第7回『水』

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ページID1053003  更新日 2023年4月25日

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 今年の初頭、ユーラシアグループが「TOP RISKS 2023」を発表しました。

 

 その10項目の一つとして「逼迫する水問題」が挙げられています。内容は「2022年、水位低下はアフリカの食糧危機を悪化させ、ヨーロッパでは海運や原子力発電を停止させ、中国では工場の閉鎖につながった。また、水不足によって、米国では西部の州が給水制限を余儀なくされ、中南米では社会不安が高まり、企業と地域社会の関係が緊迫した。2023 年の予測はさらに悪化している。河川では最低水位を記録し、世界の企業の 3 分の 2 が事業やサプライチェーンにおいて重大な水リスクに直面することになる。」と予想するものです。

 

 「水」は私たちの生活や経済にとって非常に重要な資源です。しかし、日本は質・量とも「水」に恵まれた国であり、日本人は全般的に水の価値をあまり意識しなくても日常生活を送れるとても恵まれた国民なのです。

 「水」は私たちの生命維持に欠かせないものです。身体を構成する約60%が水であり、世界的には、水不足が引き起こす病気や災害によって、多くの人々が亡くなっています。一方、日本での災害は、風水害、洪水、津波など水の過多によるものが注目され、水不足による弊害は、特定地域の一過性の話題となりがちです。

 人々の生活に必要な清潔で安全な水道水の供給や、飲み物や食べ物の生産に、原資としての「水」の質の確保は欠かせないものです。さらに、「水」は産業への重要な資源であり、水力発電や製造業など、多くの産業で多くの量の「水」を使用しています。

 日本は海に囲まれ、また「森は海の恋人」と呼ばれるように森林が豊かであるという条件が整っている水産業立国でもあり、水質が悪化し、河川流量が減少することで、漁業や海産物の品質にも大きく影響を及ぼします。

 

 繰り返しになりますが、「水」は私たちの生命や生活、そして産業にとって非常に重要な資源です。そして、世界的には「水」が紛争や生死に直接かかわるリスクの要因としてとらえられているのです。

 私たちは水の大切さを再認識し、水の質や量を守り、水を有効に活用することが求められています。

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