(1)安全・安心な地域づくり (ア)命を守る安全な地域づくり

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ページID1011170  更新日 2023年1月26日

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令和4年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【3.人づくり・富づくりを具体化する取組】(1)安全・安心な地域づくり

予算編成と組織定数改編の基本方針の1つ目は、「人づくり・富づくりを具体化する取組」であります。以下、新ビジョンを具体化するための5つの基本方向に沿って、主な政策を御説明申し上げます。

第1の柱は、「安全・安心な地域づくり」であります。

はじめに、防疫対策の強化についてであります。

県民の皆様の命と健康を守るため、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動との両立に、全力で取り組んでまいります。また、パンデミックの恐れのある感染症の発生に備え、ワクチン・治療薬の国内開発の促進や、対策の拠点となる本県独自の管理センターの設置など、あらゆる感染症への対応力を強化し、「防疫先進県」を目指してまいります。

次に、将来の新興・再興感染症への備えについてであります。

昨年12月、静岡県感染症対策専門家会議の新興感染症等対策検討部会を開催し、「(仮称)ふじのくに感染症管理センター」の機能や設置場所について御議論をいただきました。会議では、感染症管理センターの必要性について御理解をいただくとともに、設置場所については、三島市の静岡県総合健康センターを活用する案を御了承いただきました。今後は、感染症管理センターの機能について、更に御議論をいただき、年度内に基本構想を策定してまいります。

また、静岡県総合健康センターにつきましては、感染症管理センターが開所する令和5年度まで、県民の皆様に引き続き御利用いただけるよう、指定管理による運営を1年間継続することとし、指定管理者の指定について今議会にお諮りしているところであります。

次に、地震・津波対策についてであります。

浜松市沿岸域の防潮堤や、命山、避難タワー等の津波避難施設の整備など、「地震・津波対策アクションプログラム2013」の着実な推進により、2019年度末の時点で、想定される犠牲者の約7割減少まで対策が進んでまいりました。

令和4年度は、計画の最終年度となることから、目標とする8割減少の達成に向け、取組を一層加速してまいります。今後、津波避難施設の整備効果が最大限に発揮されるよう、県民の皆様の命を守るための基本である早期避難意識の向上について、取組を強化してまいります。このため、県民一人ひとりに、災害リスクや地域特性に応じた個別避難計画である「わたしの避難計画」を策定していただけるよう、市町と一丸となって強力に進めてまいります。来年度は、津波浸水想定区域を重点区域として進め、その他の区域については、地震・津波対策等減災交付金に新たな支援メニューを創設し、市町の取組を支援してまいります。

県民の皆様の掛け替えのない生命や財産を守るため、ハードとソフトの両面から着実かつ迅速に対策を進め、防災先進県にふさわしい地域をつくり上げてまいります。

次に、県土強靱化の推進についてであります。

近年、地球規模の気候変動などの影響により、頻発化、激甚化する風水害や切迫する南海トラフ地震、インフラの老朽化などへの対応が喫緊の課題となっております。国の事業規模15兆円の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に呼応し、道路、河川、港湾などの機能強化や老朽化対策を重点的、集中的に進めてまいります。また、県単独の取組として、道路の防災対策、河川・港湾・漁港の浚渫、治山ダムの設置、道路や河川堤防の除草・防草対策などに必要な予算を盛り込み、県土の強靭化に取り組んでまいります。

次に、熱海市伊豆山地区における土石流災害への対応についてであります。

「逢初川下流域復旧・復興チーム」を中心に、地域の理解と関係機関との連携のもと、順次、復旧工事を進めております。中下流部では、河川、道路、港湾及び宅地に堆積した土砂の撤去が概ね完了いたしました。上流部につきましては、国の直轄砂防事業として、年度内に新設の砂防堰堤工事に着手いたします。

今後は、熱海市の復興まちづくりと連携し、具体的な河川整備計画の策定を進め、一日も早い復旧・復興に向け全力を挙げて取り組んでまいります。

今回の事態について、県民の生命、身体及び財産を守るための静岡県土採取(つちさいしゅ)等規制条例が十分な効力を持たなかったのは、重大な問題だと認識しております。二度と同じような災害を発生させないため、静岡県土採取(つちさいしゅ)等規制条例を抜本的に見直し、盛土に特化した新しい条例を制定することとし、今議会に条例案をお諮りしているところであります。

新条例では、これまでの届出制を許可制に改め、罰則を地方自治法上の上限に引き上げるほか、土地所有者の責務も規定するなど、より実効性のある厳格な内容といたしました。盛土等の構造基準規定や、土壌汚染に係る基準を定め、原則として、何人も、有害物質で汚染された基準に適合しない土砂を用いた盛土等を行ってはならないこととします。盛土行為者に対する厳格な指導を行うため、市町への権限移譲は行わず、県が統一的に運用いたします。

危険な盛土等を未然に防ぐための監視・指導、許可申請に係る審査事務を一体的に実施するため、所管をくらし・環境部に統一し、盛土対策課を新設いたします。

次に、安全な生活の確保と交通安全の推進についてであります。

県民の安全で安心な生活を守るため、地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策や地域との協働による自主防犯活動に加え、依然として高水準で推移している人身安全関連事案や特殊詐欺など、様々な犯罪への対策を進めてまいります。

特に、極めて深刻な状況にある児童虐待事案に対しては、県単独措置の警察官を増員して体制の強化を図り、警察と児童相談所との連携を一層強化してまいります。また、警察活動の拠点となる大仁警察署や交通管制センターの整備を進めてまいります。

令和3年の暦年ベースの交通事故発生状況につきましては、人身事故件数は19,382件で、前年に比べ1,285件減少いたしました。また、死者数は89人で、前年を19人下回り、統計を取り始めた昭和28年以降、最少を記録しております。今後も、交通事故のない安全な社会の実現を目指し、高齢者と子供の交通事故防止を重点として、横断歩行者を保護する活動や交通指導・取り締まりを強化いたします。また、視認性に優れ、二酸化炭素の排出削減効果も高いLED信号機の整備や、車線逸脱を防止する区画線の引き直しに重点的に取り組むなど、総合的な交通事故防止対策を推進してまいります。