第5回『リニア中央新幹線を考えるその2』

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1005035  更新日 2023年4月11日

印刷大きな文字で印刷

リニア中央新幹線の静岡工区約8.9Kmのトンネルを掘るため、そのほかに実に多くのトンネルを掘ることになります。

本坑(実際に新幹線が通るトンネル)を掘る前に、4本のトンネルを掘ります。

1本の工事用トンネル、2本の斜坑と1本の導水路トンネルです。

工事用トンネルは、トンネルを掘るための資材や車両を運ぶためのもので、工事用車両が十分すれ違うことのできるよう幅が9メートル、高さが6メートルあり、その長さは3.9Kmです。

斜坑は、本体トンネルに地上から斜めにつながるもので、工事後、通風口や非常出口に利用され、幅が11メートル、高さが9メートルもあり、長さ3kmと3.5kmの2本掘削します。

導水路トンネルは、工事中、工事後のトンネル内の流水を川に戻すためのものですが、それでも直径4メートルほどの口径があり、11kmの長さがあります。

さて、それらのトンネル掘削が一部終了した後、いよいよ本坑の掘削に入ります。

そしてその時、先進坑というトンネルを本坑と平行して掘っていきます。ちなみに、本坑のトンネルは、幅が14メートル高さが8メートルと大きなものですが、同時に掘削する同じ長さの先進坑も幅7メートル高さ6メートルあります。

これだけの穴が、地盤の複雑な南アルプスの山腹に掘られるということを、私たちは改めて理解しておく必要があります。

リニア中央新幹線トンネルの掘削は、流域市町の水資源問題は言うに及ばず、南アルプスの貴重な植物資源などの自然環境への影響について、一人一人が思いを巡らすことが、持続可能な社会の実現を求める上で非常に重要なことです。

地図:リニア中央新幹線トンネルの掘削について
第9回生物多様性部会専門部会(2022年3月24日)におけるJR東海の資料から引用