<地域資源活用関連>強い団結力で立ち上がり、地元食材を活用して新たにビジネスを開始!地域全体に利益が還元される好循環を創出 NPO法人夢未来くんま
- 所在地
- 〒431-3641 浜松市天竜区熊1976-1
- 代表者
- 理事長 大石顥
- 電話
- 053-929-0636
- ファクス
- 053-929-0625
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設立
- 昭和63年
- 事業内容
- 地場産品加工販売、食堂での地元料理提供、高齢者福祉、地域イベント・環境保全活動等
地域の女性たちが、立ち上がる
浜松市街から北へ40分程車を走らせると、山々に囲まれた自然豊かな浜松市天竜区熊(くんま)地区が現れる。昭和50年代、この熊地区では、地元基盤産業であった林業の衰退と人口流出により、過疎化や少子高齢化が地域全体の問題となっていった。以前から地域課題に対して自分たちで改善に取り組む地域性もあり、地元のお母さんたちが、「このままふるさとが埋もれてしまうことを見過ごせない。」「自分たちで何かしよう。」と、強い意志と団結力で立ち上がった。
まずは、地元の食文化を掘り起こし、それを冊子にまとめ地域内へ発信すると共に、地元物産品として味噌や保存食を作ることから始めた。地域に眠る資源を見直すことで、住民に郷土意識が生まれ、次第にその活動は広がりをみせていく。
昭和63年、地区全戸の参加により熊地区活性化推進協議会が結成されると、天竜市役所(当時)の支援やふるさと活性化事業の助成金を得て、食品加工施設「くんま水車の里」と食事処「かあさんの店」がオープン。平成12年、更なる事業の拡大と継続を見越し、熊地区の成人すべてを会員とするNPO法人夢未来くんまの設立へ展開していった。
お母さんたちの思いと団結力
地元に暮らすお母さんたち31人が集まって運営しているが、どのメンバーも接客や店の運営に関して未経験で、家の外で働くことが初めての者も多かった。
周りからは冷ややかな見方や批判もあったが、「地元をもっと知ってもらいたい。」「自分たちが作ったものを食べてもらいたい。」という思いで活動を続けた。何よりお客様の笑顔に出会える喜びが大きかったことから、家事や家業の傍ら、各々が得た知識や技術をメンバーで共有し、限られた時間の中で効率的にスキルを高めていった。こうすることで、食事やサービスの品質はより一層高まり、顧客満足度の向上につながっていった。
そんなお母さんたちの温かさと地域の魅力に惹かれ、年間7~8万人が県内外から訪れるようになり、リピーターは着実に増えていった。平成元年には、「農林水産祭むらづくり部門」で天皇杯を受賞し、さらに全国からその活動が注目されるようになった。
地域へ還元していく
「かあさんの店」や「くんま水車の里」などを運営する「水車部」が軌道に乗ると、同NPO法人は、「地域を元気にしたい。」という原点に立ち返り、新たな事業を担うこととなった。子供や孫世代向けに交流促進やまちづくりを行う「いきがい部」、親世代向けにデイサービスや給食サービスを提供する「しあわせ部」、未来の子孫たちのために環境保全活動を行う「ふるさと部」が設けられ、これらの非営利事業には「水車部」で得た収益を利用している。収益事業と非収益事業とを効率的に組み合わせることで、地域に利益を還元する仕組みを整えている。
現在、活動開始当時の運営メンバーも高齢化し、新たな若手メンバーの参画を模索している。しかし、たとえ時代や地域課題と共に事業内容は変化したとしても、未来の地元を思うお母さんたちの気持ちは同じである。その思いをビジネスにつなげ、発展させてきたこのモデルは、里の中心で水を循環させるために回り続ける水車のように、次世代へ継承され続けていくだろう。
ここが、ポイント!
- 現状
- 地元に暮らすお母さんたちによる、地域資源を活用した新たな商品・サービスの提供と雇用創出。
- 現状の課題
- 新たな若手メンバーの参画と、買い物難民になった住民のニーズにどう応えていくか。
- 未来
- より良い地域づくりに向け、新たな課題にも住民一丸となって取り組み、事業を継続していく。
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