(5)魅力の発信と交流の拡大 (イ)世界の人々との交流の拡大

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ページID1011181  更新日 2023年1月26日

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令和4年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【3.人づくり・富づくりを具体化する取組】(5)魅力の発信と交流の拡大

次に、世界クラスの資源を活かした観光交流の拡大についてであります。

観光スタイルが多様化・複雑化していることに加え、新しい生活様式が定着し、人々の行動変容が起こる中、旅行者の意識も高まり、SDGsが旅行先を選択する重要な要素となりつつあります。近年、持続可能な観光(サステナブルツーリズム)の実現に向けた動きが世界各地で本格化する中、日本でも多くの地域で、持続可能な観光地域づくりの活動や取組が進められております。

本県におきましても、観光庁が作成した「日本版持続可能な観光ガイドライン」を参考に、本県のサステナブルツーリズムの方向性を観光事業者等と共有するための独自基準を創設し、旅行者から選ばれる観光地域づくりに向けて、取組を本格化してまいります。自然、食文化、スポーツなど、本県が誇る世界クラスの地域資源を活かしたツーリズムも取り入れたモデル事業を実施し、「しずおか型サステナブルツーリズム」のスタイルを確立してまいります。

今後は、県をはじめ、市町、観光事業者、企業、地域住民の皆様と一体となって、「経済的」に成長でき、「環境的」にも適正で、「社会文化的」に好ましい、三方良しのツーリズムを推進し、将来を見据えた持続的な観光産業の発展を図ってまいります。

次に、ガストロノミーツーリズムの推進についてであります。

本県は、富士山をはじめ、南アルプス、駿河湾、伊豆半島、浜名湖など、世界クラスの地域資源の宝庫であります。また、多彩で高品質な439品目の食材を有する「食材の王国」でもあります。これらの強みを最大限に活かし、自然・地理・歴史・文化等の背景から静岡の和の食文化を掘り下げ、ツーリズムに取り込むことで、本県の観光交流を新しいステージに進めてまいります。

昨年11月には、舞台芸術公園と日本平山頂をつなぎ、「日本平芸と食と絶景と」をテーマに、演劇と食文化を融合したモデル事業を実施し、約400人の皆様に御参加をいただきました。また、ふじのくに地球環境史ミュージアムでは、企画展「しずおかの酒と肴」において、県内の豊富な食材や日本酒等の原材料に焦点を当て、料理や醸造の背景にある生物多様性への理解を深め、地元の食文化を考えるユニークな試みを実施しています。

こうした取組を更に発展させ、食を活かした観光地域づくりを戦略的に進めるため、和食文化学の第一人者である、ふじのくに地球環境史ミュージアムの佐藤洋一郎館長をはじめ、食の現場で活躍する料理人、生産者等からの助言も得ながら、推進体制を強化してまいります。

来年度は、食の魅力・質を確保するため、料理店、生産者のSDGs認証などに取り組むとともに、静岡の食文化に精通したガストロノミーツーリズムコーディネーターを核に、食材の生産者、料理人、観光関係者、地域住民等が一体となって、観光資源と食・食文化が融合したサービスを創出し、新たな観光需要の喚起に全力を挙げて取り組んでまいります。

将来のインバウンド需要の回復や、山(やま)の洲(くに)における連携も見据えつつ、国内外の人々が静岡の和の食文化を味わうために来訪する地域を実現し、しずおか型ガストロノミーツーリズムを強力に推進してまいります。

次に、地域外交の推進についてであります。

友好的互恵・互助に基づく善隣外交を基本理念に、海外駐在員事務所などを活用し、本年、友好提携40周年を迎える中国浙江省をはじめとする重点6か国・地域を中心に友好関係の維持・深化を図ってまいります。一方、国境を越えた往来が制限されている中、海外からの活力を積極的に取り込み、県内経済の成長や人材不足を解消していくことは、海外とのネットワークや情報を有する地域外交の重要な役割であります。このため、外国人材と県内企業とのマッチングプラットフォームの構築や、外資系企業のサテライトオフィスの誘致など、新たな視点や手法を取り入れた施策を展開し、県内企業の支援や地域の活性化を図ってまいります。今後も、コロナ禍で培った対面とオンラインを併用した「ツイン外交」の手法を取り入れ、将来につながる交流事業を展開してまいります。