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更新日:令和3年11月10日

権利のことばには「誠実と正直」と「法」の意味があるという

いでんサポート・コンサルテーションオフィス 長谷川 知子

人権とか権利とかいうと、難しい特殊な用語のように思われませんか。そこが、日本に人権・権利が今も入りにくい大きな理由ではないでしょうか。もともと「権利」はヨーロッパで「正しいこと」というごく普通のことばから来ています。それは私も知っていましたが、二年前から法科大学院で教えるようになって(早稲田で「生命倫理と法」という講義をしています)、法律の基礎も知らなくては恥ずかしいので少し勉強したところ、権利には「誠実」「正直」という、正しいことよりもっと普通の、生活を思わせる意味もあるのがわかりました。さらに「法」という意味もあるそうです…法律家の方々にはあまりにも当たり前なので気づかれていないかもしれませんが。

だったら人権を護るというのは、「誠実にかつ正直に」話をして行動することであって、全然特別ではないのですね。つまり、その人をそのまま正しく理解して、じっくり誠実に話し合い、正直に言い、自分で作ったレッテルを貼らなければいいのです。簡単なようですが…でもそれが出来なかったため起こった問題は身近にもあるでしょう。簡単そうなことほど本当は難しいのかもしれません。

誠実かつ正直に行うことを妨げるのは、個人的な問題はもちろんですが、システムの問題もあります。日本人はとかく精神論になりがちですが、システムの歪みが積もり積もって誰かに襲いかかり大問題となることも多いのです。皆が安心して「人権」を護るために温かい心が大切なのは当然ですが、精神論だけでは絶対無理です。

医療分野では、皮肉なことに法の介入が大きなきっかけとなって、事故防止ヒューマンシステムが作られ人権がしっかり保障されるようになってきています。企業もそうなっていくでしょう。さらに他の分野、教育や福祉や行政などでも全体を見据えたきめ細かいヒューマンシステムが作られる必要があると思います。

人権を護るためには、権利の意味の一つ「法」の介入がないと出来ないというのでは寂しすぎます。