まで掘られた、深良用水に設置されている施設です。
この施設は、箱根外輪山を総延長約1,280mで貫くもので、取水口と隧道出口との標高差は9.8m、トンネル内の平均勾配は250分の1と、流水隧道としては理想に近いものと讃えられています。徳川4代将軍家綱の時代に、小田原藩深良村名主の大庭源之丞は、慢性的な水不足による干ばつ被害を防ぐため、芦ノ湖の水を導水することを構想して、土木工事の経験がある江戸浅草の豪商友野与右衛門に工事を依頼しました。
友野与右衛門は、湖尻峠にトンネルを掘り、深良側に湖の水を引く計画を立て、苦労して工事の資金集め等した結果、寛文6年(1666年)に幕府の許可を得て、その年の8月に深良と芦ノ湖の両側からトンネル工事に着手しました。当時は、ノミ、ツルハシなどによる手作業で、3年半の歳月、総工費7,400両(現在の7億円以上)を費やし、延べ約84万人により、寛文10年(1670年)2月にトンネルは完成しました。
トンネルの中央部には約1mの段差がありますが、これは両側から掘り進んだための誤差と言われていますが、トンネルの屈曲とともに水勢を変えるために計算した上で段差をつけたのではないかという説もあります。現在、水門の脇と隧道出口には、記念碑が建立されています。
また、当時の大工事を偲ばせるものとして、掘削道具の一部が深良用水の全体模型とともに、裾野市深良支所に併設された郷土資料館に展示されています。※深良水門は、本HPで別途紹介しています。
施設の写真
施設までの交通アクセス
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東名高速道路:裾野ICより約16分 - 公共交通機関をご利用の場合
なし
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