令和4年度男女共同参画社会づくりに関する知事褒賞受賞者紹介
静岡県では「静岡県男女共同参画推進条例」に基づき、男女共同参画の推進に関する取組を積極的に行っている個人・団体、女性の活躍を推進する事業所や、チャレンジした女性(個人、団体)を表彰しています。選考委員会による選考の結果、本年度の受賞者を次のとおり決定しました。(部門ごとに記載、敬称略)
男女共同参画推進の部(個人)2件
大塚佐枝美(静岡市葵区)・・・静岡女性史研究会代表
- 短期大学の講師となった昭和40年代から、当時は結婚、育児で職場を離れるのが普通であった女性の生き方に対し、子育てを経ても経済的自立が必要であることを多くの学生に説くなど、長年にわたり、女性の社会進出や地位向上に努めた。
- 平成16年から22年まで、静岡県男女共同参画センター交流会議の委員、理事を務め、この間、機関誌の編集や講座の企画など、県の男女共同参画の推進に取り組んだほか、県内の様々な分野で活躍する女性に視点を当てた情報発信を行った。
- 静岡女性史研究会代表として、これまであまり注目されてこなかった女性の近代史にスポットを当て、表舞台で活躍した女性のみならず、暮らしを支えた女性を精力的に取材し、「しずおかの女たち」発刊に大きく関わった。現在も静岡県の女性の足跡を残す活動を行っている。
仁科惠子(函南町)・・・静岡県人権擁護委員連合会理事
- 地域の人権擁護委員として、長年の看護師業務の経験を生かし、各種団体と連携しながら、相談者に寄り添った相談業務を行っている。
- 地元函南町内の全小中学校で長きにわたり人権教室を継続的に実施している。人権擁護の観点から、地域の男女共同参画社会の実現に向けた気運醸成に取組む。令和3年から、沼津人権擁護委員協議会の副会長に就任している。
- 平成27年から函南町商工会女性部長及び理事に就任し、商工会員向け女性部通信「陽だまり」を発刊、町内の女性商工業者の参画拡大と活性化に尽力したほか、女性の視点からの防災対策の取組や、自ら発起人となり、リユース・ウェスを製作、介護福祉施設に寄付するなどの地域支援を行う。
男女共同参画推進の部(団体)1件
浜北女性の会(浜松市浜北区)構成員110人(うち女性110人)
- 男女共同参画社会基本法施行以前の平成7年から、男女共同参画をテーマとしたフォーラムを開催するなど、固定的性別役割分担意識の是正に向けた実践活動を長年取り組んでいる。
- 平成14年から男性を対象とした料理教室を開催しており、従来女性の役割であった地域防災訓練での炊き出しへの参加や、家庭での家事参加など、長年の取組の成果として、男性の意識改革と行動変容に結びついている。
- 自主防災組織に女性が参画できるよう、平成23年から避難所運営ゲーム(HUG)などの研修を開催し、女性だけでなく、男性も一緒に取り組むことで、女性の資質向上を図るだけでなく、男性に女性の参画の必要性の理解につなげるなど、男女共同参画の視点からの防災対策の普及に取り組んでいる。
女性の活躍推進事業所の部 3件
静清信用金庫(金融・保険業)(静岡市葵区)従業員584人(うち女性276人)
- 女性総合職を積極的に採用し、資産運用相談業務(マネープランナー)や本部専門職等、様々な分野で女性が活躍。
- 平成28年には女性支店長も誕生し、管理職を目指す女性職員のロールモデルとなり、より高度な仕事にチャレンジする意欲の向上に繋がっている。
- 育休明け従業員の柔軟な勤務を可能とする役職「マネープランナー」の設置や企業保育施設との共同利用を全支店エリアにカバーするなどスムーズな復帰をサポートしている。
- 平成22年には県内信用金庫初の「くるみん」を取得。
- 成果として、女性の管理職比率は年々増加し、女性の平均勤続年数も全国平均を上回る水準を維持し伸長している。
株式会社橋本組(総合建設業)(焼津市)・・・従業員256人(うち女性50人)
- 女性事務職を廃止し、男女での給与体系の統一を図り、女性総合職を積極的に雇用している。
- 新規採用者には14か月のOJTローテーション研修を実施し、すべての部門を経験させている。建築・土木を学んでいない女子学生も安心して入社できる仕組みづくりを整備し、配属後の定着率や業務の効率化に寄与している。
- 現在、厚生労働省が定める「産業ごとの通常の労働者に占める女性労働者の割合平均値」の建設業界平均値14.2%を上回る19.5%の女性社員を雇用している。
- 令和3年度経済産業省主催「はばたく中小企業300社」人材育成部門受賞
株式会社松浦スチロール工業所(製造業)(吉田町)・・・従業員92人(うち女性35人)
- 小規模な製造業でありながら、結婚や出産を機に退職する女性社員が多かった経験を生かし、働きやすい職場づくりのため、社員の声を積極的に取り入れ、不妊治療休暇制度の創設や育休明け従業員についての時短勤務の拡大など、制度の充実に積極的に取り組んでいる。
- 全社員対象とした外部講師によるハラスメント防止講習や管理職を対象とした県主催のイクボス出前講座の受講など、働きやすい職場のための従業員の意識改革に積極的に取り組んでいる。
- 平成30年以降3年間で採用した新入社員14名の内、8名が女性社員であり、うち離職者は1名のみ。女性にとって働きやすく、女性から選ばれる企業として実績がある。
チャレンジの部 3件
株式会社寺岡銈吉商店(焼津市)・・・従業員10人(うち女性6人)
- 女性の経営者が少ない水産加工業において、代表取締役の寺岡舞氏は、東京築地での水産卸会社勤務を経て、20代で事業承継した。
- 女性後継者の若さ溢れるパワーとアイデアで、従業員と一丸となって事業を推進している。
- 職人による手作業にこだわった創業当時のままの味を守る一方で、舞氏の水産現場の勤務経験から体感した世の中の嗜好の変化に対応するよう、現代の消費者ニーズに合った商品開発を実施している。
- 製造に手間のかかる「少量パック」や、佃煮の新しい価値を追求した出来たての味が楽しめる「生つくだ煮」などは、開発では当初従業員の反発を受けたが、売り上げにつなげたことで、従業員からの理解や信頼を得ることに成功した。
- 県内外の催事への出店やSNSを活用した情報発信、商品PRの取組は、新たな販路・顧客の獲得につながっており、焼津のローカルフードから全国に通用する佃煮へと成長しつつある。
一般社団法人ママとね(三島市)・・・構成員13人(うち女性13人)
- 代表の移住当時の孤独育児の経験から、「子育てをひとりにしない」をテーマに掲げ、「地域の子育て情報提供」と「居場所づくり」活動を展開している。
- 子育て中の仲間と共に、子育てに悩む親を「地域」とつなげることをサポートしている。
- 赤ちゃんへ贈るメッセージや子育て支援団体の情報を盛り込んだ詩集「トツキトウカSHIZUOKAEAST」を発行し、県東部の全市町で母子手帳交付時などに配布している。
- 令和3年11月には、新たなチャレンジとして、コロナの影響で使われなくなった居酒屋の宴会スペースを改装し、一箱本棚オーナー型の「あひる図書館」を開設。育児中の親だけでなく高齢者や子どもなど、コロナ禍で孤立を深める多くの人が集まれる場所を提供している。
佐々木千尋(富士宮市)
- 結婚を機に県外から移住し酪農に従事。
- 就労当時、2家族共同経営で男性優位の風潮がある中、経営上の課題解決に向けて、働き手でしかなかった女性従業員にも発言・意見する場を設ける等、女性の経営参画を推進した。
- 経営主である夫の労働量の削減への取組を契機に、地域でいち早く雇用を導入し、男女問わず働き手の実力が発揮できるよう、就業規則の整備、作業のマニュアル化、牽引免許などの資格取得支援等を実施した。
- こうした取組により、性別に関係なく仕事を共有・分担できるようになり、品質を向上しつつ、女性の雇用拡大や柔軟な働き方につながっている。
- さらに、当牧場で研修を積んだ女性が独立就労する等、女性の畜産経営参画のロールモデルとなっている。
農業技術だけではなく職場環境の改善や氏の活躍が評価され、令和2年度「農林水産祭畜産部門内閣総理大臣賞」を夫と連名で受賞した。
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